お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「終日」とは何時から何時まで? 意味や正しい使い方を解説

さおり

仕事やプライベートでも、何気なく使う「終日」。具体的には何時から何時までなのでしょうか? 「終日」の正しい意味と使い方について、会社員経験の長いライターのさおりさんに解説していただきました。

「終日不在」や「終日営業中」など、日常でよく見聞きする「終日」。「丸一日と一緒だろう」となんとなく認識し、使う方も多いのではないでしょうか。

実は「終日」は、場面によって意味や解釈が変わるのです。今回は「終日」の意味や使い方、注意点を紹介します。

最後まで読むと、今後は自信を持って正しく使えるようになりますよ。

「終日」とは? 意味や読み方

仕事の場面でよく登場する「終日」。具体的にはいつを指すのでしょうか? まずは言葉の意味や読み方を解説します。

「終日」とは「朝から晩までの間」を指す

結論をお伝えすると、「終日」の意味は「朝から晩まで」です。字を見た通りの意味となっており、「日が昇る朝から日が沈む晩まで」を示しています。

つまり、1日のうち太陽が出ている屋外が明るい時間帯のイメージです。具体的に何時までといった制限はありません。

「終日」にはさまざまな読み方がある

「終日」には複数の読み方があるのです。一般的に「しゅうじつ」と読みますが、他には「ひねもす」「ひもすがら」などの読み方もできます。

ちなみに、この2つの読みをパソコンで入力して漢字へ変換すると、きちんと変換されますよ。

現在ではあまり馴染みのない読み方ですが、平安時代から同様の意味で使用していました。日本の古くから使われていた、歴史ある言葉だったのです。

「終日」の類義語や言い換え

終日と同様の意味を持つ類義語にはどのような言葉があるのでしょうか? 参考までに、同じ意味で言い換えられる語句を以下にピックアップしてみました。

四六時中

読み方は「しろくじちゅう」です。語意は「一日のうち、ずっと」や「いつも」です。身近でよく聞く言葉のため、誰でも会話の中で自然と使っています。

ですが「四六時中」がなぜ「いつも」なのか、漢字からはピンとこない方もいるのではないでしょうか。

実は、この「四六時中」の「四」と「六」は、かけ算から由来しています。4×6は24。つまり「24時間」で「いつも」なのです。

会話の中では「四六時中ゲームをしている」や「四六時中考えてしまう」などの使い方をします。「いつも」や「ずっと」をより強調したい時に使います。

一日中

読み方は「いちにちじゅう」です。文字のごとく意味は「丸一日」です。同様の意味なのも、文字を見て納得できますよね。会話や文章では「一日中勉強すれば」「一日中を仕事する予定」などの使い方ができます。

しかし、寝ている時は当然ながら活動できないため「起きて活動している間」という意味です。

日の出から日没まで

読み方は「ひのでからにちぼつまで」です。読んで字のごとく、意味語意は「日が出た時から日が沈む時まで」です。

「終日」は使う場面によって変わる!

前述した通り、同様の語句は多く存在します。

ですが場面によって若干解釈が変わることもあります。この違いを知っていれば、普段の生活や仕事の場面で迷うことや相手とのすれ違いが減ります。

以下では、解釈が異なる具体例を紹介します。

会社やお店の「終日」は営業時間を指す

「終日」は時間の制限はありません。ですが、会社やお店で「終日」と言っている時は例外。そのほとんどが「営業している時間」を指しています。

仕事の場面では就業時間

よく会社内や、取引先との電話やメールで「今日は終日出張で不在です」「明後日なら終日対応可能です」などと伝えられます。

その時に「いつ頃までなのだろう?」「終日ってことは、朝から晩まで大丈夫ってこと?」と判断に困ってしまう人や、ふと疑問に感じる人もいるでしょう。

会社内の会話や、取引先との場面でこの言葉が登場したならば、基本的に「就業時間内は」と解釈すればいいでしょう。

もし「早朝から晩まで大丈夫」と真に受けて対応してしまうと、「常識がない人だ」と相手から思われるかもしれませんので、気を付けましょう。

お店の「終日営業」は「24時間」

スーパーや飲食店などのお店の広告やチラシで見かける「終日営業」の文字。これは基本的に「24時間営業」と同じです。例えばコンビニエンスストアやファミリーレストランなど、営業時間の定めがないお店のことを指しています。

対照的に、普段は定められた時間で営業しているお店なら、その多くは「開店から閉店」を指しています。とはいっても、お店側の解釈にもよりますので、お店に問い合わせて確認する方が確実です。

「終日禁煙」は「営業時間内」を指す

「終日禁煙」のチラシや看板を見た時に「いつまで禁煙なのだろう?」と疑問に感じる人もいるでしょう。

この場合は、対象の場所の「営業中の時間」です。「営業している時間は禁煙でお願いします」と認識すれば良いでしょう。

プライベートでの「終日」は朝から晩までの時間

何気ない会話や文章で「終日、絵を描いて過ごした」などと使う場面があります。こうしたプライベートな出来事を説明する時の場合の解釈は「起きてから寝るまでの間」です。

朝起きる時から、寝る晩までの間に行う活動、と解釈するようにしましょう。

「終日」の正しい使い方と注意点

終日が状況別に解釈が異なることが分かりました。しかし、自分だけ理解していても、周りは知らないといったことも考えられます。

その場合、コミュニケーションにおいてトラブルが起こる可能性も考えられます。

そこで以下では、「終日」を日常で使いこなすための注意点や知っておきたいことをまとめました。

相手と自分の「終日」が合っているとは限らない

コミュニケーションの場で使う時、注意したいのは「相手と自分の認識が合っているか」に気を配ることです。

例えば取引先とのアポ取りや、面接の日程調整などの場面で「終日可能」と伝えられた時。その場合は「就業時間」を指しますが、念のため「相手の就業時間」を聞くと安心です。

つい無意識のうちに「自分の勤務時間と同じくらいの時間帯だろう」と思ってしまうかもしれませんが、実際は相手との認識が違うかもしれません。

お互いのためにも、心配なら自分から確認して認識に齟齬が出ないようにしましょう。

「終日」と「全日」は似ているようで違う

「終日」と「全日」はよく間違えやすい語句です。「文字を見た感じ同じ意味じゃないの?」と思うかもしれません。

ですが、少し異なるのは「全日」は「毎日」「全ての日」を指している点です。単体の日ではなく「連続した日数」を表す言葉なのです。

例を挙げると「全日営業します」の場合は「この先休みなく営業します」と解釈します。

つまり、対象の日が「連続した日なのか」によって「終日」と「全日」を使い分けるのです。混同には気を付けましょう。

正しく「終日」を理解し使いこなそう

言葉の意味や類義語、日常での使い方やコミュニケーション上での注意点まで、くわしく解説しました。

曖昧だった語句の意味が分かると、自信を持って使いこなせます。また、自分が意識して気を付けるだけでも、周りの仕事のトラブルやミスを防ぐこともできますよね。

日常の場面によって意味合いが微妙に異なるのを気に留めて、周りと円滑なコミュニケーションを心掛けましょう。

(さおり)

※画像はイメージです

 

SHARE