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専門家 不調

韓国で感染拡大したMERS。もし日本に広まったら?

橋村望+ガーラボ

今年5月、韓国で感染拡大し話題になったMERS(中東呼吸器症候群)。その被害は186人が感染、36人が死亡し、隔離対象者は16,000人を超えました。日本は韓国と地理的に近いだけでなく、人の行き来も多いためウイルスの上陸が心配されましたが、もし日本でMERSが広まったらどのように対処すべきか、厚生労働省健康局感染症課に聞きました。
MERSウィルス感染が疑われるときは?

■じつは感染力が弱いMERSウィルス

「MERSは2012年に発見されて以来、主に中東地域で患者が報告されているウイルス性の感染症です。中東の他には、アメリカ、フランス、ドイツなど25カ国で発生しています。ヒトコブラクダでMERSウイルスが発見されたことから、ヒトコブラクダが感染源の動物と考えられています。主な症状は発熱や咳、息切れなどです。人によって下痢などの消化器系に症状がみられこともあります。発症までの潜伏期間は2~14日間です。実はMERSウイルスの感染力は弱く、咳などの症状がない限り人から人に感染することはほとんどありません」(厚生労働省 健康局結核感染症課)

感染力が弱いというのは朗報ですが、MERSには今のところワクチンや治療法がないのも事実。またWHOの報告によると、一度MERSにかかってしまうと致死率36%だとも言われています。韓国の事例をうけて、日本ではどのような対策をしているのでしょうか。

「空港や港の検疫所で入国者や帰国者へのサーモグラフィによる体温測定やリーフレットの配布、検疫官による呼びかけなど検疫を強化。中東などのMERS発生国から帰国した後、2週間以内に発熱や咳などが見られる場合は、最寄りの保健所に電話するようにポスターやリーフレットで周知しています。というのも、いきなり医療機関へ向かうと、不特定多数の人と接触することになり感染拡大のリスクが高まります。そのため、まずは電話での相談をお願いしています。万が一、国内でMERSが発生しても、感染の拡大を最小限にできるよう全国の施設で患者の診断や治療ができる体制を整えています」(厚生労働省 健康局結核感染症課)

疑わしい症状があるときは、なるべく人との接触を避け、「マスクを着用」「咳をするときはティッシュで口をかくす」といった“咳エチケット”を徹底することが、MERSの感染被害を抑えるのに有効だそうです。

■海外では基本的な衛生対策がウィルス感染予防の第一歩

一方、中東などのMERS発生国へ渡航するときは、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか。

「予防のためには、こまめに手を洗うなど基本的な衛生対策を心がけることが大切です。不衛生な状況で調理された料理は避けるなど現地での食事にも気をつけましょう。とくに中東では、できるだけヒトコブラクダとの接触を避け、加熱調理されていない肉や乳を口にしないように注意してください。また、他の動物との接触も衛生の面を考えると、なるべく避けたほうがいいでしょう」(厚生労働省 健康局結核感染症課)

MERS以外にも、海外渡航時に気をつけたいのがデング熱や、マラリア、狂犬病などといった、世界各地で発生しているさまざまな感染症。そういった感染症にかからないためにはどういった対策が有効なのでしょうか。

「渡航先によって、流行している感染症の種類や感染源、対策方法も違います。検疫所のホームページや外務省の海外安全ホームページ、厚生労働省でもホームページやTwitterで情報を発信しています。海外旅行の前にはあらかじめ、現地の最新情報をしっかり調べ、適切な予防策を講じるよう、心がけましょう」(厚生労働省 健康局結核感染症課)

(橋村望+ガールズ健康ラボ)

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