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「モチベーション」とは? 意味や正しい使い方&類語

Sai

「モチベーション」の意味を説明できますか? 今回はビジネス系ライターのSaiさんが、「モチベーション」の正しい使い方について例文を用いながら紹介。言い換え表現・類語、「インセンティブとの違いは?」などポイントを押さえて解説します。

ビジネスシーンやニュースなどでよく聞く「モチベーション」という言葉。なんとなくニュアンスは分かっていても、あいまいにしか理解していない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、モチベーションの意味や使い方を例文つきで詳しく解説。

また、類語や「インセンティブ」との違いなど、言葉をより深く理解するためのポイントを紹介します。

「モチベーション」とは?

まずは、「モチベーション」の意味や語源を詳しく確認してみましょう。

『実用日本語表現辞典』によれば、「モチベーション」の意味は以下のように説明されています。

モチベーション(motivation)とは、「やる気」「意欲」「動機」などの意味で用いられる表現。主に「行動を起こす契機となる刺激や意欲」といったニュアンスで用いられる。

つまり、何かをする上での動機ややる気のことを「モチベーション」と定義することができます。

英語「motivation」を語源とするカタカナ語

「モチベーション」は、「動機」や「意欲」という意味の英単語「motivation」を語源とする外来語です。

「motivation」は動作や状態、性質などの抽象的な概念を表す抽象名詞であり、日本語の「モチベーション」も英語と同じく基本的に名詞として扱われています。

ビジネスシーンでのニュアンスは「意欲」や「やる気」

日常生活でも見聞きする機会が多い「モチベーション」ですが、ビジネスシーンでは多くの場合、「意欲」や「やる気」の意味で使われます。

組織内における業務意欲や、仕事に対してやる気を持つ・やる気を引き出すための動機づけを「モチベーション」という言葉で表しています。

「モチベーション」は2つの要素で成り立つ

行動や決断のきっかけ・活力となる「モチベーション」は、大きく2つの要素で成り立っています。

言葉の意味をより深く理解するためにも、それぞれの要素を確認してみましょう。

内発的動機づけ

内発的動機づけとは、自分の内側から意欲ややる気が生じることを指します。

ビジネスシーンだと「仕事内容に魅力を感じている」とか「自分のやりたい業務である」ことなどが内発動機に当てはまります。

自分の感情や心理が「モチベーション」となるため、行動し始めるのには時間がかかりますが、一度物事に取り組むと意欲ややる気を維持しやすい点が特徴です。

外発的動機づけ

外発的動機づけは、何らかの外因により「モチベーション」が生じることです。

例えば、「生活(お金)のために働く」とか「報奨のために仕事に取り組む」などというのは外発動機であり、外側からの働きかけによって意欲が引き出された状態となります。

外発的動機づけは、分かりやすい目標があるため短期的には「モチベーション」を高める効果が期待できます。しかし、その「モチベーション」は自発的に生じたものではないため、意欲を持続するのは簡単ではないでしょう。

「モチベーション」の使い方と例文

自ら意義を感じた場合や目的意識から意欲が発生した場合など、さまざまな場面で使える「モチベーション」という言葉。

実際に会話や文章内などで使う場合は、「モチベーションを保つ」などというように単体の名詞として使うパターンと、「モチベーションアップ」などのように他の名詞と組み合わせて熟語的に使うパターンの2種類に分けられます。

誤用を避けるためにも、例文で詳しく確認しておきましょう。

例文

・チームのモチベーションを高めることが、プロジェクトの成功につながるだろう。

・アメリカで働きたいという思いが、英語を学ぶ上でのモチベーションになっている。

・いかにして部下のモチベーションを維持するかは、リーダーが常に考えるべきことだ。

モチベーションアップの秘訣は人によって違う場合がある。

モチベーショングラフとは、これまでの人生におけるモチベーションのアップダウンをグラフ化したものだ。

「モチベーション」の類語

「モチベーション」には、状況や場面によって言い換えできる類語がいくつかあります。知っておくとビジネスシーンなどで役に立つ場合が多いため、代表的なものを確認しておきましょう。

(1)バイタリティ

「バイタリティ」は「活力に溢れた態度」という意味で、エネルギッシュな人や活動的な人などを指す時によく使う言葉です。

自分の中にある「やる気」を表す言葉であるため、内発的動機づけにより「モチベーションが上がっている状態」を「バイタリティが高い状態」と言い換えることができます。

(2)エンゲージメント

「エンゲージメント」は「約束」や「婚約」などの意味を持つ単語ですが、ビジネスシーンで使われる場合は、従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」などを表します。

例えば、「会社に貢献したい」という気持ちが従業員の業務意欲につながることを表すシーンなどでは、「モチベーションが高い」ではなく「エンゲージメントが高い」とした方が分かりやすいでしょう。

なお、顧客やユーザーのサービスや商品に対する購買や思い入れを指す場合もあります。

「モチベーション」と「インセンティブ」の違いは?

「モチベーション」と意味を混同しやすい言葉に「インセンティブ」があります。

「成果報酬」や「報奨金」など、意欲を引き出すことを目的として与えられる刺激を指す言葉のため、「モチベーション」との違いが分からない人は多いでしょう。

しかし、「インセンティブ」はあくまで金銭的な手当てや報奨などの外的要因によって与えられるものであり、自発的動機も含まれる「モチベーション」とは明確な違いがあります。

また、「インセンティブ」はあくまで動機づけであり、それ自体が「意欲」や「やる気」を意味する単語ではありません。

「モチベーション」と同じ意味で「インセンティブを保つ」や「インセンティブが向上する」などといった言い方をすることはできないので、覚えておくようにしましょう。

「モチベーション」の英語表現

「モチベーション」は元々英単語を語源とするカタカナ語であるため、英語での会話や英文で使用することも少なくありません。

海外支社や海外の取引先とのやり取り時に困らないよう、「モチベーション」の英語表現も理解しておきましょう。

「モチベーション」は、語源である名詞の「motivation」を使うか、「動機づける」という意味の動詞「motivate」を使うことでニュアンスを表現することができます。

例文

・The company decided to offer employees incentives in order to increase motivation.(その会社はモチベーションを上げるために、社員にインセンティブを与えることを決定した)

・There will be increased motivation in the team.(きっとチーム内のモチベーションが上がるだろう)

・Setting a daily goal will motivate you more and more.(日々の目標を定めることは、あなたのモチベーションをだんだんと上げてくれるでしょう)

・When he doesn’t have the motivation, he tends to make more mistakes.(彼はモチベーションが下がると、よりミスをしがちになる)

・By maintaining motivation, people will work faster and more efficiently.(モチベーションを保つことで、人々は早く効率的に仕事をするようになる)

意味やビジネスシーンでの使い方を理解しよう

職場やメディアなどで頻繁に使われる「モチベーション」という言葉。「モチベーションを上げる」とか「モチベーションを保つ」などという表現をよく見聞きするものの、実は正しい意味を知らなかったという人もいるでしょう。

ビジネスシーンにおける「モチベーション」の意味や使い方、類語や混同しやすい単語との違いなどを一度理解してしまえば、使いこなすことはそこまで難しくありません。

どんな場面でも自信を持って使えるようにしておきましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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