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紙飛行機にまつわるトリビア「飛距離の世界記録は69.1388メートル」

子どものころに、誰もが一度はつくったことのある紙飛行機。宮崎駿監督の大ヒット映画『風立ちぬ』を見て、懐かしく思った方も多いのではないでしょうか。

10月7日放送の『ひるまえほっと』(NHK総合)では、「大空に舞う紙飛行機に夢をのせて」を特集。東京都・武蔵野市にある「都立武蔵野公園」は、紙飛行機の聖地とされる公園で、全国から紙飛行機好きの人々が多く集まるそうです。番組に登場したのは「倶楽部原っぱ」という愛好会のみなさんで、全国大会でも高ランクにランクインする強豪メンバーばかりの実力者揃いとのこと。紙飛行機の飛ばし方には、「手投げ式」(=さらに「野球投げ」、「サイドアームランチ」に区分)の他に「カタパルト式」(=さらに「らせん上昇」式と「垂直上昇」式に区分)というゴム・パチンコのような投げ方があるそうですが、番組では後者を紹介し、さらに紙飛行機の作り方、飛ばし方も詳しく解説。秋の大空をいっぱいに使って、ときめく時間を過ごしていました。

そんな紙飛行機のひとときにすっかり触発され……。実は某航空会社の元エンジニアだった父を持つ筆者が、この機会にと、飛行機&紙飛行機トリビアを調査してみました!

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「飛行機」の名づけ親は『舞姫』を著したあの文豪

「飛行機」という言葉が最初に使われた文献は、なんと森鴎外の著作『小倉日記』だそう。『小倉日記』は1901年の著作ですから、実はライト兄弟による有人飛行よりも2年早いことになります。鴎外はドイツ留学中に飛行機の開発に関心を持ち、国産機の開発に関わったこともあったそうです。かなりの飛行機通だったんですね。

海から空へ! 引き継がれた言葉たち

「船」と「飛行機」の関係の深さは、名称の共通点にも見てとれます。まず操縦の指揮をとる責任者をともに「キャプテン」と呼ぶこと。乗務員を「クルー」と呼ぶことも然り。飛行場のことは「空港」といいますし、機体は「シップ」ですね。

紙飛行機の驚くべき世界記録

話を紙飛行機に戻しますが、飛距離の世界記録はアメリカ人のジョー・エイブという人が記録した69.1388メートルだそうです。A4サイズの紙を切らずに製作した折り紙飛行機だというから驚きです!

そして飛行時間(=正確には滑空時間)のワールド・レコードを持っているのは、なんと日本人の戸田拓夫さんで、記録は27秒9。破った記録は27秒6だそうですから、熾烈な争いなんですね。ちなみに、ともに屋内(無風環境)の記録です。

紙飛行機界の世界的権威が日本に!

二宮康明さんは紙飛行機設計士として、50年以上のキャリアを持たれています。設計されたオリジナルは、なんと2,600機以上にも及ぶそう。第1回国際紙飛行機サンフランシスコ大会でグランプリを獲得し、その後の大会では審査委員をつとめられています。多くの国内大会でも、競技委員長や大会会長を歴任し、日本紙飛行機協会も設立、会長を務められ、全日本紙飛行機選手権大会には「二宮康明杯」の名が冠されているほどの方なのです。『子供の科学』シリーズ(誠文堂新光社刊)には40年以上にわたって紙飛行機の付録を連載されているそうなので、手にされたことのある方もいるかもしれませんね。

ネット上にも、『風立ちぬ』を観たのがきっかけで、あらためて紙飛行機をつくってみたという人が増えているよう。いつの時代も、空への夢は変わらぬもの。みなさんもたまには昔を思い出して、紙飛行機を楽しんでみませんか?

(西田貴史/サイドランチ)

※この記事は2013年10月21日に公開されたものです

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