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「精進する」の意味や使い方とは? 「邁進」との違いや類義語も解説

umi

「精進する」や「精進してまいります」という言葉は、会社やビジネスの場面においてよく使われる言葉の1つです。また、「精進料理」も有名ですよね。この記事では、言葉にまつわる記事を多く執筆してきたumiさんに、「精進」の言葉の意味や使い方について教えてもらいます。

「精進料理」や「精進する」という使い方でよく耳にする「精進」という言葉。

しかし、「精進」という言葉の正しい意味や使い方が実は曖昧であるという方も多いのではないでしょうか。

今回は、「精進」という言葉の意味や使い方、また似ているけれども少し異なる「邁進」との違いについてご紹介します。ぜひ今回の記事を参考に、正しい言葉の知識を広げていきましょう。

「精進する」の意味とは? 読み方や例文もご紹介

「精進」には、下記の意味があります。

しょうじん【精進】
(1)雑念を去り、仏道修行に専心すること。
(2)一定の期間行いを慎み身を清めること。
(3)肉食を断って菜食をすること
(4)一つのことに精神を集中して励むこと。一生懸命に努力すること。

(『デジタル大辞泉』小学館)

また、精進の読み方は「しょうじん」ですが例外的に「せいしん」と読む場合もあります。

精進という言葉には、「1つのことに精神を集中して励み、一生懸命努力すること」という意味の他にも、「肉、魚、卵などを断ち菜食すること」「一定期間行いを慎み身を清めること」という意味もあります。以下に例文を見ていきましょう。

例文

・今回のことを踏まえ、今後も日々精進してまいります。

・ありがとうございます。これからもより一層精進します。

上記は上司や目上の人から褒められた場合や、今後の意気込みを伝える場合での使い方です。一方、別の意味での精進の使い方も見ていきましょう。

例文

・精進料理は日本の伝統食である。

・精進料理を食べ、命と向き合い精神修養をする。

・精進落としとは、葬儀にまつわる料理の1つである。

上記は「肉、魚、卵などを断ち菜食すること」「一定期間行いを慎み身を清めること」という意味の精進の使い方です。

「精進料理」とは

それでは、「精進料理」についてもう少しくわしく確認していきましょう。精進料理とは、仏教の戒めに基づき殺生を避け肉、魚、卵など動物性食材を使わず、強い匂いのする食材や香辛料も使用しない料理のことです。

美食を戒めて粗食をすることで、全ての命に感謝して精神を清めるという意味合いもあります。一般的に精進料理は僧侶の修行としての食事として知られています。

また、精進が終わり最初に肉を食べることを「精進落とし」などと呼び、主に葬儀や法事の場面で使われる言葉となっています。

また、現代において精進料理は宗教に限らずベジタリアンやヴィーガンといったヘルシー志向の方々や外国人からも注目を集める日本の伝統料理です。

「精進」の使い方

続いて、精進という言葉の使い方を見ていきましょう。言葉の正しい使い方を知ることで、人前でも間違わずに使うことができますよ。

「精進する」の敬語は「精進します」

「精進する」の敬語は、「精進します」です。「精進します」は「精進する」の丁寧な敬語表現となっています。

また、「精進してまいります」という表現もビジネスシーンなどで多く使われますが「精進してまいります」の「まいります」は補助動詞なため、公用語で使用する場合は平仮名で表記するのが良いでしょう。

「精進」をよく使う場面や例文

続いて、「精進」という言葉を使う場面や例文についてご紹介していきます。実際の場面を想像しながら例文を確認することで、より言葉のイメージが付きやすくなりますよ。

着任のあいさつで使う場合

精進という言葉がよく使われる代表的な場面として、転勤や異動、出向、転任など着任時のあいさつがあります。この場合、精進は新任地や新しい役職において一生懸命に努力しますという意気込みを伝えるために使われます。以下に例文を見ていきましょう。

