営業で使えるテク「ローボール説得法」―魅力的な提案を投げかけ、契約直前にその提案を違う提案に変える
営業でなかなか成果をあげられないのは、会社が売っている商品やサービスをただ淡々と説明しているからかもしれません。同じ説明でも、伝える順番にちょっと工夫するだけで、人は心が動きやすくなることがあります。そこで営業で使える説明テクニックをご紹介します。
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ローボール説得法とは
「ローボール説得法」とは、相手が思わず受け入れてしまうような魅力的な提案を投げかけ、契約直前にその提案を違う提案に変えてしまうという説得方法です。
例えば「ある商品を買うとおまけがついてくる」という提案にのってきた顧客に、契約直前で「商品を2つ以上購入しないと、おまけがつかない」と言ったとします。本来なら最初の提案より不利な提案が出されているため、顧客は「じゃあ買うのをやめた」という気持ちになるはず。
しかし、すでに「購入する」という意志を固めていた人は、たとえ「2つ以上購入」という不利な条件を出されたとしても「購入する」という意志を優先させてしまうことがあるのです。
人は一度何かを決定すると、最初にいいと思った条件がくつがえされても、決定の意思をひるがえしにくくなることがあります。ローボール説得法は、そんな心理を利用した方法です。これは営業で必要な「説明」にも応用することができます。
ローボールには「悩みを解決する話」を用意するのがお勧め
例えば継続的に使用しないと効果が出ない商品やサービスを売る会社では、「この商品やサービスを使えば、悩みが解決できる」というような「いい話」を先にして、契約直前に「継続的に使用が必要だ」ということを伝えてくることがあります。
これは説明の順番を巧みに利用したローボール説得法です。
どんな商品やサービスにも必ずメリットとデメリットがあるはず。この両方を同時進行で説明すると、聞いた方は必ずメリットとデメリットを比較するはず。しかしローボール説得法で、「契約(購入)する」と意志を固めた顧客に対してデメリットを説明した場合、デメリットがあまり重要視されないことがあります。
もし自社商品のデメリットが理由で契約(購入)してくれない顧客が多いなら伝える順番を工夫してみるとよいかもしれません。
ローボール説得法で気をつけたいこと
ローボール説得法を使うときは、顧客に与える情報に落差(得した、損したの感情差)を与えないようにするのがお勧め。最初にわかりやすい「うまい話」を出して、後から「うまくない話」を持ち出して契約させると、「最初に言っていたことと違うじゃないか!」なんてトラブルに発展することもあるからです。
説明をするときは順番を変えるのみ。「商品やサービスのありのままを、正直に伝える」という視点を忘れないようにしたいですね。
※この記事は2014年10月26日に公開されたものです