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5分でできる「肩こり解消ストレッチ」3選

Hiromi(パーソナルトレーナー/理学療法士)

デスクワークなど、ずっと同じ姿勢が続くと肩がガチガチに凝ってしまいますよね。そんな肩こり解消に効果的なストレッチについてトレーナーのhiromiさんに教えていただきました! 全てちょっとしたすき間時間でできる簡単なものばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。

肩がバキバキに凝っていたり重く感じたりするのは、デスクワークの方によくあるお悩みですよね。

肩こりの原因の1つにずっと同じ姿勢であることが挙げられます。ほんの少しの時間、ストレッチで肩を伸ばしてあげるだけでも肩周りがスッキリしますよ。

今回は、肩こりを招くNG習慣や仕事の合間にもできる簡単ストレッチをご紹介していきます。

肩こりとは。どんな状態?

そもそも肩こりとは何なのでしょうか。肩こりについて明確な定義付けはなされていませんが、一般的に、首筋や首の付け根から肩甲骨あたりの背中にかけての筋肉の緊張感や疲労感・不快感・違和感・鈍い痛みなどの症状を「肩こり」と言います。

肩こりには、大きく分けて2種類あります。

1.肩や首に問題がある、もしくは肩・首以外の場所の病気などから起こる肩こり

2.僧帽筋(首の付け根から背中にかけて広がる筋肉)、肩甲挙筋(首の付け根から肩甲骨につながる筋肉)、菱形筋(左右の肩甲骨の間にある筋肉)等の筋肉の疲労などから起こる肩こり

肩こりの多くは(2.)のパターンで、これらは姿勢や運動習慣の改善やストレッチなどで解消することができます。

肩こりの原因となるNG習慣

肩こりの原因となるNG習慣を具体的にご紹介していきます。これらの習慣を改善するだけでも肩こり解消につながるので意識してみましょう。

(1)猫背や前かがみ、頭が前に出た姿勢になる

体にとって良い姿勢とは、簡単にいうと骨盤から頭が一直線上にある状態です。良い姿勢だと首筋から肩にかけての筋肉にはそれほど力は入りません。

反対に、頭が前に出ていると首筋から肩にかけての筋肉に力が入ります。この姿勢はデスクワークで集中している時やスマートフォンを見ている時になりやすいでしょう。

まずは気付いた時だけでもいいので、骨盤から頭が一直線になるように「姿勢を整える癖」を付けていきましょう。また、姿勢が悪くなる原因は筋肉の硬さともいわれているのでストレッチも一緒に行って姿勢改善を図りましょう。

(2)長時間同じ姿勢でいる

良い姿勢を心がけていても、長時間同じ姿勢をとり続けると筋肉が緊張して肩が凝りやすくなります。悪い姿勢だとなおさらです。

こまめに立ち上がって休憩をする時間を設けたり、たまには姿勢を崩したりするなどしてみましょう。

集中してしまうとついついずっと同じ姿勢でいてしまうという人は、30分ごとにタイマーをかけて音が鳴ったらストレッチをするなど工夫してみてください。

(3)精神的なストレスを感じている

肩こりは筋肉の血行が悪くなることでも起こりますが、精神的なストレスによって「僧帽筋の血流量が減った」という研究結果があります。実際のところ、ストレスによって肩こりが生じやすくなるのか、肩こりが生じることでストレスに転じるのか詳しくは分かっていませんが、肩こりと精神的なストレスは関連性があるといわれています。

人が生きていく上でストレスは避けて通れないものです。自分にとって良いストレス解消法を見つけておきましょう。

例えば呼吸法トレーニングやエクササイズを行うこと、自然と触れ合うことなどが効果的だといわれています。特にストレッチは運動が苦手な方でも取り入れやすいのでおすすめです。

(4)運動不足

運動不足も肩こりの原因の1つです。運動することで筋肉が伸びたり縮んだりして血流が促されますが、運動をしないと筋肉が固まったままになってしまいます。激しい運動が苦手な方は、まずはほんの数秒でもいいのでストレッチを習慣的に行ってみましょう。

(5)冷房の効きすぎた部屋にいる

寒い状態だと筋肉は縮みやすくなります。デスクワークやリモートワークが増えている昨今では冷房の効いた部屋で生活する時間も増えることでしょう。そんな時はできるだけ室温を下げ過ぎないようにしたり、カーディガンを羽織るなどして寒過ぎる状態が続かないようにしたりしましょう。

また、冷房をつけた部屋ではどうしても体が冷えやすいので、ストレッチで体を動かすことで体内の温度を上げるのもおすすめです。

簡単にできる肩こり解消ストレッチ

ここからは、硬くなりやすい筋肉を伸ばすストレッチを3パターンに分けてご紹介します。椅子に座って行うものや、寝たまま行えるもの、お風呂の後にタオルを使ってできるものなど、すき間時間に取り入れやすいものばかりですよ。

