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「ご理解ください」は目上の人に使える? ビジネスシーンでの正しい使い方と注意点

にほんご倶楽部

ビジネスシーンにおいて耳にすることもある「ご理解ください」というフレーズ。丁寧な表現ではあるものの、目上の人に使っても問題ない表現なのでしょうか? この記事では、言葉の意味と正しい使い方、注意点、言い換え表現を紹介します。

「ご理解ください」とは、何らかの事情を分かってほしい時に使うフレーズ。

ビジネスシーンでは定番の言い回しですが、正しい意味や使い方を理解できているでしょうか? また、目上の人も使っても問題ない言葉なのでしょうか。

この記事では、「ご理解ください」の意味や使い方、言い換え可能な表現などを例文と共に紹介します。

「ご理解ください」の意味

「ご理解ください」は、「理解」に接頭語の「ご」をつけた「ご理解」と、補助動詞の「ください」が合わさった言葉。

「理解」は辞書によると以下のように説明されています。

 

り‐かい【理解】

[名](スル)
1 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。「理解が早い」
2 他人の気持ちや立場を察すること。「彼の苦境を理解する」
3 「了解2」に同じ。
→了解りょうかい[用法]

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり「ご理解ください」とは、「状況や立場を察してください」という意味の丁寧な表現です。

「ご理解ください」の使い方と例文

「ご理解ください」は、主にビジネスシーンで使われるフレーズです。お客様や取引先などに対して、こちらの事情への理解を求める時に使います。

「ご理解ください」だけで使うと一方的な印象を与える可能性があるため、クッション言葉などと合わせて用いるのがおすすめです。

また、「~くださいませ」「くださいますようお願い致します」など、語尾を変えることでより丁寧な言い回しにすることも可能です。

例文

・配線工事が始まるため1週間程度騒がしくなるかと思います。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解ください。

・明日から出張のため、返信が遅くなる可能性がございます。大変恐縮ですが、ご理解くださいませ。

「ご理解ください」を使う時の注意点

「ご理解ください」は丁寧表現であるものの、相手に依頼する表現であるため一方的な印象を与えてしまう場合もあります。

ここでは「ご理解ください」を使う時の注意点を見ていきましょう。

(1)理解してもらえるだけの丁寧な説明を心掛ける

「ご理解ください」と使う時は、相手にただ理解を求めるだけだと一方的な印象を与えてしまいます。相手が納得してくれるよう、しっかりと事情を説明することが大切です。

また、こちらの事情で相手に不都合が生じる場合は、謝罪の言葉も一緒に伝えたり、「ご容赦ください」という表現を用いたりするとベターでしょう。

(2)目上の人に使う場合は表現を工夫

「ご理解ください」という言葉は丁寧な表現であり、目上の人に使っても間違いではありません。

ただし、「察してほしい」という要求を伝えるため、場合によっては失礼な印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。

もし取引先や目上の人に対して使う場合は、「ご理解いただきますようお願い申し上げます」と言い換えたり、「ご理解のほど~」と断定を和らげる表現を用いたりするのが良いでしょう。

「ご理解ください」の言い換え表現

「ご理解ください」と合わせて、言い換え表現も覚えておきましょう。

(1)「ご了承ください」

「ご了承ください」は、事情を理解し承知してほしい時に使う表現。

ただし「ご理解ください」同様に、受け入れることを一方的に押しつけるようなニュアンスとも受け取られかねないため、目上の人には使わない方がベターでしょう。

(2)「ご容赦ください」

「ご容赦ください」とは、過失や失敗などについて許しを請う場合の表現です。「お許しください」とも言い換えられます。

「ご理解ください」よりも、へりくだった表現だといえます。

(3)「お含みおきください」

「お含みおきください」とは、「心にとどめておいてほしい」という意味の言葉です。

理解してほしいというだけでなく、より強く知っておいてほしいこと、忘れないでいてほしいことを伝える時に使いましょう。

「ご理解ください」を正しく使おう

「ご理解ください」とは、こちらの事情や状況を理解してほしい時に使えるフレーズです。

丁寧な表現ではあるものの、相手やシーンによっては強い印象を与えてしまうこともあります。クッション言葉と合わせたり、言い換え表現を用いたりして、上手に使い分けてみてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

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