相手を笑わせる鉄則―2代目桂枝雀の「緊張の緩和」論
人を怒らせるのは簡単ですが、笑わせるのはむずかしいものです。笑いを引き出すには、相手の心情をよく理解することも大切ですが、テクニックも必要になるからです。では、笑いのコツとはどんなものなのでしょうか?
【彼氏とケンカをしないために、日頃から心がけることとは?「笑わせる」】
2代目桂枝雀の「緊張の緩和」論
落語家 桂枝雀師匠は、客を笑わせるための理論として「緊張の緩和」論を持っていました。これは「場の雰囲気が緊張しているときに、ふっと場を和ませるとそこに笑いが生まれる」というものです。実際に、大勢で集まっているときにこうした形でワっと場が盛り上がったという経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?
逆に、なごやかな場が何かのきっかけで緊張してしまったときには、笑いは生まれにくいものです。
通常の会話にも使える
桂枝雀師匠の「緊張の緩和」論は、お笑いの場だけではなく、通常の会話でも使えます。例えば、ちょっとした行き違いから一触即発のムードになってしまったとき。
ここで二人ともが意地を張ってしまったら、関係は悪くなるばかりです。でも、どちらか一方がふっと表情をゆるめ「なんちゃって」とふざけてみたらどうでしょうか。それまで「負けるものか」と硬い表情をしていたほうも、一気に緊張が解けて思わず吹き出してしまいますよね。
笑いは円滑な人間関係にとって必要不可欠です。
人を笑わせるには、自分が先に笑ってしまわないこと
人を笑わせることを成功させるには「間」も大事です。どんなにおもしろいことを思いついたとしても、それを口に出す前に自分が笑ってしまったら、場が白けてしまいますよね。
それに、笑ってしまうことで、これから相手を笑わせようと思っていることを気づかれてしまいます。とはいえ、すごくおもしろいことを思いついてしまったときは笑うのを我慢するのはむずかしいですよね。でもグっと我慢です。
また、おもしろいことはいかにもそれらしい表情で話すよりも、真顔で話したほうがそのギャップに「余計におかしい」となるものです。
※この記事は2013年12月20日に公開されたものです