椅子に座ってできる肩こり解消ストレッチ

まずは椅子に座りながら仕事中にも取り入れられるストレッチから紹介していきます。

首筋を伸ばすストレッチ

肩こり解消ストレッチ1

顎を引いて下を向きます。

肩こり解消ストレッチ2

写真のように右側へ首を傾げます。

肩こり解消ストレッチ3

右手で頭の後ろの方を押さえて、右斜め下方向へ押します。目線は左斜め下方向を見つめるようにしてください。

肩こり解消ストレッチ4

頭を真下へ押したり、左の肩が前方にあったりするままだと首筋がうまく伸びません。

左の肩を後ろへ引いて指先は床方向へ引っ張るような意識で軽く力を入れましょう。その姿勢で深呼吸をしながら約30秒キープします。

左の首の付け根から左の肩甲骨の上まで(写真のピンクの部分)が伸びていると感じればOKです。

肩甲骨を内側へ動かすストレッチ

肩こり解消ストレッチ6

椅子に浅く腰掛けます。

肩こり解消ストレッチ7

お尻の後方に両手をつき、肘の内側が外へ向くように腕をゆっくりと回しましょう。

肩こり解消ストレッチ8

両手で椅子をプッシュして胸を斜め上に突き出すようにしてください。その時、目線も斜め上を見るようにしましょう。

次に肩甲骨を内側に寄せるイメージで軽く力を入れます。その姿勢のまま深呼吸をして約30秒キープします。胸の前に空気を入れ込むイメージで息を吸うと良いでしょう。

肩こり解消ストレッチ9

写真のピンクの部分に力を入れるとOKです。

寝ながらできる肩こり解消ストレッチ

続いて、ベッドの上などで寝ながらできる肩こり解消ストレッチを紹介していきます。

胸を伸ばすストレッチ

肩こり解消ストレッチ10

仰向けに寝た状態で両手を横に広げます。次に左膝を曲げた状態で体の右側へ膝を倒します。その時、左膝から足先は床についてOKです。

肩こり解消ストレッチ11

右側へ上半身を傾けながら、写真のように左腕を上の方に上の方に少し引っ張るようなイメージで伸ばします。特に小指を遠くへ伸ばすように意識すると良いでしょう。

この時、左の肩甲骨は床から少し離れてもOKです。その姿勢のまま深呼吸して約30秒キープしましょう。左胸が伸びているように感じられればOKです。

肩こり解消ストレッチ12

目線は真上ではなく右側へ向け、腕だけを左上へ引っ張るようにしてください。

反対側も同じように行いましょう。

タオルを使った肩こり解消ストレッチ

最後に、タオルなどのアイテムを使った肩こり解消ストレッチ方法をみていきましょう

脇下を伸ばすストレッチ

肩こり解消ストレッチ14

肩幅に足を開いて立ちます。両手でタオルを肩幅の2倍程度の幅で持ち、万歳をしましょう。この時、両手で左右に軽く引っ張り合ってタオルをピンと伸ばすようにします。

肩こり解消ストレッチ15

そのままタオルを左へ傾けていき、右肘が足幅中心の真上に来た位置で両肘を軽く曲げてキープします。次に、そのまま右肘を真上にプッシュしましょう。右脇下(写真のピンク色の部分)が伸びているように感じられればOKです。

肩こり解消ストレッチ16

お尻が横にずれるのはNGです。お尻の位置はできるだけ直立した時のままキープしましょう。

肩こり解消ストレッチ17

また、胸の重心が横に倒れるのもNGです。できるだけ胸の重心は足幅中心の真上のまま行ってください。両足の裏にかかる体重が左右均等になるように意識すると体をうまく伸ばせますよ。

肩こり解消のためストレッチを取り入れて

肩こりを解消するには、少しずつでもストレッチのような運動習慣を取り入れることが大切です。今回ご紹介したストレッチは全て日常生活の動きの中に取り入れやすいものばかり。ぜひ仕事や家事の合間に行って、肩こりを解消していきましょう。

(文・撮影:hiromi)

■参考文献

・井樋栄二 : 標準整形外科学第11版. 医学書院. 2011

・竹井 仁 : 認定医-指導医のためのレビュー・オピニオン姿勢の評価と治療アプローチ. 脊髄外科(27)2. 2013

・中村 賢治 : 精神的ストレスが僧帽筋内のヘモグロビン動態に及ぼす影響. 産業衛生学雑誌(49)6. 2007

・森本 昌宏 : 〈総説〉肩こりの臨床–適切な診断と治療のために. 近畿大学医学会(35)3. 2010

・鈴木祐 : 超ストレス解消法 イライラが一瞬で消る100の科学的メソッド. 鉄人社. 2018

・橘内 勇 : 大学生における猫背、腰痛・肩凝りの発現率とその対策についての調査. 北海道大学大学院教育学研究院紀要(104). 2008

・中村 和弘 : Central efferent pathways for cold-defensive and febrile shivering. The Journal of Physiology(589)14. 2011

・永松 俊哉 : 低強度・短時間のストレッチ運動が深部体温, ストレス反応, および気分に及ぼす影響. 体力研究(110); 1-7. 2012 

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