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キャリアプランとは? 設計の仕方とコツ

ぱぴこ

キャリアプランを考えたことがありますか。自分の人生を考える上でも、キャリアプランは上手にデザインできるほうがいいようです。外資系OLコラムニストのぱぴこさんに、キャリアプランの設計の仕方や、その重要性について教えてもらいました。

新卒3年目前後の若手の方々から、こんな質問をよくもらいます。

「転職をするべきか迷うが、いつごろすればいいのでしょうか?」
「まず3年は同じ場所で働くべきでしょうか?」
「今の職場でやりたいことが見つかりません。転職も含めて考えるべきでしょうか?」

転職関連の記事を書いているためインターネットで聞かれることはもちろん、現実でも複数回転職しており、傍目から見ると私の経歴は結構キレイなのでよく聞かれます。

正直これらに対して明確な答えは私にはありません。

ドライに言えば「人による」&「転職目的による」ため、時期や転職が必要なのかは自分で考えるしかありません。

そして、これらの答えはある日突然生まれるものではなくて、「どのようなキャリア設計をしたいか」でも変わります。

必ずしも「年収を上げる」が最適解ではありません。また、職種が変わるなら転職よりも異動を検討したほうがいい場合もありますし、転職は目的ではなく手段です。

今日は、キャリアプランの設計のコツをお伝えしたいと思います。

キャリアプランとは

キャリアプランとは、その名の通り「自分自身のキャリア(仕事)のプラン(計画)」です。

計画は、短期・中期・長期で考える必要があります。短いものでは直近~3年程度のプランを、長いものだと社会人として何を成し遂げたいか? などの壮大なものです。

キャリアプランを設計するときの注意点

ライフプランからも考えてみる

ざっくりでも人生と照らし合わせた形でキャリアプランについて考えたことはありますか?

仕事と生活は密接に結びついているため「仕事」単独で考えるよりも、ライフプランとも互換性を持たせる必要が出てきます。

自分がどのようなキャリアを得たいのか、そのキャリアを実現するために何が必要なのかを考え、異動・転職・残留・留学などの手段を決めるというスタンスが大切です。

結局キャリアを考えることは「どんな風に生活したいか」「どんなふうになりたいか」の「人生をどう生きるか」にも関わります。

「かもしれない」人生イベントにとらわれすぎない

ライフプランと互換性を持たせてキャリアプランを考えるとはいえ、

「するかもしれない結婚」
「くるかもしれない介護」
「あるかもしれない病気」

などの変数を考えすぎると何も決められなくなります。そのため「考えすぎるな!」と言いたい。

「キャリアプランを考えろ!」という記事で「考えるな、感じるんだ」とか矛盾もいいところでは!? という気持ちになりますが、ライフもキャリアも全てが「計画通り」に行くなんてありません。

特に女性はライフプランとキャリアが結びつきやすく、この「するかもしれない結婚」に振り回され、決断できないという悩みを抱えがちです。

しかし、男女の性差なくプランを立てることと、発生するかもしれない「結婚」「出産」「育児」「介護」「病気」をある程度無視することは両立します。

キャリアプランを考えるタイミング

「キャリアプランを描きましょう!」と言われて「はい! これが私のプランです!」と秒速でプレゼンできる人はほぼいないでしょう。

私もコラムを書き、定期的にキャリアプランの棚卸しをしている自負があるものの、先日FP面談で「どんな生活をしたいですか?」と質問されたときに「……どんな生活をしたいか?」とbot返しをすることしかできませんでした。

また、自社の評価面談で、「キャリアプランは?」「3年後どうなりたい?」と聞かれるたびに「何にもなりたくない……地主になりたい……」と心で呟き、口頭では適当にそれっぽいことを言ってしのいでいました。ぶっちゃけそんなもんです。

「これ」という明確な目的・目標は常にあるわけではありません。壮大な人生年表を書く必要もありません。

ですが、節目で「どうするか」を検討することは大事なのです。

自分の行く先が「ぼんやり」している気がするタイミングでは、簡単なことを整理して、キャリアプランを設計しましょう。

キャリアプランの具体的な描き方

(1)自分自身の志向を知る=自己分析

ざっくり下記を洗いだし、自分自身の志向を知りましょう。

● 経験はないが自分がやってみたいと思っていること
● 仕事をしている中で、得意・好きだと思えること
● 苦手だけれども、克服したいと思っていること

なんとなくの自分の枠組みが見えてきたら、今度はこれらを具体化していきます。

「これ、やったことあるな?」と思った方もいるでしょう。

そう、新卒のときに散々「やれ」と言われ、頭を悩ませた「自己分析」です。

就職活動時も「会社に入る」という短期目標を達成するために、「どんなふうに働きたいのか」「なぜその業種・業態を選ぶのか」「自分の強み・弱み」といった内容をブレイクダウンしたと思います。

