苦手な相手を手のひらで転がす心理テク
われわれは、自分とは性格が合わない相手を避けようとしがちです。しかし、仕事上やむをえず苦手な人物と付き合わねばならないこともたびたびあります。そこで、苦手な相手をうまく自分のペースに乗せる心理テクを紹介しましょう。
【会社に苦手な人はいる?】
人によって接し方を変える
米国屈指の哲学者で「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」という言葉で有名な心理学者でもあったウィリアム・ジェームスは、「人は相手によって違った人物のように振る舞うことがある」という言葉を残しています。
これは、相手によって接し方を変えることで、スムーズなコミュニケーションがとれるということを示しています。
相手に自分をよく見せようとする心理
米国の心理学者ジョーンズとピットマンは、人間は他人と良好な関係を保つために自分をよく見せようとする心理が働くことを立証し、それを「方略的自己呈示」と名付けました。そしてそれは5種類に分類されると提唱したのです。
特に、苦手な相手には特に自分に良い印象を持ってもらうことが必要であるため、自己呈示を無意識に行っていることが多いのです。
「方略的自己呈示」の「取り入り」と「自己宣伝」
「方略的自己呈示」の一つ目は、「取り入り」です。これは、相手にお世辞を言ったりゴマをすったりすることで、相手が自分に好感を持ってくれるように仕向ける戦力的行為ですが、あまりあからさまだと、真意を見破られることがあります。
二つ目は「自己宣伝」です。自分の実績を示して能力の評価を得る行為です。この場合は、より分かりやすい内容の報告書にまとめることが大切です。
「方略的自己呈示」の「示範」「哀願」「威嚇」
3番目が「示範」で、これは自己否定して相手に援助を求める方法です。4番目の「哀願」は、これをさらに深刻にして相手から同情を得ようとする手段です。いずれも相手の性格を把握して実行しないと逆効果の場合も少なくありません。
最後の5つ目は、相手に恐怖感を与える「威嚇」です。自分の立場が有利な場合には有効ですが、人間関係を破綻させるリスクも否定できません。
※この記事は2014年01月21日に公開されたものです