お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

何故、決断できない!? 決断できない人の特徴とは

浅野寿和(心理カウンセラー)

Kaoru Sawa

恋愛や仕事において、決断しなければいけない場面は数多くあります。特に、仕事では決断力がないことはマイナス評価につながることも。自分の決断力の弱さに悩む女性も多いかもしれません。どうしたら決断力を身につけることができるのでしょうか。心理カウンセラーの浅野寿和さんに、決断できない理由や決断力をつける方法について教えてもらいましょう。

決断できずに損する事とは

決断できないとどうしてダメなのでしょうか。どんなことで損してしまうのでしょう? 浅野さんに教えてもらいました。

決断力が無くて損する事

意思が伝わらず誤解されやすい

決断できない人は、悪意なく「曖昧さ・わからなさ」を人に伝えてしまいます。そもそも、人は「わからない」ことを怖れるもの。何もしていないのに人に警戒されたり、誤解されたりすることも増えるかもしれません。

成功のチャンスを逃しやすい

自分で決断できない人は、人や周囲の価値観に合わせることが多いもの。それゆえ我慢がつのり、疲れ果ててしまうこともあるでしょう。自分のために行動する心の余裕がなくなり、成功や幸せのチャンスを逃してしまうかもしれません。

必要以上に自信を失う

決断できない人は「あのとき決断しておけば……」と後悔を抱えがち。実は決断して失敗するより決断しない後悔の方が苦しく、自信を失う理由になります。「あのとき私は決めなかった」という罪悪感を覚えることがその理由です。

決断できない人の特徴とその理由

続いては、決断できない人の特徴やその原因について教えてもらいました。

決断できない人の特徴

「最善」ではなく「失敗しない」方法を考える

決断できない人は最善の方法より「失敗しないこと」を考え、選択します。つまり「後ろ向き」の意見になりがちなのです。ただ、これはリスク回避の才能があるとも言えるので、後方支援をする仕事などでは活躍できることも。

不安やリスクに敏感

決断できない人は不安やリスクに敏感で、つい自分の不安にしがみつく傾向があります。反面、ものごとに慎重な姿勢でのぞみ、人の悩みやリスクに冷静に反応する力があるとも言えます。

平和主義

決断できない人は、平和主義な側面を持ちます。人の気持ちを乱したくないとどこかで思うあまり、自分で答えを出さないことも。決断ができないという意味では弱点なのかもしれませんが、人に対して受容的という美点があるとも言えます。

期待が強い

決断できない人は、「目標」よりは「期待・願望」で生きている傾向が。「こうなればよいな」「がんばったのだからこうなるはずだ」といった思いが強いのです。自分や周囲に期待する分、結果が出ないことで失望したり我慢したりすることが増えるかもしれません。

何ごとも正解にこだわる

決断の際に「正しい決断をしよう」と思いすぎると、優柔不断になりがち。間違いを怖れるがあまり、決められなくなるのです。ただし、それは正解を導こうとする力があるとも言えるでしょう。問題は正解が出るまで決められないことです。

なぜ、決断できないのか

自意識過剰になっている

誰しも持っている自意識。しかし、何かしらの理由で自意識が過剰になると、私たちはとたんに警戒心が強まり臆病になります。それゆえ決断することに不安を覚え、決断ができなくなるのです。

自己肯定感が低い

そもそも、自分が出す答えに自分自身が疑いを持ってしまうと決断力が失われます。自分を否定している状態で、自分の意見に自信を持つことは難しいのです。

権威への抵抗感が強い

職場での権威者は上司。家庭では親、学校では先生です。この「権威」に強い抵抗感を持っていると、決断が難しくなります。上司や親などに対する文句や不満、攻撃性を感じれば感じるほど、この傾向は強くなるでしょう。自分が決断するということは、自分が「権威側」に立つということに似ていますから「自分が決断したときに、今度は自分が攻撃される」と感じてしまうのです。

参考記事はこちら▼

あなたは決断力がある人orない人? 「決断力の強さ」を診断でチェックします。

専門家に聞いた! 決断力をつける方法

決断力がある人とない人にはどんな差があるのでしょうか? また、決断力を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか? 詳しく教えてもらいました。

決断力がある人と決断力がない人の差

「自分のため」の決断か「誰かのため」の決断か

決断ができない人が決断をしないのは「自分のため」。つまり、決断も「自分のため」という意識が強いので、一人で決断の責任を抱え込みがちです。決断力がある人は「誰かのため」と考えている人が多いもの。社会や人への貢献意識が強いのです。貢献意識は自分を許す効果があるので、失敗しても自責の念はそこまで強くなりません。

「できることをする」と考えるか「リスクのあることをする」と考えるか

決断力がある人は「自分にできることをする」とシンプルに考えます。しかし、決断を渋る人は「リスクのあることする」と考えてしまうようです。そのため決断に重苦しさを感じることになるのですね。

失敗から学ぶか否か

決断力がある人は、たとえ失敗してもそこから学べるという意識があります。しかし、決断力がない人は「決断したらそれまで」と考える傾向があり、失敗を悔い自分を責めてしまいがちです。

独自の価値基準を持っているか否か

決断力がある人には、自分の価値基準があります。つまり、自分の軸がしっかりしているということです。しかし、決断力がない人は、自分の価値基準が明確ではないことが多いもの。自分の軸が揺らいでいるため、何ごとも「これでよいのか?」と考えすぎるのです。

決断力のつけ方

人を理解する習慣をつける

自分自身が人の意見に興味を持てないと、「自分の意見も興味を持ってもらえないのではないか」と考えてしまいます。これでは決断することを重く感じてしまうでしょう。逆に普段から人の意見に興味を持って接すると、客観的な意見が得られ、かつ「自分の意見も受け入れてもらえるのではないか」と感じやすくなり、決断しやすくなりますよ。

完璧主義を手放す

完璧主義を手放すことは決断力を高めるために重要です。完璧主義の人は「不完全な自分」を隠したい気持ちが強いので、完璧な決断を考えてしまいます。しかし、そもそも完璧な人などいないもの。つまり、完璧な決断もないはずです。それよりも、内面的な「自分のよさ」「自分の至らないところ」の両面を受け入れてみましょう。「自分は自分でよい」という感覚が強まると、自分で決断することに意識が向くようになります。

権威的な人との関係性を見直す

自分にとって「権威的な人」を敵と認識すれば、「力のある人間は自分を責める」と感じますから、自分の決断自体がより重く感じられます。よって、自分にとって権威的な立場の人との関係性を改善するとよいですね。自分の決断は「上司などが支援してくれる」という感覚があると、決断に対する抵抗感が低減するからです。

自分の軸があれば「決断」は怖くない

自分という軸がある人にとって、決断は怖いことではないようです。自分をしっかり持っているために、決断を前向きなこととしてとらえることができ、失敗したとしても得るものがあると考えることもできます。そんな風に考えられたら、決断することは怖くなくなりそうじゃないですか? 決断力があることは人生をきっともっと豊かにしてくれるはず。自分に決断力がないなと感じたら、浅野さんのアドバイスをぜひ実践してみてください。

(文:浅野寿和、構成:Kaoru Sawa)

※画像はイメージです

SHARE