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雑学 働き方

リストラした企業に助成する制度があるって本当?「本当:労働移動支援助成金」

日本では新年度が始まる4月。就職/転職で新たな生活を迎えるひとが多い一方で、倒産や業績悪化で離職を与儀なくされるケースも少なくない。

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リストラ支援ともいえる制度があると聞くが、本当なのか?「労働移動支援助成金」が正式名称で、リストラした企業が助成金をもらえる制度が存在する。今年3月からは大手企業も利用できるようになったので、大規模なリストラが増えるかもしれないのだ。

■リストラするとおカネがもらえる?

労働移動支援助成金は、平成25年に発表された「日本再興戦略」の一部で、事業の縮小などで雇用できなくなった、いわゆるリストラをおこなった企業向けの支援制度だ。

従来は、リストラは悪いこと=雇用し続けるべき、の風潮だったのに対し、現状を維持できないなら転職を手伝うように、と方針が変わったのだ。景気は回復しつつあると言われているものの、2013年1~12月の倒産件数は1万件を超え、負債総額も約2.8兆円と厳しい状況が続く。

そこでこの3月から、この支援制度が大幅に拡充されたのだ。

助成金は大別して1. 職業紹介(いわゆる転職紹介)事業者へ委託したとき、2. 再就職が実現したときの2種類があり、2.はいわゆる成功報酬型なので企業も努力するのだろうが、1.は結果に関わらず支給される。

中小企業がこの制度を利用した場合、

・職業紹介事業者へ委託 … 10万円

・職業紹介事業者の支援(訓練を含む) … 50万円

・求職活動のために休暇(最大90日)を付与 … 63万円

で、最大で総額123万円も支給される。残念ながら再就職できなかったとしても、事業者へ委託するだけで10万円もらえるのだ。

会社都合で解雇する場合、30日前までに予告するか、30日分以上の給与を支払う義務がある。つまり、仕事がなくても30日勤務するか、30日分上乗せして今日でおしまい、のどちらかをおこなう必要があるのだが、事業縮小のリストラなら前者はムダの極みだろう。

そこで求職活動のための休暇を利用すると、することがないのに会社を開ける必要もなく、しかも助成金がもらえるのだから、企業にとってはメリットが大きい。本来の目的はともかくとして、まるでリストラしやすくしているように思えるこの制度には、少々恐怖を感じる。

■新人教育でおカネがもらえる?

同様に、再就職者を受け入れる企業も支援される「受け入れ人材育成支援奨励金」が存在する。一般的な転職だけでなく、親会社から子会社などの移籍にも適用されるのだ。

その名が示すように目的は人材育成で、つまりトレーニングをすれば助成金がもらえ、

・OJT … 実務を通じたトレーニング

・Off-JT … 実務を離れたトレーニング

のどちらも対象となる。Off-JTは学校や教育機関に通うのが定番だが、外部講師を招いたり、自社でおこなってもOKだ。ホテルの会議室やプロジェクターなどの設備の利用料はもちろんのこと、トレーニング中の賃金も対象となる。

内訳をみると、

●OJT

・賃金助成 … 1人1時間あたり700円(680時間まで)

●Off-JT

・賃金助成 … 1人1時間あたり800円(1,200時間まで)

・経費助成 … 30万円まで

で、1人あたり最大で173万6千円もの奨励金がもらえるのだ。

新入社員はもちろんのこと、中途採用者にもOJTをおこなうのは当たり前に思えるのだが、申請するだけで200万円弱もの補助が受けられる。計画書の作成をはじめさまざまな手続きが必要だが、これを利用しない手はないだろう。

■まとめ

・リストラした企業を支援する制度は、本当に存在する

・転職の手伝いをすると、助成金がもらえる

・転職者を受け入れた企業も支援される

・OJTだけでも、47万6千円もらえる

これらの制度がもとで、安易な雇用やリストラが生まれないことを祈ろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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