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【男女脳の違い】男女別「ストレス発散」の違いを知って彼と仲良く過ごそう!

黒川伊保子

よくある男女のすれ違いやケンカの原因を、「男女脳の違い」から解き明かす本連載「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?」。女性が理解できない男性の行動について、人工知能研究者であり、脳科学コメンテーターの黒川イホコ先生が解説&アドバイスします!

人間ストレスが貯まると、体に不調をきたすだけでなく、精神も落ち込んでいきます。そこで、適切なストレスの解消が必要になってくるのですが、男性と女性とではその方法に違いがあるようです。この事実を知らないと、彼女であるあなたが彼のストレスを悪化させてしまうことも。

今回は、「男女別「ストレスの発散」の違い」ついて、黒川伊保子先生にお聞きしました。

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イホコ先生の解説

ストレスは「悪いこと」じゃない

男女別ストレス発散の違い

まずはじめに、知っておいてほしいことがあります。「ストレス」は脳が進化するために必要不可欠だということです。それ自体は悪いことではありません。私たちの脳は、日々進化しています。失敗して痛い思いをすれば、夜眠っている間に失敗に使われた関連回路の閾値(しきいち:生体反応が起こる入力値)が上がり、その回路には電気信号が流れにくくなります。成功してうれしい思いをすれば、その逆のことが起こります。つまり、私たちの脳は、日々、失敗しにくく、成功しやすい脳に進化しているのです。

特に、「失敗」は、大事な大事な脳のエクササイズ。脳は、天文学的な数の回路を有しており、そのすべてに等しく信号が流れてしまったら「正解が何か、わからない」「とっさにものごとがつかめない」使えない脳になってしまいます。

失敗は「要らない回路」を脳に知らせるエクササイズ。つかみが良くて、発想が豊かで、いつも機嫌が良くて知的な大人は、かならず「胸の痛い、取り返しのつかない失敗」をいくつも重ねているのです。

というわけで、「思い通りにならなくて、胸が痛い」なんてことは、脳を洗練させるための愛しいエクササイズだと思ってください。「なぜ、うまくいかなんだろう」「なぜ、わかってもらえないんだろう」なんて、くよくよするのはもったいない。「あ、こうすればよかったんだな」と正解を潔く認めて、「これで、明日の私の脳は、もっとよくなる」とすがすがしい思いで寝ればいいのです。というのも脳は、「考えても答えは出ない」けど「眠っている間に、感性の領域で、ちゃんと失敗回路を消してくれる」ものだからです。

そんなわけで、「ストレス発散の方法」を考える前に、ちゃんと栄養を取って(睡眠のためには、肉や卵に含まれるビタミンB群をたっぷりとってね)、ぐっすり眠ってくださいね。

ストレスは「発散させる」よりも、じっくり「付き合う」

そうはいっても、人生の現場では、「正解」がわかりにくいこともあるし、「思い通りにならなくて、潔く認めたいにも正解がわからず、脳がもやもやする」なんてことは、起こり得ますね。

そんな「ストレス」については、発散させずに、じっくり付き合うのが正解です。つまり、「もやもやしたまま過ごせばいい」のです。くよくよ考えるのはダメですが、答えを急がずもやもやをそっと抱えておく。そうすると、脳が必ず自然に答えを見つけ出します。

女のもやもやは、“おしゃべり”で解決

さて、そんなとき、脳が答えを導き出すために、自然にやることが、男女では正反対なのです。

連載2回目でも少しお伝えさせていただきましたが、女性脳は、「共感」によって知識を身につける脳。そのため、誰かの「共感」を求めようとします。

というのも、女性脳の中では、多くの体験記憶に情動(心の動き)の見出しがついていて、これが紐付けされており、何か情動が起こったときに、同じ情動と共にしまわれている体験記憶を瞬時に引き出すことで、とっさに対応ができるようにするためです。

