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何でできるの? 生理前のニキビ、漢方薬で改善できるって本当?

丸山綾

普段はできないのに、生理前になると口のまわりなどに突然現れるニキビ。ニキビは思春期のものと思われがちですが、大人の女性でも生理前のニキビに悩まされる人は少なくありません。なかなか治りづらいニキビに効果のある漢方薬はあるのでしょうか。霞が関ビル診療所の丸山綾先生に、お話を聞きました。

生理前にできるニキビの原因は?

「生理前のニキビに悩む人に処方する漢方薬は何種類かあり、その人の体質や症状に合わせて処方します。ただ、生理前のニキビは体質を改善することでよくなる場合が多く、漢方薬もニキビそのものに直接効果があるというよりは、体質を改善するのに伴い、だんだんとニキビが良くなるというイメージで考えてもらうと良いと思います」(丸山先生)

漢方薬を服用して、すぐ劇的にニキビが良くなるというよりも、体質が改善されることで徐々に良くなるということのようです。生理前のニキビができやすい人は“瘀血”(おけつ/血の滞り)があることが多く、漢方薬では瘀血を改善させる「駆瘀血剤」を処方することが多いです。たとえば、次のようなものがあります。

おすすめの漢方薬

●桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

実証(体格が良く、体力のあるタイプ)の人の、赤く腫れ痛みのあるタイプのニキビができるような体質の人に処方することが多い。このタイプの人には強い瘀血があると考えられるため、強力な駆瘀血作用のある桃核承気湯が有効。また、頑固な便秘や肩こり、のぼせといった症状を伴いやすく、血のめぐりを改善することによって、こういった症状を緩和することが期待できる。

●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桃核承気湯と同じく実証で、瘀血の症状がある人に用いられる代表的な漢方薬。生理痛にしばしば処方される。便秘がなくても使用できます。

●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

虚証(痩せ形で、体力があまりないタイプ)でむくみや冷え症、貧血があるような体質の人に処方することが多い。婦人科系の症状に処方することの多い漢方薬で、生理不順・生理痛・むくみ・冷え症・貧血・めまい・肩こりなどにも処方することが多い。体質改善をすることで生理前のニキビにも効果が期待できる。

●加味逍遙散(かみしょうようさん)

虚証~中間証で、瘀血のほか、不眠や不安・苛立ちがあるような体質の人に用いる漢方薬。血流を良くして体をあたためたり、気逆や気うつに効果がある。虚証で疲れやすい人の生理不順・冷えのぼせ症・更年期障害などに処方する。このような症状をもつ人のニキビの改善も期待できる。

●温経湯(うんけいとう)

加味逍遙散と同じく、虚証で瘀血があり、唇や手先が乾くような体質の人に用いる漢方薬。生理不順や更年期障害、湿疹や皮膚炎、足腰の冷えなどにも処方される。乾燥した皮膚を潤す効果も期待できる。

生理前はニキビ以外にも、便秘や肩こり、冷え、腰痛などさまざまな症状を感じることがありますよね。こういった体からのシグナルを見逃さず、自分に合った対処方法を考えてみると良いのではないでしょうか。

(取材協力:丸山綾、文:マイナビウーマン編集部)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年02月01日に公開されたものです

丸山綾

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