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セックスにおける「相性」とは? 相性が良い相手の基準

森林原人

セックスの相性とは具体的に何を指すのか? AV男優で執筆活動を行う森林原人さんが「セックスの相性の正体」「相性が良い相手の基準」を解説します。

セックスは相手がある行為ですから、自分の思うがままにすることはできません。する上でまず大切なのは、お互いセックスすることに対する同意(性的同意)があることです。

ただし、同意が揃ったとしてもセックスがうまくいくとは限りません。なぜなら、人それぞれに意思があり、感情があり、好みがあり、体型や体質、性癖もあり、体調の変化だってあるからです。

それらをまとめて「相性」といい、セックスの満足度を左右する要素のひとつになってきます。


セックスにおける「相性」とは?

さて、セックスにおける相性を構成するそれぞれの要素をくわしく見ていきます。

(1)性器の形状

身長や体重、骨太や筋肉質といったカラダの特徴があるように、性器にもさまざまな特徴があります。男性器なら、大きさ、長さ、太さ、硬さ、反射速度、持続力、射精コントロール力です(もっと細かく見れば、カリデカ、茎太、筋張っているといったものもあります)。

一方、女性器は、締まり、濡れ、感度、匂いがあります。

ちなみに、男女共に見た目の良し悪し(造形美)といった要素もありますが、セックスの内容にはそれほど影響しないのでここでは省きます。

大事なのは「形」ではなく「どう使いこなすか」

性器の形状や特徴そのものによる相性はもちろん存在します。とはいえ、実際にはお互いの気配り次第で良くも悪くもなります。

重要なのは、自身の性器の形状を把握し、“どう使いこなすか”です。周りの男優を見る限り、持ち物よりも使い方で相手の反応は変わります。

性器は相手をやっつける武器ではありません。

意識としては、どう攻撃力(大きさや締まり具合)を上げるかと考えるのではなく、相手と繋がる部位の一部でしかない性器を過信せずに、性器以外の部位(肌、唇、手足、視線、言葉)でいかに繋がるかのほうが重要だと考えることです。

性器頼りになると、セックスがパフォーマンスや競技になり、心が置いてきぼりになります。多くの人が考えているよりも性器単品での能力は乏しく、あてになりません。

(2)性癖の傾向

SとMだけではなく、激しいのが好きとか、サクッと短いので十分とか、身体がドロドロ溶け合うようなものが理想とか、ストーリーや場所、格好にこだわってしたいといったものまで、さまざまな性癖が存在します。

性癖とは、読んで字のごとく性の癖ですから、いつの間にか身についてしまっているモノで、意識して変えることは難しいです。左利きを無理やり右利きに矯正するとストレスがかかるという説があるぐらいで、性癖も、他人に迷惑をかけたり傷つけたりするモノでない限りはあるがまま自由でいいと思います。

「自分の性癖を言語化出来ること」が重要

性癖に関して重要なのは、自分で把握し、言語化出来るようになっておくことです。

それには、日ごろから自問自答したり、性に関してアンテナを張ったりしておかなければなりません。

多くの人が自分の食の好き嫌いを自覚できるのは、常日ごろから考え、選択する機会があるからです。「お昼、何食べたい?」と聞かれたり、「晩御飯何作ろうかな?」と考えたり、グルメ番組を見て「これ美味しそう、食べてみたいな」と食指を動かしたりして、自分の好みを把握していきます。

性に関しては、そういった機会が日常的にある人は少ないので、意識的にしておかなければなりません。

性癖を自認しない女性は多い

男性は、AVを選択するという機会を持つ方が多いのでまだ性癖自認を持ちやすいですが、女性は圧倒的に難しいです。

僕が自分の講演会で女性に聞く質問として「のび太、ジャイアン、スネ夫、出木杉の4人が大人になったとして、誰とするセックスが一番満足度は高そうですか?」というものがあります。

これに答えることで、自分の性癖や、セックスに求めているものが具体化、言語化されます。

答えはなんでもいいのですが、一番残念なのは、のび太を「私に嫌なことや痛いことをしなさそうだから」という理由で選ぶパターンです。満足度が高い人を選んでという質問なのに、消極的な理由で選択するところに、セックスに希望を持っていないし、自身がセックスで主体性を発揮できていないことが見てとれます。

性の悦びは、与えてもらうものではなく、自分で選択し手に入れていくものなのです。

参考記事はこちら▼

あなたは恋人との体の相性に満足していますか? 10の質問で、あなたと恋人の体の相性を診断します。

男性はセックスの相性を重視する?

