お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「エゴサ」の意味とは? 語源や使い方を解説【ネットスラング大辞典】

落合正和(WEBメディア評論家・マーケティングコンサルタント)

芸能人が「エゴサ」や「エゴサーチ」という言葉を使っているのを見聞きしたことはありませんか? エゴサとは、検索エンジンやtwitterなどのSNSで「自分の名前などを調べる行為」を指します。よく「自分が検索すること」をエゴサと呼ぶ人もいますが、それは誤用です。今回は「エゴサ」について解説します。

インターネットで利用される「ネットスラング」とは、SNSや電子掲示板などで発生し、使用される俗語のことです。

ネットスラングの中には、インターネットを飛び出して口語として利用されるようになるものもあります。

今回は、SNSなどで多く見かける「エゴサ」の意味を紹介していきます。

「エゴサ」の意味や誤用事例

「エゴサ」は、SNSや掲示板サイトなどインターネット上で発祥した言語表現、「ネットスラング(ネット用語)」の1つです。

テレビやSNSなどでも頻繁に耳にする言葉で、多くの人に浸透していますが、間違って使われているケースも多いようです。まずはその意味についてお伝えしていきましょう。

エゴサーチとは「ネット上などで自らの評価、評判を確認する行為」

「エゴサ」とは「エゴサーチ」の略語であり、検索エンジンやSNSなどを使用し、自分の名前や芸名、ハンドルネームなどを検索することで、自らの評価、評判をチェックする行為のことを言います。

同様に企業や商店などが自社の名前や店名、商品名などで検索する行為も「エゴサ」「エゴサーチ」と呼ばれています。

「自分で検索すること」は「エゴサ」ではない

最近では「エゴサ」が本来の意味と異なり、誤用されているケースも多々見られます。

「グラタンのレシピをエゴサしてみた」といったように、

「エゴサ=自分で検索すること」

という誤った認識での使用例を、SNSなどでかなり頻繁に見かけます。

「エゴサ」とは、自分で検索することではなく、インターネット上で自分や自分に関連する物事について検索し、その評価、評判を確認することを表します。

これは、次の語源を知ることでより理解しやすくなるはずです。

エゴサーチのやり方

Googleなどの検索エンジンや、Twitter、インスタグラムなどのSNSでエゴサーチする方法はいたって簡単。

自分や自社の名前やアカウント名など、検索したいワードを打ち込むだけです。

「エゴサ」の語源とは?

冒頭でも述べた通り、「エゴサ」とは「エゴサーチ」の略語です。

「エゴサーチ」は、

・ラテン語の「ego(エゴ)」=「自己」「自我」を表す言葉

・英語の「search(サーチ)」=「検索」「調査」を表す言葉

この2つの言葉が組み合わさってできたネットスラングです。

つまり「自分検索」「自己検索」を指します。

海外では同様の意味で、「egosurfing(エゴサーフィン)」が使われることが多いようです。

対義語はパブリックサーチ? エゴサとの違い

パブリックサーチとは、public(公共)search(検索)のこと。

つまり、「他者に関する情報をインターネット上などで検索する行為」を指します。

エゴサーチは自分に関する情報を検索する行為なので、他者を検索するパブリックサーチとは対義語であるといえるでしょう。

「エゴサ」の使い方(例文付き)

一般的な「エゴサ」の使い方を見てみましょう。

・「他人の評価が気になってエゴサばかりしてしまう」(他人の評価が気になって自分検索ばかりしてしまう)

・「消費者の意見を吸い上げるため、定期的に商品名をエゴサーチしよう」(消費者の意見を吸い上げるため、定期的に自社の商品名を検索して評価、評判を調べよう)

・「エゴサしたら悪口ばかりで傷ついた」(自分の名前を検索したら悪口ばかりで傷ついた)

このように自分や自分に関連する物事について検索する時に「エゴサ」「エゴサーチ」と使います。

かつてはその語感や「自意識過剰」というイメージから、「エゴサ」はネガティブな印象を持たれやすい行為でした。

しかしながら、スマートフォンやSNSの普及により、誰もが発信・受信する時代になったことで、「エゴサ」は一般的な行為となり、今では誰もが「エゴサ」により自分の評価、評判を確認する時代となっています。

ビジネスの場においてはマーケティングリサーチやリスクマネジメントという観点からも、「エゴサ」が利用されています。

エゴサーチにはメリットもあるが、適度な距離感で向き合うことが大切

誰しもが他人からの評価、評判は気になるもの。

SNSが普及した現代においてはなおさらのことで、「エゴサ」をしていることを公言する芸能人・有名人も数多く存在します。

「多くの人々に名の知られた人が行うもの」というイメージが強い「エゴサ」ですが、一般人であっても、SNSのハンドルネームや自分の運用するブログのタイトルなどで「エゴサ」したりするケースは多々あります。

「何か書かれているのではないか?」と不安になって自分の名前などを検索したことのある人も少なくないでしょう。

消費者の本音を確認したり、思わぬ個人情報の流出や、なりすましを発見したりと、多くのメリットもあります。

しかし、インターネット上にはさまざまな意見を持つ人々が存在しており、SNSや電子掲示板には、匿名で気軽な発信が可能なサービスも多いです。

そのため、「エゴサ」によりうれしい評価、好意的な意見を発見することもあれば、厳しい評価や誹謗中傷を見かけることもあるため、他者の評価を過度に気にする人などにとっては、心を傷つけ、疲弊させてしまう要因にもなりかねません。

「エゴサーチ」という行為とは、適度な距離感も必要だということを認識して向き合うことが大切です。

(落合正和)

※画像はイメージです

SHARE