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出来の悪い後輩にイライラ! 先輩としてどうするべき?

一方的に怒るのではなく、話し合いで原因を探る

杉浦 そのうえで、後輩がなぜメモを取らないのか、どうして同じミスを繰り返すのか原因を突き止めるため、本人と話し合いの場を設けましょう。

編集部 怒るのではなく話し合うのですね! 怒られると反発したくなりますが、そうやって真剣に話されると考えざるをえないですね。

杉浦 はい。冷静に話し合える自信がなければ、上司に同席してもらうのも手ですよ。

編集部 なるほど。

杉浦 話し合うときは、まずは仕事がいっこうにできない事実と、そのせいで自分が困っていることを伝え、何が原因なのか本人に聞いてみましょう。同じミスを繰り返した証拠資料などを見せながら「何度も注意しましたが、このように同じ失敗を繰り返すので困っています。どうしてですか?」と聞くのです。本人の言い分を聞いてみると「実は、指示の意味がわかっていなかった」とか「そんなに大きなミスとは認識していなかった」とか、思わぬ原因がわかることがあります。

編集部 確かに、お互いの認識がずれていることもありそうですね。あと、中途入社でお互いの年齢も1歳しか違わないので、実は後輩が夏美さんをなめていたり、変なプライドを持っているとか……。

杉浦 ありえますね。夏美さんが30歳ということは、後輩は29歳。ある程度のキャリアは経験している年齢ですから、自分なりの仕事のこだわりや自負があると思います。「前の会社ではこうだったから」など、お互いの経験してきた企業文化がちがうせいでズレが生じることもあります。

編集部 仕事を覚えない原因や言い分を後輩に聞いたら、その後はどう対応すればいいですか?

杉浦 「では、今後はどうすれば仕事ができるようになると思いますか?」と本人に聞いてみましょう。本人の希望と会社としてのルール、そして夏美さん自身がやりやすい方法を加味して、よりよい方法を一緒に見つけてみてください。成果が出るならば、やり方は柔軟に変えてもいいでしょう。たとえば、「会社のルールがわかっていなかったのでまずはその理解から」と言われたら、常に社内ルールを伝えたうえで仕事を振ること。「これからは、きちんとメモを取ります」と言ったならそれを信じればいい。一方「メモを取るのが苦手」とのことなら、業務のマニュアルやフォーマットを定めるなど、後輩が対応できる仕事の仕方を一緒に決めることも必要です。後輩のできること・できないことを見極めたうえで、相手がいちばん力を発揮できる仕事の仕方を一緒に模索していきましょう

編集部 他人は変えられないから、まずは自分の対応を変えていくしかないですよね。夏美さん、がんばって!

監修
杉浦里多
株式会社デリィス 代表取締役、ブランド価値プロデューサー。LVMH(モエヘネシールイヴィトン)グループなどで宣伝広報マネージャーを務めた後、P&Gジャパンに入社。SK-2、パンパース、ブラウンジレットなど多くのブランドのコミュニケーション戦略に携わり、最優秀社員賞など社内表彰多数。独立した現在は、顧客志向のマーケティングコンサルティングや、戦略力&リーダーシップを育む管理職・ダイバーシティ・女性管理職育成などの企業研修を行っている。著書に『1年で成果を出す P&G式10の習慣』(祥伝社)、『がんばりが評価される女性の仕事術』(クロスメディア・パブリッシング)など。
http://www.delice-delice.com/

 

※この記事は2013年11月14日に公開されたものです

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