新年の挨拶に使える文例8つ(ビジネスメール編)
新年の挨拶は、ビジネスにおいて良好な人間関係を築くのにも役に立ちます。メールで送っても良いか、いつまでに送れば良いかの基本的なマナーと、お客様・取引先や職場の上司・部下・同僚に向けた挨拶文例を、マナー講師の三上ナナエさんに解説してもらいます。
新年を迎えるにあたっては、年賀状やビジネスメールのやりとりで挨拶をする機会が増えます。
いざ挨拶の言葉を考えるとなると、「どんな文面を書こうか」「失礼にならないだろうか」など、気になる人もいるでしょう。
新年の挨拶は年に一度。普段はなかなか伝える機会がない気持ちを、心新たに伝えやすいタイミングです。
このチャンスを生かせるような例文を、相手との関係性ごとに紹介します。
新年の挨拶はいつまで? メールで送っても良い?
新年の挨拶はいつまでに済ませれば良いのでしょうか? また、メールで送って良いのかも気になるところです。挨拶文を考える前に、基本的なマナーを押さえておきましょう。
新年の挨拶は松の内までに
新年の挨拶は一般的には松の内までにする方が良いといわれています。
松の内とは、門松などを飾っておく期間のこと。関東では1月7日、関西では1月15日までとされています。
ビジネスメールでの挨拶の場合は、仕事始めで顔を合わせる前までに済ませることをおすすめします。
礼儀を押さえていればメールでもOK
以前は会社で社員の住所録が配られることもありましたが、近年は個人情報管理の観点から配られることはほぼないので、メールで挨拶をするケースが増えました。
本来は手紙やはがきなどを用いるのが正式なマナーではありますが、上記のような理由もあるため、相手との関係に応じて礼儀や形式を押さえればメールでも問題ありません。
ただし、もし年賀状をもらったら年賀状で返すのがマナーです。
メールを送る際は同じ内容のメールを一斉送信するのではなく、たとえ手間がかかっても1人ずつ文面を考えるのがおすすめです。その方が、相手への自分の思いをピンポイントで伝えやすいです。
メールや年賀状に使える新年の挨拶文
ここからは、ビジネスシーンで使える新年の挨拶文を紹介します。
取引先・お客様への新年の挨拶
取引先へのメールでは、今後も気持ち良く取引できるよう誠意を込めた文面を心掛けましょう。
例文
大切な取引先なら「本来は直接ご挨拶をするべきところ」と、略儀をお詫びします。会社の営業スタートの日も知らせておくと良いでしょう。
謹んで新年のお喜びを申し上げます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
本年もより一層のご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本来は直接ご挨拶をするべきところですがメールにて失礼いたします。
新年は1月5日より平常営業をいたしております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
例文
シンプルな文面は相手に負担を感じさせません。「謹」という文字は相手を敬う意味が含まれているので礼儀を重んじたい時におすすめです。
謹賀新年
旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございます。
御社のご要望にこれまで以上お応えできるようさらに努力してまいります。
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
何卒どうぞよろしくお願いいたします。
上司や先輩への新年の挨拶
上司や先輩への新年の挨拶では、前年お世話になったことのお礼と、今年の抱負を伝えると良いでしょう。
例文
役職が上の相手には礼儀を重んじますが、堅すぎず丁寧さが伝わる言葉遣いの文面にします。社内の人へはメールで挨拶をする略礼を詫びる必要はありません。
新年おめでとうございます。○○課の○○です。
○○部長には昨年も大変お世話になり誠にありがとうございました。特に○○プロジェクトの件では親身にご指導くださり心より感謝申し上げます。
本年はいっそう飛躍の年となるようにいたします。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
例文
距離の近い上司には堅苦しくしなくて大丈夫です。業務に関連する内容は重苦しくなるので、意気込みなどが伝わるようにすると良いでしょう。
明けましておめでとうございます。○○グループの○○です。
昨年も大変お世話になりました。
課長に手取り足取り教えていただいたご恩をお返しできるよう成果を出してまいります!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
同僚への新年の挨拶
同僚への新年の挨拶は、関係性に合わせてフランクな内容を織り交ぜると良いでしょう。
例文
距離を感じさせない、そして協力し合おうという気持ちが伝わる文面です。社内であれば業務連絡の一環でもあるので短めの文章にします。
明けましておめでとうございます。
いよいよ○○年度は○○のスタートの年ですね。
今年はさらに真価が問われる年になると思うので精一杯努力していきます。力を合わせて乗り越えていきましょう!
