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薄めず使えるのはラベンダーとティーツリーだけ!? 意外と知らないオイルの危険な使い方

アロマテラピーには、「リラックス効果」や「癒し」といった、やさしいイメージがありますよね。使用されるエッセンシャルオイルは、今や店頭で誰でも気軽に購入することができます。

しかし、数あるエッセンシャルオイルの中には、使用方法や対象者を間違えてしまうと危険なものがあることをご存知ですか? 今回、その危険性についてアロマテラピストの宮崎照代さんにうかがいました。

エッセンシャルオイルの特性と危険性

「基本的に、妊娠中や授乳中は使用できない、または使用を控えるべきオイルが数多くあります。使用する前には、必ず医師に相談してからにしましょう」(宮崎さん)

・クラリセージ
女性ホルモンに親和性があるため、月経トラブルには有効なオイル。しかし、通経作用があるので、「月経過多」や「多量月経」につながることがあります。

また、鎮静作用により集中力の低下が考えられますので、「車の運転や仕事・勉強時」の使用は避けましょう。さらに、アルコールとの相性も良くないので、飲酒後の使用もお勧めしません。

・グレープフルーツ
解毒作用やセルライトのトリートメントに有効なオイル。適切な希釈濃度であれば皮膚感作や刺激はありませんが、「多少の光毒性」を持っているため4%以上の希釈濃度で使用した後は、紫外線を浴びないよう注意しましょう。

・ジュニパー
発汗の促進や、解毒作用が期待できるオイル。身体を温め、むくみをとる効果もあるので、むくみやすい方にもお勧め。

しかし、腎臓の組織を強く刺激するため、「腎臓の弱い方」の長期使用は危険です。また、「血糖値を上げる危険性」もあると言われていますので、糖尿病患者の使用も注意が必要です。

・サンダルウッド
神経の緊張や不安を和らげるほか、泌尿器系では膀胱炎や尿道炎などの感染症に有効なオイル。

お香のようなずっしりとした重い香りなので、瞑想や精神統一の際に使用されることが多いです。しかし「うつ症状の方」には、余計に気分を落ち込ませてしまう危険があるのでお勧めしません。

・ティーツリー
殺菌消毒作用に優れており、風邪・気管支炎また水虫やニキビのケアにも有効なオイル。

しかし、粘膜刺激特性のある成分を含んでいるので、「敏感肌の方」や「肌の敏感な部分」への使用は控えましょう。

猫を飼っている方、要注意!

「猫はエッセンシャルオイルを分解する能力が低い、と言われています。直接肌から吸収するような、シャンプーやスプレーなどのアロマケアはお勧めできません。

芳香浴なら、香りによってはリラックスさせてあげることも可能です。しかし、猫にも人間と同様に『好みの香り』がありますので、猫の様子をしっかりと観察し、リラックスできているか確認してあげる必要がありますね。

もし、いつもと違う様子を見せた場合は、直ちに中止してください」(宮崎さん)

内服すると危険?

「フランスやイギリスなどの医療機関では、医師による管理の下でエッセンシャルオイルの内服を勧めている場合がありますが、これはあくまでも専門的な医療行為として行われています。

内服のリスクは、外用と比較して内蔵器官に非常に強い刺激を与える可能性が高く、健康を害する恐れもあること。独自の判断で内服すると大変危険ですのでやめましょう。

また、小さなお子さまのいる家庭では、間違って内服してしまう恐れがあるので、お子さまの手の届かない場所に保管するようにしてください」(宮崎さん)

希釈(薄める)せずに使用すると危険?

「希釈せずに原液のまま肌につけることができるエッセンシャルオイルは、『ラベンダー』と『ティーツリー』だけです。肌の弱い方は、これらのエッセンシャルオイルも希釈して使用してください。

エッセンシャルオイルは植物の成分が凝縮されているので、直接肌につけるには刺激が強過ぎます。原液をつけると、痛みを感じたり腫れ上がることもあり、さらにはもっと大きなトラブルの原因になる危険性があります。

エッセンシャルオイルをマッサージやスキンケアに使う場合は、必ず希釈して使用しましょう」(宮崎さん)

エッセンシャルオイルを安心して楽しむために

「危険性についてお話してきましたが、適切に希釈し、節度を守って使用すれば安心して使うことができます。信頼できるショップでご自身の体調や体質などを伝えれば、それに合ったものを的確に判断してくれるはずです」(宮崎さん)

癒し効果のあるアロマテラピーだけに、その危険性については知らない方も多かったのではないでしょうか。もう既にエッセンシャルオイルを生活の一部に取り入れている方も、これからトライする方も、是非参考にして、安全なアロマテラピーライフを送りましょう。

宮崎照代
3人の子育てと仕事に追われる日々の中、身体の不調を感じていたとき、アロマテラピーに出会う。アロマテラピーをもっと知りたいという思いでアロマコーディネーターの資格を取得。スクールにてフェイシャル、ボディのトリートメントの資格を取得後、千葉の自宅にてアロマテラピーサロン「shore」を開き、今に至る。JAA日本アロマコーディネーター協会会員。

(OFFICE-SANGA Ai Kageyama)

※この記事は2013年10月03日に公開されたものです

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