有酸素運動と筋トレの順番はどっちが先? 効果的な組み合わせ方
有酸素運動と筋トレの両方を行っていると、順番はどっちが先? どう組み合わせたら良い? と気になりますよね。今回は、人気YouTubeチャンネル『みおの女子トレ部』監修で、有酸素運動と筋トレの組み合わせ方や割合を目的別に解説します。
運動の目的は「ダイエットしたい」「筋肉をつけたい」「健康を維持したい」など、人それぞれ違うもの。そのため、目的に合わせたトレーニングを選ぶことが大切です。では、トレーニング内容はどのように決めたら良いのでしょうか?
実は、脂肪を燃焼する「有酸素運動」と筋肉量を増やす「筋トレ」を行う順番が、運動効果を高める重要なポイントなのです。
そこで今回は、人気YouTubeチャンネル『みおの女子トレ部』の津村美緒さんに、有酸素運動と筋トレの組み合わせ方や時間配分の割合を目的別に解説してもらいます。トレーニングで思うように結果が出ない人は参考にしてください。
有酸素運動と筋トレの関係性とは? それぞれの特徴
運動は「有酸素運動」と「筋トレ(無酸素運動)」の大きく2つに分けられます。まずは、それぞれの運動の特徴を解説します。
有酸素運動の特徴
有酸素運動は、体を動かすエネルギーを作り出す時に酸素を使うので“有酸素”運動と呼ばれています。エネルギーの材料となるのは「糖質と脂質、体についている脂肪」です。
動き始めは血液の中を流れる「糖質と脂質」が使われ、それを使い終わると体に蓄積された脂肪が使われるようになります。そのため、有酸素運動は「脂肪燃焼トレーニング」とも呼ばれることがあります。
有酸素運動は、比較的長く続けられる負荷の軽い運動で、ウォーキングやジョギング、水泳などが挙げられます。
筋トレ(無酸素運動)の特徴
筋トレは無酸素運動に分類されます。瞬発的にパワーを出す運動なので、あまり呼吸をするタイミングがなく、短い時間で筋肉を大きく使うため、“無酸素”運動だといわれています。
筋トレをした際に使われる主なエネルギーは「糖質」です。糖質は筋肉の疲労回復にも必要な要素なので、効率的に筋トレを行いたいならば過度な糖質制限はNG。食事制限をしても糖質を含む食材をしっかりとりましょう。
無酸素運動は、負荷が高めの瞬発的な運動で、短距離走やスクワットなどの筋トレ、ウエイトリフティングがあります。
有酸素運動と筋トレを組み合わせるメリット
有酸素運動と筋トレの2つの運動を組み合わせることにより、以下のような相乗効果が期待できます。
(1)脂肪燃焼効果が高まりやすくなる
筋トレで基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼する有酸素運動を行うことで、消費カロリーが引き上がります。つまり、2つの運動を組み合わせることによって、ダイエット効果を高めることが期待できるのです。
また、基礎代謝が上がることで、痩せやすく太りにくい体作りにつながります。ダイエットのリバウンド防止効果も期待できますよ。
(2)筋肉量を維持しやすくなる
有酸素運動は長時間やりすぎると、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまう可能性があります。筋肉量が少ない人が有酸素運動だけ行うと、さらに筋肉量が減少してしまう可能性があるのです。
筋肉量をキープするためには、有酸素運動に加えて筋トレを行い、筋肉量を増やすことが重要です。有酸素運動をやってもいまいちダイエット効果が出ないという人は、トレーニング内容を見直しても良いかもしれません。
有酸素運動と筋トレの順番はどうすれば良い?
