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「光栄に存じます」は敬語として正しい? 意味と使い方、言い換え表現(例文つき)

にほんご倶楽部

「光栄に存じます」とは、相手から褒められた時、名誉に思う気持ちを伝えるフレーズです。

しかし、日常のビジネスシーンにおいてはやや大げさな表現のように感じる場合もあるでしょう。

この記事では、「光栄に存じます」の意味と適切な使い方、言い換え表現について例文と共に紹介します。

「光栄に存じます」とは

まずは、「光栄に存じます」の意味をチェックしていきましょう。

「光栄に存じます」の意味

「光栄に存じます」は、「光栄」と「存じます」に分けることができます。辞書によると、それぞれ以下のように説明されています。

こう‐えい〔クワウ‐〕【光栄】

名・形動](スル)
1 業績や行動を褒められたり、重要な役目を任されたりして、名誉に思うこと。また、そのさま。「光栄の至り」「身に過ぎて光栄なこと」
2 栄えること。栄えさせること。
「みな戦死して英国を―す」〈中村訳・西国立志編〉

(『デジタル大辞泉』小学館)

ぞん・ずる【存ずる】

[動サ変][文]ぞん・ず[サ変]
1 「知る」「承知する」の意の謙譲語。「知らぬ―・ぜぬでらちがあかない」
2 「思う」「考える」の意の謙譲語。「お変わりなくお過ごしのことと―・じます」
[補説]現代では多く「ます」を伴った形で、聞き手に対して、改まった気持ちをこめて丁重に言うのに用いる。

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「光栄に存じます」とは、褒められて名誉や誇りに思う気持ちをへりくだって伝える表現です。

「光栄に存じます」は正しい敬語?

「光栄に存じます」は、謙譲語の「存ずる」を含んでいることから、目上の人にも使える正しい敬語表現です。

「光栄に思います」よりも、さらに丁寧でかしこまった印象を与えるフレーズでしょう。上司や取引先などに対して、名誉に思う気持ちを伝えられる表現といえます。

「光栄に存じます」の使い方と例文

「光栄に存じます」は、ビジネスシーンや目上の人とのやりとりなどに使える敬語表現。

例えば、上司から大きな仕事に抜擢された時、または取引先から提案内容や業績を褒められた時などに使うことができます。

褒められた内容に対する返答として、名誉に思う気持ちを「光栄に存じます」というフレーズで表しましょう。

例文

・この度は、貴社の記念式典にお招きいただき光栄に存じます。

・名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。この場を借りて、厚くお礼申し上げます。

・プロジェクトリーダーに抜擢していただき、光栄に存じます。期待にお応えできるよう精一杯務めます。

・弊社商品についてお褒めにあずかり、大変光栄に存じます。

「光栄に存じます」を使う時の注意点

「光栄に存じます」は敬語表現であり、かしこまったフレーズです。

そのため、ビジネスシーンにおいて同僚や後輩など近い関係性の人に対して使うのは不適切でしょう。大げさな印象を与えてしまうかもしれません。

同僚などに対する日常的なやりとりでは、シンプルに「光栄です」と伝えるのがベターです。

「光栄に存じます」の言い換え表現

「光栄に存じます」は、どんな言葉に言い換えできるでしょうか? シーンに合わせて使い分けてみましょう。

(1)「ありがたく存じます」

「ありがたく存じます」の「ありがたい」は以下のような意味です。

あり‐がた・い【有(り)難い】
読み方:ありがたい
[形][文]ありがた・し[ク]《あることがむずかしい、の意から》

1 人の好意などに対して、めったにないことと感謝するさま。「―・い助言」「―・く頂戴する」

2 都合よく事が進んでうれしく思うさま。「―・いことに雨がやんだ」「社にとっては―・くない状況だ」

3 またとないくらい尊い。もったいない。「―・い仏様」「―・いお言葉」

4 存在しがたい。珍しい。めったにない。
「―・きもの、舅にほめらるる婿」〈枕・七五〉

5 むずかしい。困難だ。
「前車の轍(てつ)を見る事は誠に―・き習ひなりけむかし」〈神皇正統記・後醍醐〉

6 世に生きることがむずかしい。生活しにくい。
「世の中は―・く、むつかしげなるものかな」〈源・東屋〉

[派生] ありがたがる[動ラ五]ありがたげ[形動]ありがたさ[名]ありがたみ[名]

(『デジタル大辞泉』小学館)

めったにないことに対して感謝する様子を意味し、相手から何かしてもらった時に感謝の気持ちを伝えることができる表現です。

(2)「嬉しく存じます」

「嬉しく存じます」とは、「嬉しく思っています」「ありがたく思っています」という気持ちを丁寧に示す表現。

目上の人に対して喜ばしい気持ちを伝える時に使えるフレーズです。

(3)「幸甚(こうじん)に存じます」

「幸甚」とは辞書で以下のように説明されています。

こう‐じん〔カウ‐〕【幸甚】
読み方:こうじん

[名・形動](多く手紙文で用いて)この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま。「—の至り」「—に存じます」

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「幸甚に存じます」とは、最上級に嬉しい気持ちを伝える敬語表現です。

「光栄に存じます」は名誉に思う気持ちを伝える敬語

「光栄に存じます」とは、相手から褒められたり大きな役割を任されたりした時、名誉に思う気持ちを伝える敬語表現です。

「存ずる」という謙譲語を用いることで、目上の人に対して丁寧に表現できるビジネスフレーズ。ぜひ、適切な使い方を覚えておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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