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「感慨深い」の意味は? 使い方と言い換え表現

aoi okamoto

「感慨深い」の意味とは? 正しい使い方と言い換え表現を解説。また、よく混同される「考え深い」との違いも紹介していきます。

「感慨深い」という言葉をよく耳にしますが、正しい意味を理解できていますか?

似たような言葉で「考え深い」という表現がありますが、今までこれと混同して使っていた人は要注意! この機会に正しい意味を覚えましょう。

 

感慨深いとは

 

物事に対してどう感じたのか、人の気持ちを表すために使われる言葉として「感慨深い」という表現があります。

「うれしい」「達成感がある」といった気持ちを、ビジネスシーンや公の場で表現したい時によく用いられるこの表現。

まずは、正しい意味を理解していきましょう。

「感慨深い」の意味

「感慨深い」とは心情を表す形容詞で、「かんがいぶかい」と読みます。

かんがい【感慨】

何かのきっかけで過去の経験など思い出し、昔をなつかしがったりよくここまで(今日まで生きて)来たものだ、などという思いにひたったりすること。

(『新明解国語辞典 第八版 小型版』三省堂)

このように「感慨」には、「心に深く、しみじみと感じること」という意味があり、物事に対して心を動かされたり、感動したりしている気持ちを表します。その気持ちが「深い」という意味で「感慨深い」が使われています。

「歓喜」や「感激」とは違い、少し控えめな表現になりますが、日本人らしい奥ゆかしさを感じさせてくれるニュアンスを持っています。

「感慨深い」はどんな気持ち?

「感慨」という言葉は、自分自身の内側からこみ上げてくる感情であり、深い心の動きを表現します。このような深い感情は簡単に感じられるものではなく、ある程度の時間や労力をかけた結果や、その先に何か感じるものがあった時に用いると適切でしょう。
「感慨深い」という言葉を用いた気持ちに至るには「時間」と「努力」がポイントになります。

例えば、たった1日で完結した物事に対して「感慨深い」という言葉を用いるのはふさわしくないと言えます。長い時間をかけて努力した人が、何かを成し遂げた時の気持ちとして使うと非常にフィットする表現です。

つまり、何かを達成した時の充実感や満足感、感動といったように内側からこみ上げてくる気持ちを表したのが「感慨深い」です。

「感慨深い」の正しい使い方

心情を表す言葉として使われる「感慨深い」ですが、どのような場面で用いられるのでしょうか。「感慨深い」の使い方を例文と一緒に見ていきましょう。

「感慨深い」の基本的な使い方と例文

「感慨深い」は心の深い部分でしみじみと感じる気持ちを表しますので、「感動」や「感激」といった表現とはニュアンスが異なります。

ですので、喜びや激励というよりは、卒業式や結婚式などのあいさつ・スピーチであったり、会社で大きな任務を成し遂げたりした時に使われます。

これまで経緯や過程を振り返った時に、しみじみと深く心に感じる様子を表現してみましょう。

例文

実際はどういった場面で使われるのでしょうか。例文をいくつか紹介します。

・厳しい環境の中でつらいことも多くありましたが、今日こうして皆さまの前でプロジェクトの完成をご報告できることに感慨深いものを感じます。

・成長した生徒達の姿を見ると、一緒に過ごしてきた日々が思い返されて感慨深いものがあります。

「感慨深い」と「考え深い」の違い

「感慨深い」と似ている読み方の言葉として「考え深い」があります。

読み方も似ていることから混同されてしまうことが多いですが、意味は異なるので正しく使い分けましょう。

「考え深い」は「考え」が「深い」という意味であり、思慮深く考えをめぐらせていることを表します。

例文

したがって、以下のような表現で用いられます。

・叔父は考え深い人だ。

・彼女は考え深い様子でその資料を見ていた。

「感慨深い」は感情を表現する時に使いますが、「考え深い」は感情ではなく「思慮」そのものが深いことを表している、と覚えればニュアンスを理解しやすいでしょう。

「感慨深い」の誤った使い方

「感慨深い」を使う際に注意したいのが、「感慨深い」は「今」起きていることに対しては使えないということです。

例えば「贈り物をいただき、感慨深くなった」というのは、「今」起きていることに対しての気持ちを表わしているので、誤った使い方になります。「感慨深い」は基本的に過去に対して使う言葉であることをしっかり理解しましょう。

