皮膚科医に聞く! 「花粉症皮膚炎」の症状と対策法
花粉が多い時期、鼻水やくしゃみだけでなく、肌が乾燥したり、かゆくなったりなんていう肌トラブルを感じることってありませんか? 実はそれ、「花粉症皮膚炎」という症状なのかも。そこで今回は、働く女性に、花粉の季節に起こる肌トラブルについてアンケート調査。さらに、花粉症皮膚炎の症状や対策を、渋谷スキンクリニックの院長・吉田貴子先生に教えてもらいました。
Q.花粉の時期になると、肌トラブルを感じることはありますか?
まずは、花粉の時期に肌の不調を感じるかどうかをアンケートで聞いてみたところ、約3割の人が感じたことがあるという結果に。具体的な症状は?
目の周辺と鼻が気になる……
・「鼻をかみすぎて、鼻の頭がひび割れて出血する」(30歳/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「かゆくてかいてしまい、目のまわりがごわごわになる」(29歳/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
目のまわりと鼻が、かゆい&痛くなるという意見が多数。目をこすったり、鼻をかむことによって、摩擦で肌が傷ついてしまっていることが考えられそうです。
乾燥で肌がガサガサ……
・「乾燥がひどくなり、粉を吹いたようになる」(27歳/建設・土木/事務系専門職)
・「乾燥で皮膚がはがれたり、かゆくなった」(31歳/情報・IT/技術職)
顔全体、また部分的に、かさつきや乾燥を感じている人も多かったです。冬に続き、保湿は徹底したほうがよさそう。
化粧水がヒリヒリしみる!
・「いつも使っている化粧品が、突然ヒリヒリしだして、痛くなったりかゆくなったりする」(31歳/建設・土木/事務系専門職)
・「花粉の季節に、肌が敏感になって化粧水が合わなくなることがある」(25歳/医療・福祉/専門職)
なかには、スキンケアをするのもひと苦労……という人もいるようです。しみるだけでなく、化粧水が肌に浸透しなくなるという声も聞こえました。
Q.「花粉症皮膚炎」という言葉を知っていますか?
次に、「花粉症皮膚炎」という言葉を知っているか聞いてみた結果、約9割の人が知らないとのこと。花粉による肌トラブルを感じている人でも、それがなぜなのかは知らない人が多いみたい。症状の原因がわかれば、対処方法も見えてくるかもしれません。
<皮膚科医に聞く、花粉症皮膚炎の特徴と対策法>
そこで渋谷スキンクリニックの院長・吉田貴子先生に、花粉症皮膚炎の特徴と対策法を教えてもらいました。
花粉症でない人も要注意! 花粉が原因で肌がボロボロに
吉田先生「花粉症皮膚炎は、花粉によって肌が赤くなったり、かゆくなったりする“炎症”の症状が出てしまうことをいいます。鼻や目のかゆみが出ず、花粉症という自覚がない人でも、花粉が原因で肌が荒れることがあります。症状としては、主に、顔や首など、肌が露出している部分がかゆくなります。特に、目のまわりや首のかゆみには注意が必要です。皮膚が薄い部分なので、かゆいからといってかいてしまうと、色素沈着が起きて黒ずみが残ってしまいます。なかには、乾燥がひどく肌がガサガサになったり、かゆみや赤みは出ないけれど、皮がむけてしまうという人も。いずれも、花粉の季節だけこのような症状が出る場合は、花粉症皮膚炎の可能性が考えられますね」
症状が出たら、皮膚科に行くのが◎
吉田先生「花粉症皮膚炎は花粉が肌に付着することにより起こるので、マスクやサングラス、帽子などを着用し、できるだけ肌の露出を控えることが予防につながります。皮脂が少なく乾燥している部分に症状が出やすくなるので、保湿を心がけることも効果的です。ただし、対策はできても、症状が出てしまったらセルフスキンケアだけで治すのは困難。もし肌に異変を感じたら、早めに皮膚科で治療を受けることをおすすめします。また、かゆくてもかきむしらないように注意してください。かいてしまうと、治るのにも時間がかかってしまうし、傷や黒ずみなど、肌の二次トラブルになりかねません。キレイに治すためにも、かゆくても触らないようにして、皮膚科を受診しましょう」
<さいごに>
花粉が原因の肌トラブルは誰にでも起こる可能性があることにびっくり。しかも、赤くなる、かゆくなる、乾燥するなど、症状はさまざま。「わたしは花粉症じゃないから」と安心している人も、花粉の時期は特に、肌の変化に気をつけていたほうがよさそうですね。そして、症状が見られたら迷わず皮膚科へ。正しい処方をしてもらい、美しい肌を取り戻しましょう!
吉田貴子先生
皮膚科・美容皮膚科医。2004年に渋谷スキンクリニックを開業。一般皮膚科と美容皮膚科を開設し、あらゆる肌の悩みに向き合っている。なかでもニキビ治療を得意とする。また、肌トラブルだけでなく、ダイエットやアンチエイジング、発毛治療など、美容にまつわるさまざまな悩みに対応してくれる。テレビや雑誌などのメディアでも活躍中。
(取材協力:吉田貴子、文:石部千晶/六識)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2016年03月15日に公開されたものです