結婚後、仕事をやめてほしいという彼。専業主婦になって大丈夫?
編集部 今、慌てて「辞める」という道を選ぶのは得策ではないんですね。
花輪 仕事を続けていれば、産前産後休業や育児短時間勤務制度といった務め先の福利厚生が使えるというメリットもあります。年功序列と終身雇用がしっかりしていた時代であれば、「専業主婦」という職業も成り立っていましたが、今は給料も上がりづらく、いつリストラなどで職を失ってもおかしくありません。こうした中で、夫ひとりの収入に頼るのは、かなりのリスクを抱えることになります。
編集部 「やりくりテクさえ身につければ、大丈夫!」というわけにはいかない時代になってしまっているんですね。
花輪 また、気になるのは「専業主婦になってほしい」と強く希望するのは「年収300万円以下」と収入が少ない人、もしくは「年収1000万円以上」など収入が多い人たちに二分されている傾向があるんです。私の経験則ですが、中間層にはあまりいない。後者の場合は、まだいいのですが、前者だと大変。「生活が苦しいのに、外に働きに出ることを夫が許してくれない」と悩んでいる女性は案外多いんです。
編集部 つらいですね。収入が増やせないとなると、節約に励むしかない?
花輪 “やりくりのプロ”とでも言いたくなるような節約ぶりです。でも、どんなにがんばっても限度はあります。しかも、専業主婦の仕事はきちんとやっても、なかなか評価されづらく、完璧にやろうと思うとキリがない。大勢の方にインタビューしてみると、働いているほうがよほどラクかもしれないと思うことが多々あります。
編集部 ベイさんがお付き合いしている彼の本心としては、「仕事をやめてほしい」「自分が100%稼ぐので、家事を100%してほしい」というものだそうですが……。
花輪 常に100%を求められるのは相当なストレスになると思いますよ。仕事であれば、残業はあるにせよ、勤務時間が決まっているけれど、主婦業は24時間。「あれをしてほしい」「これをしてくれなくちゃイヤだ」という彼のワガママに付き合い、四六時中面倒を見なくてはいけなくなる可能性も……。結婚してから「こんなはずじゃなかった」とならないために、今のうちに彼の考えをヒアリングし、お互いが考える「結婚生活」のすり合わせをしておくことをオススメします。
堅実な人ほど陥りがち!? 「やりくりすれば何とかなる」のワナに注意!
メリハリのきいた支出で、毎月貯蓄もできているベイさん。堅実な生活ぶりが伺えます。専業主婦になってもしっかりやりくりできそうです。ただ、もし、彼に同じぐらいの年収があるとしても、ベイさんが仕事を辞めて彼だけの給料で生活するとしたら収入が実質、半分ぐらいになってしまうことに。いざというときに使えるよう、できるだけ貯蓄しておくという方法もありますが、まずは彼と話し合うことが先決です。彼の想いや財布事情をヒアリングしつつ、次の作戦を練りましょう。(花輪陽子)
※この記事は2013年02月19日に公開されたものです