今年の台風は本当に強力だった? なんでこんなに多い? 気象庁に聞いてみた!

今年の台風は発生するたびに「過去最大」なんてことがいわれていましたが、そこまでいわれるほどどの台風も強かったのでしょうか。また、今年は台風が上陸するのも多かったように思えますが、なぜこんなに多かったのでしょうか。
【大雨・暴風など「特別警報」8月30日より運用開始 警報の発表基準を超える大災害の警戒に】
気象庁の天気相談所に聞いてみました。
今年の台風はいわれていたほど強力ではなかった
●―今年は、発生する台風が軒並み「強力」「過去最大」という文句で報じられていましたが、実際そこまですさまじいものばかりだったのでしょうか?
強い台風も実際にありましたが、報道番組が多少オーバーに報じていた部分もあると思います。バラエティーといいますか、そのように報じる方が良かったのでしょう。
●―確かに「あおり」はすごかったように思えますね。では、雨がすごい、風がすごいといわれていても、実際はそこまでではなかったのですね。
皆さんが思われているほど強力ではなかったですね。雨量や風の強さなども、上陸した地域によって違うので、強かった弱かったと単純な言葉では片付けるのは難しいでしょう。昔は雨が強いなら雨台風、風が強ければ風台風などの呼び方がありましたが、最近ではあまりしないようですし、今は特に雨だけ、風だけに注目することはないように思います。
接近する台風が多いのは気圧配置と高い水面温度が原因
●―台風が日本列島に接近した数については、実際多かったのでしょうか?
確かに接近する台風は多かったです。10月には6個の台風が日本に接近しました。
●―なぜ今年は多かったのでしょうか?
まず一つは、南の海の海水の温度が高かったこと。これにより、海上に発生した台風が発達しやすい状況でした。もう一つは日本に台風が接近しやすい気圧配置だったことです。
●―日本に接近する台風が多かったのは、その二つが要因なのですね。一つ疑問なのですが、なぜ水温の高くなりそうな夏よりも秋に台風が来るのでしょうか?
夏の熱い気温が海水に影響するのは9月になってからなんです。熱が伝わるまで、それだけ時間がかかっているということです。秋になり水面温度が上昇し、台風が発達、そして秋の気圧配置の影響で日本に接近するということなんです。
●―なるほど。だから秋に日本に接近する台風が多いんですね。
台風によって被害の出た地域もありましたが、テレビ番組などで盛んに報じられているほど、今年の台風は強力なものばかりではなかったようです。
(貫井康徳@dcp)
※この記事は2013年11月09日に公開されたものです