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ネットやテレビで話題の“家事ハラ”が炎上!世間が敏感に反応するワケとは?

「ミシェル!」

ここ数年で、共働き家庭が急増し、夫が家事に参加する夫婦も急激に増えている日本。そんな中、最近ネットやテレビで炎上気味に話題となっている“家事ハラ”という言葉があります。夫婦の家事に対する不平不満。その実態と本音を探ってみました。

■家事ハラとは?

その名のとおり、「家事ハラ」(カジハラ)とは、「家事ハラスメント」のことを意味します。

■“炎上”のきっかけは、あるアンケート結果

旭化成ホームズがネット上で公表したアンケート結果に対し、批判が殺到したのです。

そのアンケート結果によると、夫の9割以上が家事を手伝ったことがあると回答。
また約7割の夫が妻から「家事ハラ」を経験したことがあると記されています。

また、その「家事ハラ」をドラマ風に再現した「妻の家事ハラ白書」なる動画では、実に辛辣とも言えるセリフが並べられています。
皿洗いをする夫に妻が放った一言「お皿洗いありがとう。一応もう一度洗っとくね。」
料理をする夫に妻が放った一言「隠し味とかいらないからね。」といった具合です。

これに対し、夫が妻の家事を“手伝う”という感覚であることの前提のおかしさと「家事ハラ」の元々の定義と逆の意味で使われていることに違和感を覚える人々が、ネット上で書き込み、炎上に至ったのです。

しかし、このアンケート、属性に偏りがあるのも事実のようです。

■問題(1):夫が妻の家事を“手伝う”という表現

ジャーナリストの治部れんげさんによるYahooニュースの記事によれば、まず調査対象が「末子が6歳以下」で「妻がフルタイム勤務」の夫婦に限定されているというところを問題視しています。

この属性で、同居の夫が家事をしないという選択肢はほとんど考えられず、特に、調査対象となっている30~40代の夫婦ではありえないと述べており、また、夫の家事参加率が9割を越えているという結果についても、何のことを示しているのかが不明であると指摘しています。

また、フルタイム勤務で家計に貢献している妻に対して、夫が家事を「手伝う」という表現がそもそもおかしい、共働きの夫婦にとって、家事参加率が9割越えなのは当たり前のことであるし、夫の家事が“手伝い程度”ということ自体がどうなのか?という指摘も。

■問題(2):“そもそもの定義”が逆の意味で使用されていること

そもそも「家事ハラ」という言葉は、和光大学教授で、『家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの』著者である竹信三恵子さんが生み出した言葉です。

竹信三恵子さんの「家事ハラ」の定義とは、家事労働を担う人びとを蔑視・無視・排除していく社会システムによる嫌がらせ(ハラスメント)のことです。

一方、旭化成ホームズは、家事ハラの定義が竹信氏のものとは異なっており、“意欲はあるものの夫の家事がうまくできていない現状を顕在化させる広告表現として‘家事に対する何気ないダメ出し’のことを「家事ハラ」とネーミングして使用”と定義しているのです。

■「家事ハラ」についてつぶやいた人は?

見える化エンジンで「家事ハラ」につぶやいた人を見てみると、以下の結果となりました。

Powered by 見える化エンジン

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意外にも男性のつぶやきが多く、年代別に見ても、男性は20代後半、女性は30代後半の人が最も多く反応していることがわかりました。

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■当事者世代の20~30代からは不快感を覚える声

10代は「家事ハラ」VS「打たれ強すぎる夫」というタイトルのほのぼのコラムのリツイートが多くを占め、それに対し実際に子供を抱え、仕事と家事を両立・分担する20代・30代は、その「誤用」に対して怒りを感じている声が多くを占めました。

Twitterでも、「家事ハラ」を取り上げた番組に不快感を覚える声や現代社会の抱える問題であるだけに、これをクリエイティブで片付けるのかという厳しい批判も。

また、40代の間では、東洋経済オンラインの「「家事ハラ」だなんて、冗談じゃないよ!」という現実的なコラムが共感を呼びリツイートされていました。

ほのぼの夫婦に憧れる10代と、40代のベテラン夫婦では、同じ「家事ハラ」のとらえ方、共感ポイントにも差があるようです。

専業主婦が多かったことも影響してか、一昔前までは家事をしてくれたり、家庭のことをやってくれる男性を持ち上げる傾向にあった日本。

一時期、育児を手伝う男性を「イクメン」、仕事も家事もバリバリこなす男性を「イケダン」と呼び、もてはやされたこともあったが、それも今や昔。

妻も夫もフルタイムで働く“リアル共働き家庭”が増加している昨今の夫婦の間では、家事や育児、どちらにおいても一方が必死にやるのではなく、自然と分担することが当たり前の感覚となってきているということなのでしょう。

「ありがとう」と言葉を掛け合ったり、何事も夫婦は“お互い様”の時代になりつつあるのかもしれません。

(車谷 照彦/ミシェル!編集部)

※この記事は2014年08月10日に公開されたものです

「ミシェル!」

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