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連発しがちな「お世話になります」の本来の意味とは? 正しい使い方を紹介

高岡よしみ(ビジネスマナー講師)

「お世話になります」は普段何気なく使っている言葉だけど、正しく使えているか不安。そんな人も多いのではないでしょうか? 今回は「お世話になります」の意味や使い方、例文を解説します。

「お世話になります」はビジネスシーンではよく使用される言葉です。

電話の最初のあいさつとしての「お世話になっております」は、あまりにも頻繁に使用されている言い回しなので、意味を考えずとりあえず使っているという人が大多数ではないでしょうか。

今回は普段、皆さんが何となく使用している「お世話になります」について掘り下げて解説していきます。

「お世話になります」の意味

「お世話」の意味は、以下の通りです。

(1)面倒を見ること、尽力すること
(2)間に立ってあっせんすること、関係を取り持つこと

(1)の意味だと、「世話が焼ける」「世話が掛かる」などと使います。

ビジネスシーンでは2つ目の意味で使うことが多く、「関係を取り持っていただきありがとうございます」といった感謝が込められています。

「お世話になります」の使い方や注意点

「お世話になります」は、対面時にはもちろん、電話、メール、オンライン会議などさまざまなシーンで使える言葉です。

ここでは、「お世話になります」の使い方や注意点を紹介します。

基本的には「すでにやり取りがある相手」に対して使う

「お世話になります」がビジネスシーンで用いられる場合、前述の通り「関係を取り持っていただいてありがとうございます」という意味であることがほとんどなので、すでにやり取りのある顧客や取引先に対して使う言葉です。

そのため、今まで取引がない、初めて接する相手には「はじめまして」など、初対面用の常とう句を使うのが適切といえます。

なお、「お世話になります」はお世話になる側、面倒を見てもらう側だけが使う言葉ではありません。

たとえ自分の方が目上の立場であったとしても「こちらこそお世話になっております」などの丁寧なあいさつを心掛けましょう。

すでに取引のある会社であれば担当者が変わった場合にも使える

初対面であっても、会社同士ですでに取引があり、退職や異動などで先方の担当者が変わるような場合なら「お世話になります」を使います。

まだ本格的な取引はしていないけど、新規取引が決定した後で先方の担当者が変わる、という場合でも、すでに関係は結ばれているので「お世話になります」を使うことができます。

社内でのあいさつには不適切

「お世話になります」という言葉は、社外に向けて使われる言葉です。

そのため、自分の直属の上司や部下、同僚などの社内コミュニケーションでは「お疲れさまです」を使うのが一般的でしょう。

「お世話になります」と「お世話になっております」の違いとは?

「お世話になっております」は、「お世話になります」の語尾を変化させた言葉です。

「お世話になります」は、「(今後)お世話になります」ということを表現しているのに対し、「お世話になっております」は、「(いつも・すでに)お世話になっております」という、日頃から関係性があることを表しています。

このように「お世話になります」は語尾を変えたり、「平素より」「いつも」「大変」などを加えたりと、さまざまな言い回しができる言葉です。

「お世話になります」と言われたらどう返事をする?

「お世話になります」は前述の通り、「ビジネスの関係を持っていただきありがとうございます」、「面倒を見ていただきありがとうございます」など感謝を示す表現なので、言われた場合には、感謝の意を表す返事をします。

例としては、以下のような返事があります。

「いつもありがとうございます」「こちらこそ、いつも大変お世話になっております」

いずれの表現も、目上の人やお取引先に対しても使うことのできる丁寧な返事です。

「お世話になります」に対して、略した形である「こちらこそ」のみの返事は丁寧さに欠けるため、使うのは控えましょう。

「日頃のご愛顧に感謝申し上げます」「いつもお引き立ていただきありがとうございます」

どちらも取引先や顧客などに使うのに適したフレーズです。

「お引き立て」の場合、取引規模や期間に関係なく、一度だけの取引実績しかない相手やまだ取引のない相手であっても、「お引き立て」という表現を使うことで敬意や感謝の意を示すことができます。

「お世話になります」の言い換え表現

汎用性が高い「お世話になります」という言葉ですが、このフレーズばかり連発しないように、シーンに適したあいさつを使えるようになれるといいですね。

ここでは、シーン別での言い換え表現をご紹介します。

「いつもご愛顧いただきありがとうございます」

「お世話になります」は「関係を取り持っていただきありがとうございます」という意味を持ち、汎用性が高い表現ですが、一方で具体性に少し欠ける表現です。

ビジネス上の取引などがある場合には、日頃、良くしてもらっていることに対して「ご愛願いただきありがとうございます」のように具体的に感謝の意を表すと良いでしょう。

「大変ご無沙汰しております」

長らく連絡を取り合っていない相手の場合は、「お世話になります」よりも「大変ご無沙汰しております」から始めると、相手もお互いの関係性を再認識できるので効果的でしょう。

場面に合わせたあいさつは印象アップにつながる

「お世話になります」という表現はビジネス上よく使われる言葉ですが、相手が全くの初対面なのか、継続して取引があるのかによって表現が変わってくることが分かっていただけたかと思います。

また「お世話になります」の返事の仕方や言い換え表現なども、覚えておくと役に立つかもしれません。

場面に合わせたあいさつができると、相手に「礼儀をわきまえた人」「常識人」という印象を与えることができ、ビジネス上の良好な関係を築くことに一役買ってくれるでしょう。

使い方をしっかりと覚えて相手への印象アップを目指しましょう。

(高岡よしみ)

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