例文

・今年度は、室長として皆様のご期待に添えるよう精進します。

・新任地において日々精進してまいる所存です。

また、上司から褒められた場合などにも「今後も引き続き精進してまいります」と意気込みや感謝の気持ちを伝えるために使われることがあります。

お詫びや反省の言葉で使う場合

続いて、精進という言葉はお詫びや反省の言葉として使用されることがあります。相手に対してお詫びの言葉を伝えると共に、今後は同じ過ちのないよう努力しますという使い方をするのです。以下例文を確認しましょう。

例文

・この度は私の不手際により、大変ご迷惑をお掛けしました。今後は二度とこのようなことがないよう、精進してまいります。

履歴書や年賀状で使う場合

履歴書や年賀状にも精進という言葉が使われる場合があります。まず、履歴書に精進という言葉が使われる場面は就活時などに入社後の意気込みを伝えたい場合などです。

この場面では、入社後に自分がどのように会社の役に立ちたいのか、やる気や意気込みを表現するために使われます。以下例文です。

例文

・大学時代に培ってきた経験を生かし、精進してまいります。

・未経験の分野ではありますが、一日も早く仕事を覚えてお役に立てるよう精進します。

次に、年賀状において精進という言葉が使われる場合は相手に新年の抱負を伝える時です。新年を迎え、今年はこのようなことに努力します、このようなことに取り組んでいきますという意気込みや抱負を表す際に使用します。例文を見ていきましょう。

例文

・昨年は大変お世話になりました。今年も日々精進してまいります。

後輩や部下を第三者に紹介する場面で使う場合

後輩や部下を第三者に紹介する場面でも、精進という言葉は使用することができます。第三者に対して、後輩や部下の意気込みや努力していきますという気持ちを伝えるために使われます。例文を見ていきましょう。

例文

・部下の〇〇です。彼もこれから新しい部署で一生懸命精進しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「精進」と「邁進」の違いや類語は?

次に、「精進」と「邁進」の違いや精進の類義語についてご紹介します。

「精進」と「邁進」の違い

「精進」とよく似た言葉に、「邁進」という言葉があります。精進が「一つのことに精神を集中して励むこと」であるのに対し、邁進は「恐れることなく突き進むこと」「真っ直ぐに突き進むこと」を意味します。

つまり、精進が何かの物事に対して集中して努力しながらコツコツと励むことであるのに対し、邁進は勢いを持ってどんどん前に進んでいくこと、というように言葉の意味に若干の違いがあります。

似ている言葉ですが、言葉のニュアンスが若干異なる言葉同士のため注意が必要です。ちなみに、邁進は「まいしん」と読み「まんしん」ではないのでこちらも注意しましょう。

「精進」の類義語

「精進」の類語には他にどのような言葉があるでしょうか。類語を知ることで、より言葉のイメージを深めることができますよ。

熱心

「精進」の類語には、「熱心」という言葉があります。「ある物事に深く心を打ち込むこと。また、そのさま」を意味しています。ひたすらにコツコツと努力する、という点が「精進」と「熱心」の2つの言葉の共通点です。

一生懸命

「一生懸命」も「精進」の類語です。物事に一身に集中して取り組む様子を表しています。

ひた向き

「ひた向き」は、「一つの物事だけに心を向けているさま」「忍耐強く、いちずに打ち込むさま」という意味があります。前述した一生懸命と同じく、物事に向かって打ち込む点が精進と似ています。

尽力する

「尽力する」とは、「力を尽くすこと」「持っている力を全て注ぎ込むこと」を意味しています。目標のために一生懸命に、最大限の力を注ぎ込むことであり、精進とよく似た言葉の1つです。

励む

「励む」とは、「気持ちを奮い起こして物事をすること、心を打ち込んで努めること、精を出すこと」を意味しています。

「精進」を正しく使えるようになろう

今回は「精進する」の意味や使い方、類語や例文についてご紹介してきました。新年度や新任地でのあいさつから、謝罪や履歴書など幅広い場面で使われることの多い「精進する」という言葉は、ぜひ正しく覚えて使えるようにしておきましょう。

今回の例文や実際に「精進する」という言葉が使われる場面などもぜひ参考にしてください。

(umi)

※画像はイメージです

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