人に会いたくない原因は? 対処法も解説
ストレスがたまっていたり疲れていたりすると、「人に会いたくない」と感じることもありますよね。それはなぜなのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに「人に会いたくない」と思う原因と対処法を解説してもらいました。
「なんだか人に会いたくないな」と思うことはありませんか?
仕事が終わり家のドアを開けてホッとするなどの開放的な場面や、疲れてベッドに横たわった瞬間といったダウンモードなど、さまざまなパターンがあると思います。
しかし、多くの方はそうした瞬間がありながらも、日々他人とコミュニケーションを取っているのが現実ではないでしょうか。
今回は、日常で見過ごしがちな「人に会いたくない」という心理を深堀りし、さらにそのような場合の対処法までを考えてみたいと思います。
人に会いたくないと思う原因
1.人疲れ
人とのコミュニケーションは好きで日々充実もしているけれど、なぜか「人と会いたくない」という気分になるときがあるという方は、この「人疲れ」が原因のことが多いです。
社会生理学者であるホームズが、日常生活においてどのようなものが人の心理的ストレスになるかを調べ、それを数値化した「社会的再適応評定尺度」というものがあります。
これは43のライフイベントを羅列し、たとえば配偶者の死の場合は100、離婚は73など、それぞれを点数化したもの。
この点数の合計が1年以内に200~300点になった人の半数以上が、だいたい翌年にストレス症状が心身に表れるといわれています。
ここで興味深いのは、結婚が50、優れた成績をあげることが28と、一般的におめでたい、喜ばしいといわれているイベントも意外とストレス指数が高いことです。
つまり、私たちは生きていれば必ずストレスがあるということ。
「人と会いたくない」と感じたとしても、そうした気持ちが一過性のものであれば、さほど気にする必要はありません。
「そんな日もあるさ」くらいに、自分の感情をありのまま受け止めてあげてください。
2.プライドを傷つけたくない
自分のプライドが傷つき、劣等感を抱くことが予測される場合は防御心理が働くため、人に会いたくないという気分になります。
受験で不合格になったとき、昇格試験に落ちてしまったときなど、勝者と敗者がある場合がわかりやすい例ですが、同窓会のハガキを見たときに「行きたくない!」と思うような場合も当てはまることが多いです。
周囲からの「今何してるの?」という質問に、自分のプライドが傷つけられるのではないかと無意識に恐れているのです。
3.心身のコンディション
特に、女性に当てはまります。
女性は毎月のホルモンバランスと自律神経が心と体に大きく影響を与えるので、月経前になるとイライラや不安、抑うつなどの精神症状が表れたり、月経期間は腹痛や頭痛などの身体症状に悩まされたり、人とのコミュニケーションが苦痛になることがあります。
ただ、これは女性が生命体として身体を保護するための自然な反応であることも確かです。
動物も生命を維持するために冬眠しますよね。それと同じです。
あまりにも辛い場合は医療との連携が必要ですが、過度にがんばる必要はなく、ゆったりとした生活を心がけて自分に負荷をかけないことが大切です。
人に会いたくないと感じやすい人の特徴
「人に会いたくない」と感じがちな人には、以下のような特徴があると考えられます。
1.ストレスをため込みやすい
前述したように、生きている限りストレスは受けるもの。
好きなことをしたり休んだりして気持ちを切り替えられればまだ良いのですが、ネガティブな出来事について延々と考え込むような人はなかなかストレスを発散できません。
その結果ストレスがたまってしまい、人と接する余裕がなくなりがちです。
2.人とのコミュニケーションが苦手
人とのコミュニケーションが苦手だと、人と接する時にいちいち余計なストレスを感じてしまいます。
特に、人とのコミュニケーションが苦手なのに人との関わりが多い仕事をしていると、負担を感じやすいでしょう。
3.気を使いすぎる性格
気遣いができる人は、相手が何を望んでいるか考えて先回りして行動するので、コミュニケーションは円滑に進みやすい傾向があります。
しかし、気を使いすぎるといつも相手の顔色をうかがうようになり、気持ちが疲れてしまうでしょう。このような人も「人に会いたくない」と感じやすいといえます。
▶次のページでは、人に会いたくない時の対処法、なるべく人に会わずに済む方法を紹介します。