今年もお世話になりますがどうぞよろしくお願いします。
例文
個人から個人であれば、多少プライベートなメッセージを入れてもOKです。
明けましておめでとうございます。
○○さんには昨年は○○プロジェクトの件のみならずプライベートでも相談に乗ってもらい助けてもらってばかりでした。ありがとうございました。
今年もおいしいお酒が一緒に飲めるようにより一層努力します!
これからもどうぞよろしくお願いします!
部下や後輩への新年の挨拶
部下や後輩への新年の挨拶は、前年の働きをねぎらい、モチベーションが上がるような内容にすると良いでしょう。
例文
部下や後輩に向けてはフレンドリーさを出すのも良いでしょう。具体的な成果などに触れることはモチベーションアップにつながります。
明けましておめでとうございます。
昨年は○○の件で大変なこともあったと思いますが粘り強くやり遂げ結果も期待以上に出してくれとても頼もしかったです。
今年も健康に気をつけて頑張ろう。
例文
感謝の気持ちを伝えることも忘れず、サポートする姿勢も伝えると安心感を与えられるでしょう。
明けましておめでとうございます。
昨年は○○の件で○○さんにはたくさん活躍してもらって助かりました。ありがとうございました。
私も精一杯、力を尽くすのでこれからもチームメンバーと一緒に頑張りましょう。
新年の挨拶の注意点
新年を迎えるにあたって、挨拶の文面では明るい晴れやかな印象を与えたいもの。挨拶メールや年賀状を送る上での注意点を押さえ、お祝いする気持ちが伝わるようにしましょう。
目上の人には1文字・2文字の賀詞は使わない
「寿」「春」「賀」「賀正」「迎春」「新春」など、1文字・2文字の賀詞は略語にあたります。
これらの賀詞は部下や同僚に使うのはOKですが、目上の人には失礼になってしまいます。目上の人には以下のような4文字、あるいは改まった賀詞を使います。
・謹賀新年
・謹賀新春
・謹んで新年をお喜び申し上げます
・謹んで新春をお祝い申し上げます
縁起の悪い言葉は使わない
お祝いの雰囲気を壊さないためにも、暗く縁起の悪い言葉は避けるようにしましょう。
例えば「去年」の「去」には「去る」という縁起が良くない意味があります。そのため「去年」ではなく、「昨年」「旧年」を使います。
また、以下のような忌み言葉は避けましょう。
・終わる
・絶える
・滅びる
・枯れる
・苦しむ
・別れる
・失う
・流れる
・壊れる
・倒れる
・切れる
・傾く
・衰える
・弱る
・病気
「コロナ禍」の「禍」も使わない
新年の挨拶の中で、コロナについて触れることもあるかもしれません。
しかし「コロナ禍」の「禍」という字は「わざわい」という意味なので使わないようにします。
過度な心配よりは、新たな希望に向かえるような文面が良いでしょう。
マナーを押さえて気持ちの良いスタートを
新年の挨拶はビジネスパーソンにとって節目になるもの。気持ちよく仕事をスタートさせるためには、丁寧さ、礼儀が大事です。
頻繁にメッセージを送り合ってはいなくても、新年の挨拶をきっかけに久しぶりに連絡をもらえると心遣いやつながりを実感できてうれしいものです。
ぜひこの記事を参考に、好印象を与える挨拶をしてみてくださいね。
(三上ナナエ)
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