男性が、女性と付き合い、結婚していく上でセックスの相性をどのくらい気にするかというと、人それぞれではありますが、傾向はあります。

エロい女が好きだが本命にしたくない男性

男性学の田中俊之先生がおっしゃっていた言葉を借りますが、男性は「性の二重基準(ダブルスタンダード)」を持っていると。エロい女が好きだが、自分の本命がエッチな女なのは嫌だという自分勝手な好き嫌いです。

見たり、遊んだりする分には典型的なAV女優のようなエロに奔放で、開放的で、テクニックも経験も豊富で積極的な女性を好みます。

ですが、自分の彼女や妻がそうだと、浮気の心配や、ほかの男子と比較されるプレッシャー、子どもが自分の遺伝子を受け継いでいるかの不安を抱えなければならず、そうなりたくないから本命女性の性を抑圧したがります。

改革が必要な「セックスの相性」の価値観

要するに、男性にとっての「相性が良い女性」の価値観はまだまだ古く、セックスと立場(本命、恋人、妻)の両方をいっぺんに求めてこない相手です。

また、日本において母性は聖なるものであって、性なるものであってはいけない風潮にあります。

だから、日本人の多くは自分の母親に性的な匂いを感じたくないし、母親も性的な匂いをさせないようにします。恋愛して結婚して子どもを作る場合、必ず性的な瞬間があったはずなのにそれを隠し、否定し、恥ずかしがります。

そういった家庭で育つと、大人になって自分が結婚するときには、男性は相手の女性に聖なる存在になることを求めるし、女性は聖なる存在にならなければというプレッシャーを自分自身からもかけられます。

当然、こういう2人はセックスが上手くいきません。

相性以前の話です。性の二重基準を男女共に改革していかないと、セックスを楽しむには遊びの女でいなきゃならないし、大切にされるには性に奥手なふりをしなければならないという女性にとってなんとも生きにくい世の中のままです。

参考記事はこちら▼

セックスのマンネリ化も相性に関係している? 普段とは違う体位に挑戦するのもありかもしれません。四十八手の種類や方法をイラスト付きで解説します。

新「セックスの相性が良い相手」論


セックスにおいて「相性の良い相手」は以下の条件のどれかに当てはまる人です。

・相手に男らしさや女らしさを求めるのではなく、自分らしさを求める人

・男らしさ、女らしさを発揮するのではなく、自分らしさを解放できる人

・自分らしくいるために、自分の好きと嫌いがわかっていて、それを表現することができる人

・相手の自分らしさが、自分の価値観と合わなかったとしても、それをそのまま受け止め無理のない範囲で対応しようとしてくれる人

・日常の価値観(社会的規範)をセックスに持ち込まない人

・洋服を脱いで裸になったときに、心のパンツまで脱いで無防備に明け渡してくれる人

・心のパンツを脱いで明け渡しても大丈夫と信頼できる人

・セックス中の所作において、自分の価値観だけを是とせず、いい塩梅を2人で見つけていくのを楽しめる人

・セックスという行為そのものが好きな人

・自他の体に対して汚いとか臭いとかネガティブなイメージを持たない人

ざっと以上になるのですが、どれも基本は自他の尊重が根っこにあり、相手をわかろうとするには男女といった大きな括りではなく、個人で捉えていかなければならないという考え方です。

抽象的でわかりにくいと思う方もいるでしょうが、誰かと何かを一緒にする共同作業の中で、セックスは一番といっていいほど喜びも大きければ傷つきも大きくなる可能性を持つ行為です。

なぜなら、セックスは唯一の正解がなく、自由だからです。

その自由を制限しないためには、相性について自身の具体的なルールを持つのではなく、一見抽象的ですが、大切なポイントだけを抑える原則に留めておくことが良いと確信しています。

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セックスの相性は自分らしさの発揮の先にある

セックスの相性は、血液型診断のように簡単にパターン分けできるわけではありません。

だから難しいし面白いし、すべての人に、すべての人と相性が良くなる可能性があるということです。

もしも「どうしてもこの人とは相性が合わないなぁ」と思うときは、そこに自分がどうしても譲れない好きや嫌いがあるということですから、気持ちに素直になって、それを大切にしてあげてください。

決して、相手に合わせすぎないようにしてください。それで相性が合っているようになっても、それは本当の相性ではありませんよ。

(森林原人)

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※画像はイメージです

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