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【新連載】何この子? 彼と親し気な彼女の存在が気になって……

翌週、わたしは大地とふたり、
なかなかムードのあるカフェ&バーの、
カウンターに腰掛けていた。

よく磨き込んだ飴色のカウンターは、
都心にあった由緒あるバーが解体される時、
わざわざ行って譲り受けたのだそうだ。
同窓会の二次会にという話をすると、
お店を貸切にできる可能性も見えてきた。

「よく知ってたね、こんなお店」
「まあ、家の商売柄、
話はいろいろ入ってくるんだよ」

得意そうな大地の今の笑顔に、遠い昔、
我が家の食卓でいっしょに食事をした頃の、
やんちゃな笑顔が重なる。

わたしは、告白なんてしない。
でも、少しずつ自分から、
大地に近づいてみようと思っている。

うまくいくかどうかは運に任せて、
今はほんの少しのスリルと、
楽しいときめきを味わってみたい。
この、ステキになった幼なじみとともに。

(終わり)

※この記事は2014年11月06日に公開されたものです

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