ビジネスシーンにおける使い方

ではビジネスシーンにおける「感慨深い」の使い方についても掘り下げて紹介します。

シーン別の使い方

「感慨深い」が使われるビジネスシーンの代表的なものとして「スピーチや演説をする時」と「何か目標やプロジェクトを達成した時」の2つが挙げられます。それぞれのシーンでどのように「感慨深い」という言葉が用いられているのか見ていきましょう。

スピーチや演説の時

まずスピーチや演説をする場合です。何か努力してきたことが形になった時や、節目を迎えた時に、こみ上げるうれしさを伝えたいシーンで「感慨深い」を使うことによって、よりビジネスシーンらしいかしこまった表現になります。

目標やプロジェクトを達成した時

また、何か目標やプロジェクトを達成した時にも使われることが多いです。

大きな案件やプロジェクトを達成した時や、長い月日をかけて何かを成し遂げた時のうれしさも「感慨深い」という言葉を使うと、ビジネスシーンに適した丁寧な表現となります。

「感慨深い」は目上の人にも使える?

目上の人に対して「感慨深い」という言葉を使うのは失礼に当たるのでNG。あまりおすすめできません。

なぜなら、「感慨深い」はそれなりの時間と努力があってこそ使える言葉だから。つまり、目上の人に対して使ってしまうと、まるでその人のこれまでの実績や経験したことを、全て知っているかのような“上から目線”に聞こえてしまいます。

今まで積み上げてきたものを知らない部下や後輩が、上司の行動に対し「感慨深いものがあります」と言ってしまうと失礼に当たりますので十分注意しましょう。

「感慨深い」は二重表現なのか

「感慨深い」は、「頭痛が痛い」のように重複した言葉ではないかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

「感慨」の本来の意味に「深く心に感じて」というニュアンスがあるので、「深い」という言葉の重複になるのでは? といった議論です。

「深い」という意味は重なってはいますが、結論から言うと、感慨深いは重複した言葉とは言えません。

「感慨=心に深く感じること」の状態がより「深い」ことを表しているので、「感慨深い」という表現はより心の深いところで感動している様子を相手に伝えることができる表現となります。

「感慨深い」の言い換え表現

最後に「感慨深い」の言い換えや類語、英語でどのように表すのかについて紹介します。

言葉を多く知れば、表現の幅が広がります。「感慨深い」のニュアンスをより理解するためにも、覚えておきましょう。

「感慨深い」の類語

「感慨深い」の代表的な類語として、以下が挙げられます。

・感無量
・感極まる
・心に染み渡る
・余韻のある
・よき思い出になる

どの言葉も心に深く何かを感じている様子を表している言葉であり、「感慨深い」の言い換え表現として使えます。

同じ言葉ばかりを使ってしまいそうな場面では、状況に応じてこれらの言葉も使い分けましょう。ぜひ実際のビジネスシーンでも使ってみてください。

「感慨深い」を英語で言うと?

日本人らしい奥ゆかしさがある「感慨深い」という言葉ですが、英語ではどのように表されるのでしょうか。

感慨深いは英語で「impressive」と訳されます。

ですが、英語圏ではこの 「impressive」という単語は多用されているので、より特別感のある心情を表したい時には若干意味合いが異なるかもしれません。 「moving(心を動かされる)」や 「emotional(感情的になる)」といった表現も「感慨深い」気持ちを表したい時に用いると良いかもしれませんね。

正しい意味を理解しよう

 

今回は「感慨深い」の意味やビジネス上での使い方について紹介しました。

「感慨深い」の正しい意味を理解して、相手に何か感情を伝える際にはワンランク上の表現をしてみてください。あなたの気持ちが、温度感を乗せて相手に伝わるはずですよ。

(okamoto)

※画像はイメージです

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