この能力が存分に発揮されるのが「出産・育児」です。女性は、「人生のあらゆる体験を、瞬時に引き出す」ことで、子どもを外敵から守り、立派に育てあげているのです。

他人の体験談でさえ、「わかる、わかる」と共感して聞いているのも、「共感」して「自分の体験」のように脳に記憶することで、その後の人生で瞬時に使えるようにするため。だから女性が、なんでもない体験談を垂れ流すように交換し合い、共感しながら生きているのは生きる戦術なのです。また、共感された方も自分の知識を再確認することで心地よくなるようにできているので、私たち女性脳は、共感しても共感されても、脳が知恵を得て、快感なのです。

と言うわけで、もやもやしたときの女性脳は、誰かに話を聞いてもらい(自分でも混乱しているのだから、とんでもなくとりとめにない話になります)、共感してもらうことで、脳内を整理したいのです。

男のもやもやは、“ぼんやり”で解決

一方男たちは、まったく逆です。ぼ~~~~っとすることで、右脳の空間認知の領域を活性化し、ものごとの位置関係を測り直して、知識の再構築をします。この間、右脳の感じる領域をフル回転させているので、左脳の「言葉を操る領域」がスイッチオフされます。逆に言えば、言葉から離れないと、男性脳は知識を進化させられず、ストレスから解放されないのです。

戦国の武将たちが、座禅を組み、茶の湯を愛したのは、言葉から離れて、究極のストレスから脳を解放させるためだったんですね。と言うわけで、「思い通りに行かなくて、もやもやしている男性脳」には、心地よい沈黙でそばにいてあげることが一番。「なんでもっと相談してくれないの!」とか「なんでも話してほしい」など、女性は彼に詰め寄ってしまいがちですが、それはNG。話を聞いてあげようなんて、みじんも思わない方が男性のためなのです。

男性はイメージでものごとを整理しているので、ときに問題とは関係ないことを言ってくることがありますが、それもまた、彼の脳の中では「謎を解く鍵」。「問題から目をそらさないで」なんて追い詰めないで、気楽に受け止めてあげましょう。

いずれにしても、「脳のもやもや」は、脳が進化するための大事なトリガー。自分のストレスも、彼のストレスも愛しいと思い、じっくり付き合いましょう。もやもやした量だけ、すてきな脳になるのだから。そう思えた時点で、何もしなくても、誰かの最高の「ストレス発散のパートナー」なのじゃないかしら。あるいは、自分自身の。

ストレスがたまった男性に、女性がとるべき行動とNG行動

<女性がとるべき行動>
・男女とも「ストレス」は脳を洗練させるための愛しいエクササイズ! 無理に発散させる必要はなし!
・男性は“ぼんやり”している時に「ストレス」から開放されている。静かに見守ろう!

<NG行動>
・自分のストレス発散のために彼にとりとめのない話をしゃべりまくる
・「何を悩んでいるの?元気なくない?」などと話を聞こうとする。

(文/黒川伊保子 イラスト/地獄カレー)

次回の「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?~男女脳はこんなに違う~」は、4/25(月)更新予定です。お楽しみに!

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※この記事は2016年04月18日に公開されたものです

黒川伊保子

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表、独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。

脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著書が人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」をはじめ、フジテレビ「さんまのホンマでっか!? TV」など、TVやラジオ、雑誌で活躍。

近著に「恋愛脳」、「キレる女 懲りない男」、「英雄の書」などがある。

株式会社感性リサーチ
http://www.kansei-research.com/

オフィシャルサイト
http://www.ihoko.com/

『女の機嫌の直し方』(インターナショナル新書) 著書コメント:「女性脳のトリセツ完全版。彼氏に「私のトリセツ」と贈ってほしい。きっと優しくなります」

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『アンドロイドレディのキスは甘いのか』(河出書房) 著書コメント:「人工知能と人類の付き合い方を説いた一冊。女性AI研究者が見つめてきたAIの真実」

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