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両親から退職金運用の相談が……どうアドバイスすべき?

花輪陽子

花輪 退職金をもらうと、まとまった現金が手に入るので、投資商品をすごくすすめられるようになるんですよね。

編集部 万由子さんのご両親も、まさに退職金をもらったタイミングで勧誘を受けたようです。

花輪 「銀行だから大丈夫」とすすめられるままに投資商品に手をだすと、大切な“虎の子”を目減りさせてしまう可能性もあります。目標もなしにいきなり多額の運用に手を出すのはやめたほうがいいんですよね。

編集部 リスクが高いものを、あまり持たないほうがいいんですね。

花輪 そうですね。もし安全性を考えるのであれば、預金や国債をメインにして、銀行がよくすすめる不動産投資信託などにはあまり手を出さないことをオススメします。ただ、手元に現金があればあったで、別の詐欺のリスクが高まると考えると、多少手数料がかかっても、銀行で投資信託を購入していたほうがマシだという考え方もあります。

編集部 なるほど……。ちなみに、シニア世代をターゲットにした詐欺として、最近とくに目立つ手口などはありますか?

花輪 家に高額なカツラや健康食品を送りつけてきて、法外な請求をするというケースをよく耳にします。あと、地方などに土地を持っていると、「アパートを建てませんか」と誘われたりするようです。

編集部 両親と遠く離れて暮らす娘としては、どのように対処すればいいのでしょうか。

花輪 まず、金融や不動産は大きな買い物なので、軽い気持ちで買わないよう、両親に話をしておきましょう。また、国民生活センターではさまざまな詐欺の事例が紹介されています。「海外の宝くじに当たったといって、ものを送りつけてだます詐欺があるんだって」などと、日ごろの会話のなかでさりげなく情報提供しておくと安心かもしれません。

お互いに相談しやすい雰囲気づくりがカギ

振り込め詐欺をはじめ、シニア世代を狙った詐欺はあとを絶ちません。最近では振り込みをさせず、息子の部下を装った犯人が現金を受け取るというケースもあります。こうした最新事情もなかなか親世代には伝わりづらいもの。日ごろから家族でコミュニケーションを密にして、困ったことがあったらお互い相談しやすい雰囲気づくりをしておくことが大切です。(花輪陽子)

※この記事は2013年10月15日に公開されたものです

花輪陽子

ファイナンシャル・プランナー。OL時代は借金200万円の“貯まらん女”だったが、2009年に「夫婦同時失業」を経験し、ファイナンシャル・プランナーに転身。『夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』(PHP研究所)、『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』(朝日新聞出版)、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』(マガジンハウス)、『貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など著書多数。 http://yokohanawa.com/

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