「Sな彼女」の特徴と付き合い方
Sっ気のある彼女。そんな彼女ができたらどうしたらいいのか。自身もSだというマドカ・ジャスミンさんに、Sな彼女の特徴や魅力、また相性のいい男性、そして上手な付き合い方まで教えてもらいました。
「意外とされるがままが好きなのかなあ」
都心にある和モダンなデザインが特徴のラブホテルのベッドの上には好きな人が横たわる。
彼の身体をまさぐると、その動きと連動するかのように口から漏れる嬌声。
普段の自信と男らしさに満ちた彼とは別人かのような反応に私はボンヤリと考えた。
一回り近く歳下の女性に喘ぐだなんて、格好つけもあったものじゃないと思いつつ、そんなかわいらしい彼の一面がきっかけで私の中に新たな要素が生まれた。
それは、S。サディズムだ。
この彼以外にも、私の中のSが疼く男性はそれなりにいた。
そして、その誰もが社会的地位があったり、高所得者だったり、知名度があったりする人でそういう人と夜を共にするたび、普段とのギャップにびっくりしていた記憶が懐かしい。
しかも、そういった人たちは普段は「俺はMの子がいいわー」なんて軽口を叩きがちで、その言葉とベッドの上での様子との矛盾に思わず心の中でツッコミを入れた回数は一体いくつだっただろうか。
当時はそういった状況でSを求める男性とそれをきっかけに自分の中にあるSに熱が帯びるといったことが多かったが、時を経て現在。自分や同じくSを持つ女性が熱を帯びるタイミングは、当時の知識とは比にもならないほど多岐に渡るのだと知ることになる。
今回はSな彼女について、個人的な見解を述べたいと思う。
Sな彼女の特徴
セックスのときは大前提として、それ以外でどんな人がSを持つか、熱を帯びさせるのかを見分けるのは別に大したことではない。
気が利き、他人の機微に敏感
サービスのSと言われるぐらいそういった女性たちは、とにかく気が利く。他人の細部にまで目を届かせられるし、感情の些細な起伏にも敏感だ。
そして、相手のニーズを汲み取るのも上手いし、逆に汲み取れるからこそ敢えて与えないようにするのも上手い。
相手が極限にほしがる状態まで焦らしに焦らし、もう無理というタイミングでこれでもかと与える。
でも、それが出来るのはMへの愛情が深いからとも言えるかもしれない。
愛情が深い
色恋に限らず、Sを持つ人は愛情が深いのだ。
それは包み込むような柔らかなものではなく、気を抜いたら苦しい中で水圧と重力と共に沈み切りそうな深海のようなもの。
もがくほど苦しいけれど、でも身を任せれば自分たちが産まれたそのものに還る。ただそれだけ。
恐怖なんてものは、抗うからこそ生まれる感情に過ぎないのだ。
Sな彼女の魅力とは
そういった女性は、たとえ愛していたり、意中の相手だろうが、決して中途半端に引いたりはしない。
主張すべきを主張し、これ以上はと一瞬でも思えば、即座に引く。去る者は追わず来る者は拒まず。受容はするが、強要とは程遠い。それはする、される問わずにだ。
そういった姿は、それはもう魅力的に映るに違いない。
特に先にも書いた、自分が一線で活躍する男性であればあるだけ媚びずに自分の本質を見抜き、汲み取り、受け容れるといった女性たちにこれでもかと惹かれるものだ。
誰も自分が抱えている負の感情をきちんと肯定してくれない。自分の本質を知ろうともせずフィルターを通しての自分しか見てもらえない。自分は誰でもなく、ただの人間だと気づかせてほしい。
そういう想いで男性は、Sを持つ女性を求めるのだろう。
Sな彼女と相性のいい男性とは
だけど、残念なことにそういった男性たちすべてがSを持つ女性と良好な関係を築けるかと言えば……答えは、NO。
Sをサービスとしたとき、サービスを受ける側にも権利があるようにサービスをする側にも権利はある。
いくらこういった特性を持つ彼女だからとはいえ、何もかもを赦してくれるなんて思い込みは勘違いも甚だしい。
受け容れてくれる素質があっても、傍若無人な振舞いを重ねれば、嫌気がさして関係は破綻の一途を辿るだろう。
そもそも、Sを持つ女性と相性がいい男性は、期待をしたり、相手に求めたりしない人だ。
むしろ自分を深く理解しようとし、その理解の過程で自分の中のMを見出して、さらに探求しようと試みる。
生真面目、勉強家、冒険者。そんな言葉がぴったりと当てはまる。
誰かの評価に自分を脅かされることもなく、それでいて他人を深く理解しようとする懐の広さ。他者に身を委ねる信頼性。
何かを与えようとする女性とそれを真正面から享受しようとする男性。相性が悪いほうが怖いぐらいだ。
Sな彼女との上手な付き合い方
今交際している女性や意中の女性がSを持つとして、自分は前項で挙げられたような特性を持たないとする。
「自分はその人に見合わないかもしれない」と落ち込みかけるかもしれないが、何故落ち込むのかもよくわからない。
言ってしまえば、自分の恋愛相手がそういう女性だからとはいえ、困ることはない筈だ。
人は誰しもSとMのどちらの性質も持ち合わせている。その片方の性質の比重が多かった。もしくは、先に現れただけ。それ以外の何ものでもない。
むしろ、自分の素養を広げるいいきっかけとなるだろう。
けれど、その彼女だからといって、世間でよくいわれるような“S”を求めるのは違う話だ。
外国人から「君は日本人だから着物を着なよ」「エヴァンゲリオンやガンダムが好きでしょ」などのA=Bのような固定概念を当てはめられるのは良い気分ではない。
それと同じく、Sを持つからといって、SMプレイや罵り、加虐を求めてはいけない。だって、自分も「男なら女を養えよ」なんて言われたら、嫌になってしまわないか?
人が本来見つけられなかったり、仮に見つけられたとしても、深く掘らないような性質を持つからといって、彼女のその点だけに惹かれ、固執するのはもはや恋愛でもなんでもない。
自分がほしいのは彼女なのか、それともSを持つ女性なのか。
後者だとすれば、デートではなくSMバーに行くのをおすすめしよう。
(マドカ・ジャスミン)
※画像はイメージです
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