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竜巻の強さを表す「Fスケール」のFは藤田のFって本当?⇒本当。世界に誇れるすごい人

入道雲先日、埼玉県や栃木県で発生し、大きな被害をもたらした竜巻。この竜巻の強さを示すものが「Fスケール」というものです。FスケールはF0~F6までの7段階があり、埼玉の竜巻は下から3番目の「F2」だったそうです。

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さて、このFスケールですが、「F」は藤田さんという日本人の頭文字という話があります。本当だとするとどんな人なのでしょうか? 気象庁の天気相談所の岡田さんに聞いてみました。

■藤田さんは世界に誇れる日本人の一人

――竜巻の強さを示すFスケールのFは藤田の頭文字と聞いたのですが……

岡田さん:はい、そのとおりです。藤田哲也さんという北九州市出身の竜巻研究者の頭文字です。アメリカに渡り竜巻の研究をされた方で、竜巻研究の第一人者と呼べる存在です。

――なぜ藤田さんの頭文字が付けられたのでしょうか?

岡田さん:藤田教授がアメリカに渡った当初は、竜巻の分類がありませんでした。藤田教授は、竜巻や竜巻の被害をひとつひとつ調査し、被害状況から竜巻の強さの分類を確立させたのです。その功績をたたえ、藤田の頭文字をつけてFスケールと呼ばれるようになりました。

――そんな偉大な人の頭文字だったのですね。

岡田さん:藤田教授は竜巻の分類だけでなく、調査方法も確立させました。この調査方法はアメリカや日本だけでなく、世界中で竜巻研究に使われているものです。

――グローバルスタンダードな調査方法を生み出された方でもあるのですね。このFスケールは世界中で使われているのですか?

岡田さん:ヨーロッパなどはまだ竜巻の実態がはっきりと調査されていないのでわかりませんが、アメリカと日本では使われています。先にアメリカで使われ、その後日本でも使われるようになりました。

――逆輸入のような形なのですね。アメリカでは最大でどれくらいの規模の竜巻が発生しているのですか?

岡田さん:Fスケールは0-6までありますが、アメリカではF5、日本だとF3が最高です。

――アメリカの竜巻はやはり規模がちがいますね。

岡田さん:ひとつの竜巻で1,000億円を超える被害が発生することもあります。

 

FスケールのFは、竜巻の分類、そして調査方法を確立させた偉大な研究者の頭文字でした。残念ながら藤田教授はすでに亡くなられており、国内に展示館を建設するという話もあるそうです。竜巻研究に大きく貢献した日本人研究者の足跡、ぜひ残したいですね。

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年09月09日に公開されたものです

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