部下をダメにしてしまう叱り方「何度失敗すれば満足するの!?」
もっと仕事ができるようになってほしくて、「なにくそ!」と奮起してほしくて言った言葉が、かえって部下をダメにしてしまうことがあります。人はなかなか思い通りに動かないもの。気をつけたい「部下をダメにしてしまう叱り方」をご紹介します。
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「何回同じこと言わせるの!?」「何度失敗すれば満足するの!?」
この言葉は、一見まっとうな叱り方のように見える言葉なのですが、実はこれ「自分はダメ人間なんだ……」というイメージを部下に植え付けてしまう言葉です。自分のことをダメ人間だと思い込むと、問題を起こしても「自分がダメ人間なせいだ」と考えるため、問題に正面から向き合わなくなってしまいます。
部下を責めるよりはまず、冷静に問題を振り返ってもらうようにしましょう。
「同期の○○さん(君)を見習いなさい」「○○さん(君)に比べて……」
ダメな部下を見ると、ついつい優秀な部下と比べてしまうものですが、この言葉は部下の「成長したい」という気持ち、仕事への意欲を奪ってしまいかねない言葉です。他人と比べるのではなく、部下の過去と現在を比較し、成長しているかどうかで仕事ぶりを判断するようにしましょう。
「○○ができるまで、会社に来なくていいから」「イライラするから声をかけないで」
これらの言葉は「叱る」ではなく「怒る」言葉。実際に行動に移されると困ることを、わざわざ命令する叱り言葉は、大抵「怒る」言葉です。このような「怒る」言葉をひんぱんに使っていると、部下は失敗に目を向けず「怒りの矛先をかわそう」と言い訳ばかりするようになります。
部下を叱るときは感情的にならないよう注意しましょう。
「あなた一人のせいでみんなが迷惑」、「足を引っ張らないでくれる?」
上司の中には谷底へライオンの子を突き落とすような気持ちで、あえてキツイ言葉を部下にかける人がいます。しかし、このような言葉は部下を萎縮させ、憎しみを買ってしまうだけ。萎縮してますます足を引っ張るようになり、「あの上司を引きずり落としてやる」なんて、違うところに力を入れるようになりかねません。
キツイ言葉には気をつけましょう。
部下のことを思ってかけた言葉が、とんでもない結果を生み出すこともあります。人はなかなか自分の思い通りには動きませんが、正しい方向へ導いてあげるためのフォローは可能です。ぜひフォローする気持ちで、部下を叱るようにしてみてください。
※この記事は2014年10月26日に公開されたものです