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雑学 生活

政府専用機って、どんな飛行機?

この8月、新たな政府専用機の導入が発表された。2019年にはボーイング777-300ERをベースとした新型が登場する予定だ。

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総理大臣や国賓(こくひん)を輸送するための政府専用機は、不測の事態が起きても対処できるように、予備機も一緒に飛ぶのが原則だ。現在は自衛隊の「特別航空輸送隊」が運航し、海外では「ジャパニーズ・エア・フォース・ワン」を名乗る、日本を代表する飛行機なのだ。

■平均13回の豪華フライト

日本の政府専用機の歴史は意外と浅く、導入が決定されたのは30年ほど前の1986年だ。この段階では総理府(現在の内閣府)の管理下だったが、1992年4月からは現・防衛省の所属となり、特別航空輸送隊によって運用されている。

衆議院の答弁書によると、1993年の初任務から2010年までの飛行履歴は、

●平均

・飛行回数 … 年間12.9回

・飛行時間 … 年間507.1時間

●最大

・飛行回数 … 20回(2004年)

・飛行時間 … 687時間(2006年)

で、故障などで戻って来られなくならないよう、原則的に予備機とペアで行動する。国内線の旅客機は1日4回のフライトでも少ないほうというから、極めて豪華なフライトプランといえよう。

当然のことながら極秘事項が多いものの、航空自衛隊が公開している政府専用機のデータと、同型の旅客機・ボーイング747-400を比較すると、

・乗客数 … (政)約140人 / (旅)376人

・巡航速度 … (政)約1,127km/時 / (旅)約908km/時

・航続距離 … (政)約13,000km / (旅)約11,853km

と、装備は異なるものの、政府専用機のほうが高速かつ航続距離が長い。地球の3分の1を飛べる航続距離を誇りながらも、およそ30年前の機体だけに今となっては燃費の悪い部類となり、新型機が導入される理由のひとつになっている。

■民間人も乗れるチャンスあり!

内閣総理大臣や要人を運ぶのが目的なのに、140人も乗れるのはなぜか? Webにも公開されているように「一般客室」が用意されているのは、同行する記者や、緊急時には外国にいる日本人を輸送するためだ。つまりは、政治には無縁の民間人でも、政府専用機に乗るチャンスがあることを意味している。

記者会見席まで用意されているぐらいだから、外遊に同行するプレスになれば、政府専用機の旅を味わうことができるのだ。ただし旅費は請求されるのでご注意を。

アメリカでは大統領が搭乗中の軍用機は「エア・フォース・ワン」と呼ばれるように、航空機にはコールサインと言われる別名がある。日本の政府専用機は「ジャパニーズ・エア・フォース・ワン(または001など)」の名がつくのだ。

エア・フォースは空軍を意味するので、自衛隊の英語表記「セルフ・ディフェンス・フォース」と照らし合わせると正確ではない。しかしながら、それでは通じない国も多いため、トラブルを避けるための工夫と考えられる。

要人を運ぶ専用機には「万が一」も許されないからだ。

2019年導入予定のボーイング777-300ER(旅客機)のスペックをみると、

・乗客数 … 247人

・巡航速度 … 約890km/時

・航続距離 … 約13,920km

とされており、現行の747-400では旅客機の10~25%増しとなっているので、巡航速度は同等、航続距離は15,000kmほどだろう。もちろん詳細なスペックは非公開なのだろうが、自国の代表としてふさわしい、堂々たる装備であって欲しいものだ。

■まとめ

・政府専用機が運用開始されたのは、1993年

・なにが起きても対処できるように、2機ペアで行動するのが基本

・記者会見席もあり、民間人が搭乗することも可能

・飛行中は「ジャパニーズ・エア・フォース・ワン」と呼ばれる

経済成長や技術開発がニュースに取り上げられるなか、およそ20年前は自国に専用機がなかったと知り、少々ショックを受けた。

5年後の新型機は「最先端」とは呼べないだろうが、平和に利用されることを心から祈る。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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