有酸素運動と筋トレは組み合わせるだけでなく、行う順番が重要です。トレーニング効果を高めるには、「筋トレ→有酸素運動」の順に行うのがおすすめです。
筋トレのような激しい運動を行うと、成長ホルモンの分泌が促されます。成長ホルモンは、骨や筋肉の発達、疲労回復を早めるなどの働きがありますが、加えて中性脂肪の分解を促す作用もあるといわれています。
つまり、成長ホルモンが分泌された状態で有酸素運動を行うと、脂肪燃焼効果がより上がりやすいのです。そのため、有酸素運動の前に筋トレを行う方が効果的と言えます。
【目的別】有酸素運動と筋トレの組み合わせ方
効率的に運動をするためには、なりたい体や目的に合わせてトレーニング内容を変えることが重要です。
ここからは、YouTubeチャンネル『みおの女子トレ部』の動画を参考に、トレーニング内容の組み合わせ方を以下の目的別に解説します。
・健康維持を目的にする場合
・ダイエットを目的にする場合
・筋肉をつけることを目的にする場合
記事の下部に動画のリンクを貼っているので、さらに詳しく知りたい方は動画も併せてチェックしてくださいね。
(1)健康維持を目的にする場合
加齢と共に臓器の機能低下・筋肉の衰えが起こると、代謝が下がり、太りやすい体になります。健康的な体を維持するためには筋トレが必要です。
健康維持を目的にする人におすすめの組み合わせ方は以下の通り。
【割合】
・ストレッチ3割
・筋トレ4割
・有酸素運動3割
【目安の時間】
・1回あたり30分以上の運動
健康維持を目的にトレーニングを行う場合は、疲労感がなく、運動後に心地良い爽快感が残る程度を目安に行いましょう。健康維持のためには、トレーニングを長期間継続することが大切です。
(2)ダイエットを目的にする場合
ダイエット時における運動の役割は、1日の食事でオーバーしたカロリーを運動でしっかり消費することと、筋肉を育てて基礎代謝を上げ、痩せやすい体質作りをしていくことにあります。
以下のような配分を目安に行ってみてください。
【割合】
・ストレッチ1割
・筋トレ5割
・有酸素運動4割
【目安の時間】
・1日20〜60分程度
ダイエットを目的にトレーニングを行う場合、疲労感は残るけれど、次の日にはスッキリしているくらいが目安です。継続することが重要なので、無理をしてストレスをためないようにしましょう。
(3)筋肉をつけることを目的にする場合
筋肉をつけることが目的の場合は、有酸素運動をしなくてもOKです。
有酸素運動は買い物や散歩などの日常生活でもまかなえる上、やりすぎると、せっかく鍛えた筋肉が落ちてしまう可能性があるからです。
【割合】
・ストレッチ2割
・筋トレ7〜8割
・有酸素運動0〜1割
【目安の時間】
筋肉痛が出ていない部位であれば、毎日筋トレしても問題ありません。そして、もし強い筋肉痛が起きている場合は、48〜72時間程度はその部位を休めましょう。
筋トレを行うと筋繊維の一部が傷ついて、それを修復する際に筋肉が育ちます。この現象を超回復といい、これを繰り返すことで筋肉が大きくなったり、強くなったりするといわれています。
筋肉をつけることが目的の場合は、筋肉を全力で使い切ることがポイントです。
詳しくはYouTubeチャンネル『みおの女子トレ部』をチェックしましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=tsLWPeuDPLM
有酸素運動の適した頻度とは
では、有酸素運動を単体で見た場合はどれくらいの頻度で行うのが適正なのでしょうか。さきほどと同じように、3つの目的別に目安となる頻度と時間を紹介します。
(1)健康維持を目的にする場合
・2日に1回(もしくは3日に1回)
・30分程度
1回10分程度の短い運動を3回に分けて行うのでもOK。少しずつでも継続的に行うことが何よりも重要なので、無理のない範囲で取り組んでください。
(2)ダイエットを目的にする場合
・週に3回(できれば4、5回)
・20~60分程度
「週に何回運動すれば効果的?」というよりは、1日の中でオーバーしてしまったカロリーを消費するという考え方がポイントです。
人によって毎日運動が必要なケースもあれば、食事をコントロールしながら週2日程度の運動で十分なケースもあります。
(3)筋肉をつけることを目的にする場合
先述した通り、筋肉をつけることを目的にする場合は無理に有酸素運動を行わなくても大丈夫です。
有酸素運動をやりすぎると、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまう可能性があるので注意してください。
有酸素運動と筋トレは順番と組み合わせ方が大切
今までトレーニングを頑張っても効果が感じられなかった人は、順番や組み合わせ方、時間配分が間違っていたのかもしれません。
運動は、なりたい体や目的に合わせて正しく組み合わせていくことが大切です。理想の体を目指して、トレーニングメニューを見直してみてくださいね。
(監修:津村美緒、取材・文:#TOKYOWORKOUT)
※一部画像はイメージです
※本記事はトレーナーの見解に基づいて作成しております