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ひどい生理痛、放置してない? 知っておきたい「ピル」の基礎知識

◆ピル服用のメリット/デメリットは?

ひどい生理痛の改善方法のひとつとして挙げられる「ピル」ですが、その服用に不安を抱えている人も多いもの。そこで今回は、押さえておきたい基礎知識のほか、メリット/デメリットをご紹介します。

ピルには2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が含まれています。飲むと血中のホルモンが増え、その情報が脳に伝えられると、脳は「排卵後のホルモン状態」だと判断し、排卵が起こらなくなるのです。

排卵を休むことで、子宮内膜があまり厚くならない状態で、月経がやってくるようになります。子宮内膜が厚くならないと、子宮から強い力で月経血を押し出す必要がなくなり、痛みが軽減されることも特徴。さらに、ピルによって月経血が減り、サラサラした血液になるので、子宮口が狭くても痛みが少なくなります。

ピルのメリットは高い避妊効果のほか、月経前症候群(PMS)を和らげたり、月経が規則正しくくるようになったり、生理前のニキビが改善したり、病気(子宮内膜症や子宮体がん、卵巣がんなど)の改善・予防に役立ったりすることが挙げられます。

一方で、デメリットにも注意しなくてはなりません。とくに喫煙者などには血栓症のリスクがあるほか、吐き気や不正出血、胸の張り、腹痛など、飲みはじめでのマイナートラブルが挙げられます。

ちなみに、ときどき患者さんからも聞かれますが「ピルの妊娠への影響」は、まったくないといってもいいです。将来的に妊娠・出産を考えている方も安心して服用してください。また、ピルを飲むことで、赤ちゃんに影響することもありません(※もちろん妊娠中は除きます)。

飲むだけで生理痛を和らげるだけでなく、いくつものうれしい効果も得られるピル。長所と短所を知った上で、ひどい生理痛にお悩みの方は服用を検討してみるのもひとつの手かもしれませんよ。

(取材協力:今井 愛、文:池田園子)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

今井 愛

北里大学医学部を卒業し、同大学産婦人科教室に入局。2010年3月、麻布十番まなみウィメンズクリニック(http://www.azabuwomens-cl.com/)を開業。同性として女性の気持ちを理解し、婦人科という垣根を取り払うべく日々診療を行う。

※この記事は2014年10月28日に公開されたものです

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