主体的に生きることが大事! ライフステージがちがう相手との上手な付き合い方
悲しいことに、歳を重ねるごとに学生時代はさほど感じなかった「ライフステージの違い」による人間関係の難しさを知ることになります。
そのために、自分だけ疎外感を感じたり、今まで仲の良かった友人関係が壊れてしまったりということはよくあることです。最近は女性の生き方は多様化しており、その複雑さは増すばかり。
●女性のライフコース
1)専業主婦コース:結婚し子どもを持ち、結婚あるいは出産の機会に退職し、その後は仕事を持たない
2)再就職コース:結婚し子どもを持つが、結婚あるいは出産の機会に一旦退職し、子育て後に再び仕事を持つ
3)両立コース:結婚し子どもを持つが、仕事も一生続ける
4)DINKSコース:結婚するが子どもは持たず、仕事を一生続ける
5)非婚就業コース:結婚せず、仕事を一生続ける
このように、ざっと書き出すだけで、こんなに多様なライフコースが存在することがわかります。加えて子育ても教育方針によって大きく影響を受けるし、介護の問題もしかり。
そんな中で、ライフステージのちがう人とどう付き合っていくべきなのか、悩ましいところ。実際、嫉妬されて攻撃されてしまった、逆に自分だけ遅れをとってしまって孤独に感じる、という悩みを抱える方も少なくありません。「今まで仲良くしていたのに、話があわなくなってしまった」という悩みも多く聞きます。
多くの女性はライフイベントを経験するごとに周囲の人間関係ががらりと変わります。そんな中で、いきいきとそれぞれのライフステージを楽しそうに生きる人とそうでない人の差はいったい何なのか。
交友関係に限らず、ライフステージごとにいちいち右往左往して悲観的になる女性は「自分で人生を創っているのではなく、日ごろ起こっている現実に反応して人生を送っている」と言えます。
「本当はやりたいことがあるけど嫉妬の目が怖いので地味に大人しくしています」
「ハブかれるのが怖いので行きたくない女子会も毎回出席しています」
「子供を産んでいない女性なんて半人前に決まっているので心の中で見下しています」
「結婚していない自分に劣等感を持っているので精神的に引きこもっています」
このような人は意外とたくさんいます。
嫉妬されてしまうから、目立たないようにひたすらつまらなさそうに演技して生きていったら、本当につまらない人生になってしまうでしょう。
逆に自分とライフステージが違う人を、見下したり、逆に卑屈に崇めたりしたら、その人は、自分がどうありたいかよりも、一生「同じ人種」に排除されないように生きていくのに必死なだけの人生になってしまうでしょう。
ではライフステージがたくさんある女性たちが心地よい交友関係をつくるのはどうしたらよいか。例えば様々なライフステージごとに「この人は自分に合ってるな」という人がいるとします。
だけど、またライフステージが変わって新しい交友関係ができるとします。相手にも新しい交友関係ができるとします。
今までの交友関係よりもあちらでの交友が盛んになってしまったとします。
うまくいっている人は、自分の人生のライフステージを大切にすると同時に、相手の都合も大切にしていますから、「今はお互い離れている時期なのね」と快く距離をとることのできる人。
うまくいかない人というのはそこでいたずらに相手に不信感を抱いたり、自分を無理に変えてまで古い関係性に執着しようとする人です。
大切なのは、そこで、その相手に執着しないことです。好きでも嫌いでも、なにしろいったん手放す。疎遠になってしまった状態があったとしても、「執着せずに快く手放した関係」は、あなたが望むなら必ず長い人生の中のどこかで戻ってきます。
そして自分のライフステージにも執着しないこと。
ステージなんてどんどん変わっていくものだからです。
例えば、ワーキングマザーVS専業主婦なんていうバーサスを作ったところで、いつ自分があちら側に行くのかもわからない訳ですからまったくくだらないことです。
「執着しない」ということは、「相手を信じる」ということ。「相手を信じることは、「相手を信じる自分を信じる」ということ。これが「反応的に生きる」の反対、「主体的に生きる」ということです。
素敵にしなやかに生きている女性を見ていると、そんな中にヒントがありそうです。
では、またね。
(中野とも子)
※この記事は2015年08月05日に公開されたものです