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【女の嘆き】何でもお母さんに相談するのって、おかしいですか?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
先月、友人から「婚活サイトに登録しない?」と誘われたときのことです。私は、なにげなく、「今度、実家に帰ったら、お母さんに聞いてみようかな」と返事をしたのですが、友人のリアクションが予想外なものでした。「婚活サイトに登録するのに、お母さんは関係ないでしょ。しかも、次に実家に帰るときって年末ってこと? もぉ、そんな調子だから売れ残っちゃうのよ」と言うのです。かなりショックでした。言われてみれば、昔からなにか決断するときには母にお伺いを立てていた気がします。自分の人生について母に相談するのって、そんなに変なことですか?

よほど母子関係が複雑でない限り、お母さんが頼れる相談相手であるという女性は少なくないと思います。岐路に立たされたときに人生の先輩としてアドバイスをもらい、困難な状況を見守り励ましてもらうことで、親子の絆を再確認してきた女性も多いでしょう。

ただ、どんなに頼りになるお母さんだとしても、あまりに母娘の結びつきが強すぎると、他人は違和感を覚えることがあります。特に、自分が選んだパートナーと協力して新しい人生を作っていく結婚というステージで、何を決めるにも「お母さんに聞いてみないと」「お母さんが何て言うか」という調子だと、パートナーに不信感を与えてしまいます。彼が結婚したい相手は妻自身なのであって妻の母ではないし、また妻の親とはいえプライバシーの垣根がなく家庭の事情がなんでも筒抜けというのは、男性側からすると気分のいいものではないのです。(DVなどで別居や離婚を考えなくてはいけない場合は別です!)

これまで母との心理的な距離が近すぎたかもしれないと感じる方は、結婚に向けて少しずつ“親離れ、子離れ”の準備を進めてみてはいかがでしょうか。

女の嘆きの処方箋

その1 自分で考え、自分で決める体験を重ねる

大事に育てた娘が失敗したり傷ついたりしないように、いつも気を配っているのが母というもの。母としては、なにかあったら助けてあげられるように、隠し事をしないでなんでも打ち明けるように仕向けてしまいがちです。でも、ある程度の秘密を胸に抱えたり、失敗や傷ついたことを自分で乗り越える体験をすることでしか、物事を自分で見極める力や決断する力は育っていかないのも事実です。

「母が一番頼りになる」と思って生きてきた人は、ひとまず3回に1回は母親に相談せず自分で決めてみるとか、相談先を母以外の人にしてみるとか、バリエーションをつけてみましょう。最初は不安かもしれませんが、しばらくすると、不安を抱えながら進んだ分だけ自分への信頼が増していくことに気づくはず。こうやって自分のほうから少しずつ親離れのサインを出しながら、いずれ結婚して自分の家庭を持つ準備を整えていきましょう。

その2 お母さんが拗ねても動じない

母娘の結びつきが強すぎる場合、娘が自分を頼りにしなくなってきたことを感じた母側が拗ねてしまうことがあります。娘の成長によるライフスタイルの変化は、母にとって誇らしい反面、一抹の不安と寂しさを呼び起こすもの。心にぽっかり穴が空いたような気持ちを消化しきれず、思わず感情的で大人げない態度をとってしまうことがあるのです。しかし、母が拗ねたからといって、すぐに自分の意見を引っ込める必要はありません。母側も、何度も拗ねながら少しずつ子離れの準備をしていくものだからです。どんなに拗ねてもごねても、娘を愛している母がたどり着く結論はひとつ。「娘が幸せなら、それでいい」です。

その3 相手の立場になって考え、判断する

自分にとってあまりに当たり前になっていることについては、それが人にどんな影響を与えているか見えにくいもの。心理的に近すぎる母娘の関係について自分ではピンと来ないという人は、夫となる人が同じことをしたら、自分がどういう気持ちになるかを考えてみましょう。たとえば、彼が何かというと実家の父母と連絡を取って、結婚生活について意見や指示を仰いでいる。ボーナスや貯金額も筒抜けで、子どもをつくるタイミングまで相談している様子。そうなると、さすがに、「彼は、いちいち親に聞かないと決められない人なの?」「なんでも口をはさんでくる義両親がうっとおしい」などと思うのではないでしょうか。

自分が嫌だと思うことは、なるべく相手にもしない。そして、相手がどう感じているか迷ったら、オープンな気持ちで相手に確認する。それくらいの気遣いがあれば、ひとまずやっていけるのではないでしょうか。

家族に対するスタンスについては、許容できることとできないことが人それぞれ異なります。友人の意見や一般論は参考程度にとどめて、実際に夫となる人と価値観をすり合わせながらやっていけるといいですね。

※画像はイメージです

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2015年12月29日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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