「ご確認」はどう使う? 意味や使い方のポイント(例文付き)
「ご確認をお願いします」「ご確認ください」など、ビジネスシーンでよく使う「ご確認」というフレーズ。やみくもに使っていませんか? よく似た言葉に「ご査収」もあります。改めて「ご確認」の意味や使い方をおさらいし、正しく使えるようマスターしましょう。
ビジネスシーンでもよく使う「ご確認」というフレーズ。
「ご確認」には「ご査収」など、似ている言葉もありますが、その違いを正しく理解できていますか?
今回は「ご確認」の意味と正しい使い方を紹介します。改めて意味や使い方を学び、ビジネスシーンで自信を持って使えるよう、マスターしましょう。
「ご確認」の意味
ここでは「ご確認」の意味を紹介します。
「確認」とは「認めること、確かめること」
まずは、「確認」という言葉の意味を改めておさらいしましょう。
かくにん【確認】
(1)たしかにそうだと認めること。また、はっきりたしかめること。
(2)[法]特定の事実または法律関係の存否を行政庁が判断認定すること。確認行為。当選人の決定、恩給権などがその例。
(『広辞苑 第五版』岩波書店)
基本的に日常で使う「確認」は(1)の意味にあたります。
つまり「確認」とは、「その物事について認めること、確かめこと」という意味であることが分かります。
相手の動作に「ご」を付けて敬意を表した「ご確認」
ビジネスメールなどでよく使う「ご確認ください」「ご確認のほど」などの「ご確認」は、「確認」という相手の動作に対して「ご」を付け、敬意を表しています。
相手に対して物事をはっきりと認めてもらうこと、確かめることといったニュアンスとなります。
「ご確認」はそれ自体が丁寧な表現なので、目上の人やビジネスシーンにおいても使用できるのが特徴です。
言い回し別:「ご確認」の使い方(例文付き)
前述の通り、「ご確認」は相手に認めてもらったり、確かめてもらったりする時に使用します。
ここでは「ご確認」の使い方を、言い回し別に紹介します。
「ご確認ください」
ビジネスシーンでもよく使用される基本的な使い方は「ご確認ください」です。
以下のような使い方があります。
例文
・手元の資料をご確認ください。
・出欠希望は本日までです。ご確認ください。
・記入漏れがないか、再度ご確認ください。
「ご確認のほど」
前述した「ご確認ください」の場合、中には命令口調に感じる人もいます。
「ご確認」に「〜のほど」を付け加えることで、柔らかい印象を与えられます。
相手に確認してもらう時に、強制的な言い回しではない表現をしたい場合に使うと良いでしょう。
例文
・お手数ですが、ご確認のほどお願い申し上げます。
・メールに資料を添付いたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
「ご確認お願いいたします」
上記の「〜のほど」を省いて、「ご確認お願いいたします」という表現もできます。
「お願い」することにより、「ご確認ください」よりも強制的な響きはなく、丁寧な印象を与えられるのが特徴です。
例文
・お手隙で、資料のご確認お願いいたします。
「ご確認の上」
「〜の上」には「〜した結果」「〜したのち」「〜に基づいて」という意味があります。
そのため、「ご確認の上」は、内容確認後の行動をお願いする時に使います。
例文
・契約書をご確認の上、サインをお願いいたします。
・記載内容をご確認の上、期日までにお返事をお願いいたします。
「ご確認」の間違った使い方・正しい使い方
ここでは「ご確認」の間違った使い方、正しい使い方を紹介します。
間違った使い方例
まず、間違った使い方の例は以下の通りです。
・ご確認になられる
・ご確認される
・ご確認してくださる
・ご確認してください
・ご確認していただく
正しい使い方例
正しい使い方の例は以下の通りです。
・ご確認になる
・ご確認なさる
・ご確認くださる
・ご確認いただく
「ご確認」と似た表現
最後に、「ご確認」とよく似た表現を紹介します。
似ているようでニュアンスが異なる部分もあるので、それぞれの意味を理解し、正しい場面で使い分けましょう。
「ご査収」
「ご査収(ごさしゅう)」とは、「中身をよく確認した上で受け取ること」を意味します。
「ご査収」は、確認する物があった上で、相手によく調べて受け取ってもらいたい場面(重要な書類・金銭・物を送るなど)で使います。この点が「ご確認」と異なります。
そのため、添付資料や確認物がない時の連絡の場合には「ご査収」をむやみに多用しないよう気をつけましょう。
例文
・資料を送付いたしましたので、ご査収ください。
・ご注文の品を発送いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
「ご査収」についての詳しい記事はこちらをチェック!
「ご一読」
「ご一読(ごいちどく)」とは、「一度読むこと、一通り読むこと」という意味です。
確認はするけれども、内容をさらっと把握する程度の場合は「ご一読」を使用します。相手にとってあまり重要ではないかもしれない情報の時によく使用されます。
しかし、中には重要であっても謙遜して「ご一読」と表現される時もあるため、受け取った側はしっかりと内容を確認しましょう。
例文
・イベント内容を記載しておりますので、ぜひご一読ください。
・資料を添付しておりますので、ご一読願います。
「ご高覧」
「ご高覧(ごこうらん)」は、「他人が見ること」の尊敬語です。
目を通してほしいぐらいのニュアンスなので、絶対に確認してほしい、調べてほしい場合はあまり使用しません。
「お知らせ」に近い意味があるため、社内だけでなく展示会などの案内状にも「ご高覧ください」と使用されます。
例文
・ご高覧いただき、ありがとうございました。
・ご高覧いただけますと、幸いです。
「ご高覧」についての詳しい記事はこちらをチェック!
「お目通し」
ビジネスシーンでよく使用される「お目通し」という言葉。「全体を一通り見ること」という意味です。最初から最後まで目を通してもらいたい時に使用します。
ただし、時間をかけてじっくり見てもらうのではなく、「短時間でさっと目を通してもらいたい時にのみ使用する言葉」と考えてください。
簡単な案内状や資料を見てもらいたい時に使用すると良いでしょう。
例文
・お目通しいただけますよう、お願い申し上げます。
・お目通しありがとうございます。
・お目通しのほど、よろしくお願いいたします。
「ご確認」を使う場合は相手や状況に合わせよう
普段からよく見聞きする「ご確認」という言葉。よく使う言葉だからこそ正しい意味を理解する必要があります。
「ご確認」は、ビジネスシーンで使用する頻度が多く、似た言い回しも多いので、相手や状況に合わせた使い方をしてみてくださいね。
(黒木美沙)
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