新卒時に漠然としていた「働くこと」に対する自己分析を、実際に働いた実感を持って再度実施するのがキャリアプラン構築の基礎です。

● 経験の有無にかかわらず、本当はどんな仕事がしたいか?
● 将来、仕事においてどんな人・状態でいたいか?
● 自分が何に喜びを感じ、価値を感じるのか?
● 自認としての「得意」と、他者から褒められる「得意」に差はあるか?
● 何歳の時に、どの程度の給与を得ていたいか? そのためにはどうするべきか?

(2)自己分析を年齢・年代で切り分けて考える

(1)を整理したら、年齢・年代で切り分けて考えます。

20代では給与が安くても、40代で高い年収を目指すような企業・職種を選んだり、一瞬給与が下がってもやりたい仕事のためにキャリアチェンジするなどです。

どこかに海外留学や大学院進学という選択肢が入る可能性もあります。

(3)「何をやるべきか」の道筋を立てる

(2)がクリアになると、具体的な打ち手が見えてきます。

●このくらいで大学院に行きたいから、お金を貯めたい
●この仕事をするためには経験としてこんなことが必要だ
●例えば今のまま仕事を10年続けたときの市場価値は?

疑問が具体化されれば、院入試に必要な要素やお金を計算できますし、求人票やOpenWorkなどの社員の口コミ評価からリアルな年収を調べられます。

目標に向かって「何をやるべきか」の道筋が見え、調べたり、頑張るために必要な要素が確認できるのです。

キャリアプランを立てたその後

頭をひねって絞り出したキャリアプランは、一度作ったら終わり! とはいきません。

数年おきに「見直し」をして、確度を高める必要があります。

プランの棚卸しと、トライ&エラーを繰り返し、実務上の経験値を擦り合わせることで、修正項目は減っていきます。情報の精度が上がるからです。

見直しの仕方とプランの固め方

年次が若いときは、自分の得意と好きが紐づかないことが多々あります。

若いときは「評価が絶対」と思いがちですが、評価とは実は非常に流動的です。上司や環境、そのときの業務内容によって「優秀」と「微妙」をいったりきたりすることは、よくあることです。

また、市場動向も時間が経つと変化します。

設計したときはバラ色に見えた市場やポジションが、そもそも魅力的でなくなれば、おのずとプランも変わります。

他者からの評価と自分の「やりたいこと・得意なこと・目指す方向」、市場の動向といった複数の要素を掛け合わせ、自分なりのキャリアプランが徐々に確固たるものになっていくイメージです。

定期的なキャリアプランの見直しは必須

評価面談や転職というタイミングがあると、いやでもやらざるを得ない「キャリアの棚卸し」ですが、そんなに嫌なものでもありません。

定期的にプランを見直すことで、達成度はもちろん、自分の志向や、市場における価値の見直しもできます。

「何を得れば、より早くゴールに近づくか」といった、戦略的思考が身に付くことで、無駄なく最短距離で走ることも可能になります。

また、定期的に振り返ることで、自分に足りない要素も確認できるため、キャリアプランを調整することにつながります。

定期的なキャリアプランの棚卸しは人生設計にもプラス

転職するにせよ、しないにせよ、プランニングが重要な理由がお分かりいただけたかと思います。

社内だけにいると「自分はこのままではいいのか」ともんもんとしがちです。新しいことへのチャレンジをする人が周囲にいると、「居続ける」という選択肢がマイナスに見える瞬間があります。

しかし、ただ闇雲に「動く」ことが評価されるわけではなく、「なりたい自分」になるように動けることが評価され、かつ自分の満足につながるということを忘れてはいけません。

「今のままではいけない」という危機感を持つことは素晴らしいことです。しかし、手段であるはずの「転職」が目的化してしまっては元も子もありません。

当たり前のことですが、転職はあくまでキャリアを実現するための一手段でしかありません。

漫然とした不安や焦りから転職活動を始めるのではなく、自分自身のキャリアプランを考えることから始めましょう。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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