
【妖怪女ウォッチ】File04: ピンと来る信仰女子
「自分は普通の常識人」それは認知の歪みです! 私も妖怪、あなたも妖怪、みんな妖怪。分析妖怪ぱぷりこが、恋するアラサー女子の中に潜む「妖怪女」の特徴、思考回路、進化予想、お祓い方法を解説します。楽しくウォッチして、必要ならば供養しましょう。
第4回の今回は、前回と同じく「いるいる~!」となってしまう方が多いかもしれません。もしかして自分……!? となってしまった方、ご安心ください「妖怪化を防ぐ方法」も最後に載せてますよ。
「ピンと来る信仰女子」の基本スペック
●分類群
オクテ目 受け身科
●特技
ピンと来るのを待つ、王子様を待つ、運命を待つ
●生息地
分析業務を必要としない全業種・職種に幅広く分布。
●生息地における遭遇率
30%
●危険度
★★☆☆☆
●特性
・学生時代、社会人まで、与えられたレールを走ってきた
・仕事は取ってくるもの・開拓するものではなく、誰かから与えられるもの
・彼氏は数年間いない、あるいは年齢=彼氏いない歴
・存在するだけで言い寄られるような、モテるタイプの顔立ち・服装ではない
・自分は普通で無難だと思っている
・いつか告白されるものだと思っている
・いつか結婚するものだと思っている
・いつかピンと来る王子様が現れると思っている
・自己主張をあまりしない
・好奇心は弱い。淡々とした生活でも飽きない
・転職をしたことがない、考えたことがない
・世の中の流れにあまり気をとめない。親世代の「普通」を引きずっている
・多少の不満があっても、改善しようと行動しない
詳しい生態
日本人アラサー女子のうち「年齢=彼氏いない歴」の女子のほとんどがこちら「ピンと来る信仰女子」と言っても過言ではないぐらい、メジャーな存在です。
特性からわかるとおり、彼女たちの行動は徹底的に「受け身」。勉強にせよ仕事にせよ、与えられた課題を淡々とこなしていくことが彼女たちのスタイルです。
日本の教育システムではレールから外れないこと、与えられた課題をそつなくこなしていくことが評価されるため、かつて彼女たちの多くは「優等生」「いい子」と褒められてきました。そのため「自分は受け身である」と気づいている人は少なく、多くの人は「至って自分は普通」だと考えています。
彼女たちはこれまでの人生で、明確なタスクとスケジュールを与えられてきました。
・受験「高校生になったら、高校を卒業するまでの2年半のうちに、受験勉強というタスクをこなし、成績を伸ばし、大学に合格せよ」
・就職活動「大学3年生になったら、大学を卒業するまでの1年半のうちに、自己分析・就職活動というタスクをこなし、内定を取れ」
彼女たちはここまで「いつやるか」「何をやるか」という枠組みを他者からはっきり与えられれば実行できます。ですが恋愛はそうはいかず、タスクとスケジュールは誰からも与えられません。しかし待つことが「普通で当たり前」の彼女たちは、恋愛においても待ち続けます。そう、「ピンと来る」ことを待つのです。
「ピンと来る」とは、言い換えれば「恋愛の発端」「スタート! という掛け声」です。つまりピンと来さえすれば、受験や就職活動と同じように普通に恋愛をはじめられるし結婚できると、ピンと来る信仰女子は思っています。
ですが、恋愛には厳密なタスクもスケジュールも存在しません。黙っていてもモテる外見や魅力のある女子ならともかく、ピンと来る信仰女子はそういうタイプではありません。なので待っているだけでは恋愛スタートはもう難しいのですが、彼女たちは「良くも悪くも自分は普通で無難」なので「いつか普通に告白される」「いつか普通に恋愛する」「いつか普通に結婚する」と思っています。
ですが残念ながら、これは彼女たちの親たち世代の価値観。もはや恋愛も結婚も、待っていれば普通にできるものではなくなってきています。そのため、どこかで「自分から動く」ことが必要なのですが、ピンと来る信仰女子は「ピンとくれば自分は普通に恋愛できる」と思っているため動きません。
そのため、あっという間に年齢=彼氏いない歴、あるいはもう4~5年は彼氏がいない状況に。慌てるのは、まわりがバタバタと結婚していくアラサーになってからです。「あれ? 待っていたけど全然来ないんだけど?」と疑問を持つけれど、これまで「タスクとスケジュールを待つ」ことしかしてこなかったために、何が問題なのかわかりません。
結果として、多くのピンと来る信仰女子が「ピンと来る男の人がいないから悪いんだ」「もっと待とう」と思い、さらに年齢を重ねることになります。
見つけ方
論理分析・問題解決などの能力を求められる職業・職種にはあまりいませんが、それ以外の場所ではかなりの確率で生息しています。
外見の判断基準としては、持ち物やファッションへのこだわりは強くないけれど、会社のデスクはそこそこ整っている人に多いです。ファッション・化粧・ネイル・持ち物は無難で、色使いや素材がバラバラで統一されていないのも特徴。つまりは、こだわりが少なく流行もあまり追わないタイプです。良くも悪くもマイペースでのんびりとしている人たちによく見られます。
その他、ステータスでは「彼氏がここ数年いない・ずっといない」をはじめとして、「趣味がない・趣味はあるが激しい情熱がない(昔からずっと続けてるなど)」といった情熱の薄さが挙げられます。同じ仕事場にいるなら、仕事スタイルも重要な判断基準になります。「与えられた仕事はこなすけど、自ら提案をしたり、改革しようとしない」受け身スタイルなら、ピンと来る信仰女子の可能性が高いでしょう。
妖怪化を防ぐ方法
もし恋愛と結婚がしたいなら、ピンと来る信仰はなるべく早く脱却することです。かつ、自分の「普通」は20世紀の遺物であると自覚し、21世紀バージョンにアップデートすること。でなければ「待っていればいつかピンと来る」と思い続けて、あっという間に5年10年と経過するでしょう。
予防方法は2点。自分は受け身であると自覚すること、受け身であることをやめて自分から動く癖をつけることです。
ピンと来る信仰女子の多くは、アラサーになると「あれ? 待っているのになんでピンとこないの? まわりは結婚してるのになんで自分はできないの?」と疑問を持つようになります。ここで「もっと待てばいいんだ!」と思考停止すると、あっという間に30歳オーバーになるので、「なぜ待っていたにもかかわらず、ピンとこないのか」という疑問を手放さずにしっかりと考えるようにしましょう。
考えるといっても、理由は端的に「受験や就職活動と同じように、いつかタスクとスケジュールが降ってくると思って受け身で待ってるから」なので、解決方法は「受け身で待つことをやめる」1択。とはいえ、これまで受け身スタイルで生きてきた人がいきなり自分でタスクとスケジュールを決めてプロジェクトマネジメントするのは難しいので、婚活サービスやプロに頼んで手伝ってもらうといいでしょう。
(文:ぱぷりこ イラスト:ほそえあみ/OFFICE-SANGA)
★次回は6月2日(木)逢魔時※17時に更新予定です。お楽しみに!
バックナンバーはこちら※この記事は2016年05月26日に公開されたものです