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【カラダのお悩み】早期発見でバストを守る! 「乳がん」のセルフチェック法3つ

ナナネール!

北川 瞳

食の欧米化、未婚・高齢出産の増加などを原因に、日本女性に急増している「乳がん」。だからこそ、日ごろからセルフチェックし、早期発見につなげることが重要でもあります。今回は乳がんのメカニズムと、正しいセルフチェックの方法を、聖路加国際病院の北川瞳先生に教えていただきました。

今回のお悩み

胸のしこりとは、どんなものか、自分でも気づけるチェック点がわかりません。しこりの見分け方を教えて下さい。(31歳/ホテル・旅行・アミューズメント/秘書・アシスタント職)

◆「乳がん」のメカニズムとは?

乳房には、乳頭を中心として乳腺が放射状に15~20本ほど並んでいます。そのまわりを囲むように包んでいる脂肪は乳腺を保護する役目を果たしています。乳腺組織は、ブドウの房のように多数の「小葉」に枝分かれします。小葉同士は、「乳管」という管でお互いにつながっていて、乳がんの多くは、この乳管の上皮細胞で発生します。

乳がんには、大まかに分けて「非浸潤がん」「浸潤がん」があります。がん細胞が、まだ乳管内のみにとどまっているものを「非浸潤がん」と呼びます。しこりも見つからない初期段階で、乳頭からの分泌物や、マンモグラフィなどの画像検査で見つかることがほとんどです。一方、乳管内から外へと浸潤をはじめたものを「浸潤がん」と呼びます。“石のように硬い”“表面がでこぼこしている”“形があいまいで境界もはっきりしない”といった特徴を持つしこりで見つかることが多く、“痛くない”ものがほとんどです。しこりが見られる乳がんの大半がこれです。

乳がんにはいくつか種類があり、ホルモン受容体の有無がひとつ特徴的です。ホルモン受容体とは、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体のことで、乳がんにこのどちらかがあれば、ホルモン受容体陽性がんとなります。ホルモン受容体陽性がんでは、エストロゲンが、ホルモン受容体にくっついて、がん細胞が増殖するように刺激します。乳がんの70~80%がホルモン受容体陽性がんです。このタイプの乳がんの場合、エストロゲンは、初潮を迎えてから閉経までの間、定期的に分泌されるので、初潮年齢が早く、閉経年齢が遅いほど、乳がんのリスクは高くなるといえます。しかし、もうひとつの女性ホルモン・プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が高い妊娠・授乳中は、エストロゲンの影響を受けにくくなるので、出産・授乳歴がある人のほうが、乳がん発症率が低くなるという見解もあります。

また、乳腺の病気の中でもっとも多く見られる病気に「乳腺症」と呼ばれるものがあります。その多くは、胸に痛みをともなうしこりが見つかります。乳房は、女性ホルモンの分泌に応じて拡張や収縮を繰り返しているため、乳房の一部分に強い変化が起き、完全に元に戻らないケースも出てきます。月経など毎月の積み重ねによって、乳腺に現れるさまざまな症状の総称が「乳腺症」なのです。袋状の「嚢胞」や、乳管の細胞が増えたことで乳頭から異常分泌が起こる「乳管乳頭腫」、細胞が汗腺とよく似た変化を起こす「アポクリン化生」などがよく見られますが、いずれも基本的には良性疾患です。乳がんと関わりがあると思われがちですが、乳がんはあくまでがん細胞の有無が決め手となるため、まったく異なる疾患ではありますが、細胞が病変を起こしやすいという側面から考えると、悪性に変化しないともいいきれない疾患です。

乳がんのメカニズムがわかったところで、あなたの「乳がんの危険度」をチェックしてみましょう!

(取材協力:北川瞳、文:須田瑞穂/ナナネール!)

⇒(次ページ)あなたは大丈夫? 「乳がんの危険度」をチェック!

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