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決断力がある人とない人の違いとは? 決定スキルを鍛える方法

織田隼人(心理コーディネーター)

ジョーンズ加奈恵

人生の中には、さまざまなタイミングで決断しないといけない瞬間が訪れます。

その判断によって自分の人生が大きく変わっていくともいえるでしょう。そこで重要になるのが「決断力」。

決断を迫られる瞬間は数多くありますが、できることならより納得のいく選択をスピーディにしていきたいものですよね。

そこで決断力とは何か、またどう身につけたらいいのかを心理コーディネーターの織田隼人さんに聞きました。

決断力とは「変化への適応力」

どのような能力を決断力というのでしょうか。また、どうして決断力が必要なのでしょうか。具体的に考えることで、より決断力が身につけやすくなると思います。

決断力とは「変化に対して自分の意思で決定することができる能力」のことであると考えます。

決断力について考えるには、まず決断力のない状態から考えるとわかりやすいでしょう。

決断力がない状態では変化を嫌う

決断力のない状態のときは、現状をよしとして変化を嫌う傾向があります。また、決めることを先延ばしする傾向もあります。これが決断力のない状態といえます。

決断力がある状態では変化を受け入れる

逆に決断力がある状態とは、新しいことであっても知らないことであっても、「変化を受け入れよう!」としてチャレンジし、自分の責任で判断できる状態です。よって、決断力とは「変化を受け止めてそれを実現することを決める能力」ともいえるでしょう。

人生に決断力が必要な理由

今の時代は常に世の中が変化しています。変化が多いゆえに現状維持ではマイナスになってしまうこともあるのが現代。

そのため、自分の人生をよくするためには決断力が必要です。

決断をしないということは「変化を受け入れないこと」になってしまいます。前述の通り、決定をしない日々の連続は「維持」ではなく「マイナス」です。

したがって、変化を受け入れ、自分の意志で選択する決断力は、現状維持もしくはより幸せな人生を歩むためには必要不可欠なのです。

決断力がある人とない人の特徴

では、決断力がある人とない人の違いは、どのような部分にあるのでしょうか。決断力の有無を知るポイントは、「考えること」と「悩むこと」の違いを理解することにあります。

決断力がある人の特徴

決断力がある人の特徴

決断力がある人は「考えること」と「悩むこと」を明確に分けている人が多いです。

考えることとは、決断に必要な情報収集をしたり情報を整理したりすること。よい決断をするための下準備をすることが、考えることでもあります。そして悩むことというのは、不確定な未来に対してどうしようかと思いをはせること。

しかし、悩むことはいくらやっても結論が出ません。確定した未来などないからです。

この悩む時間が少ない人は決断力がある人といえるでしょう。

むしろ悩みはじめたら「これ以上情報は増えない、整理もできない。あとは決めるだけだ」と考え、「この際、この選択肢で行く!」という強い気持ちで決断ができるのです。

決断力がない人の特徴

決断力がない人に共通する特徴は「悩む時間が多いこと」。考えたあとに延々悩むと、どんどん決断が後回しになっていきます。

決断をするため、まず情報収集や整理をしたとします。

すると、その選択をした場合のメリット、デメリットの両方が出てくるはず。これを目の当たりにし、「本当にこの選択をしていいのか?」と悩んでしまう瞬間は誰にでもあるでしょう。

とはいえ、考えたあと(=結論を出すための情報収集、整理が終わったあと)にもかかわらず、同じことを繰り返し悩んでいるのは時間の無駄。なぜなら結論が出ないまま時間だけが経過していく状態だからです。悩んでも、考えた末に出てきたメリット、デメリットは変わらずそこにあるのです。

したがって、悩む時間を減らせば、決断力のない状態から、決断力のある状態に切り替えることができるはずです。

参考記事はこちら▼

あなたは決断力がある人orない人? 「決断力の強さ」を診断でチェックします。

決断力は身につく! 決定する力を鍛える方法

決断力は、意識すれば鍛えられる能力です。

そこで、どのような点を意識すればよいかをご説明します。よりよい決断をするために、さらには人生を豊かにするために、決断力を高めていきましょう。

(1)決断するための分類を持つ

決断の難易度を上手に分類すると決断しやすくなります。以下の3つくらいに分類をするとよいでしょう。

難易度が低い事項は、選択を誤ったときのリスクが少ないもの。難易度とリスクがわかっていれば、決定スピードがUPするはずです。

難易度低:割とどうでもよいこと

明日の朝に何を食べるのか、というような、危機に迫られる要素ではないものは、「割とどうでもよいこと」に分類。「失敗してもいいや」という気持ちで、気軽に悩まず決めていくことをオススメします。

難易度中:重要だけど過去事例があること

その決断において、過去の成功・失敗例があるもの、またメリット・デメリットが明確な場合は、いくつかの比較対象の情報を集める必要があります。これは考えることを要する決断といえます。

しっかりと比較要素の情報を集め、整理できるまで考えることが重要です。情報が増えなくなったとき、決める作業に移りましょう。

難易度高:新しいチャレンジ

転職や結婚、事業を起こすなど、未来がよく見えない、かつ重要度が高いことに対する決断は、情報を集めてもたいてい比較すらうまくできないもの。

この場合は「自分の未来のためになるかどうか」で直感を上手に使って決めましょう。一度決めたらあとは直感を信じるとよいでしょう。

(2)悩みはじめたら決めてしまう

決断をする上であまり意味のないことが「悩むこと」。情報が増えず、整理も止まってしまった場合は、これ以上考えてもあまり進展がありません。

どうすればよいのか悩んでいるだけの状態となっています。悩みはじめたら、あとは決めるだけです。

「悩んでいる」と思った場合は早々に切り上げて、さっさと決めてしまうとよいでしょう。早く決めてしまい、すぐ行動に移したほうがたいていうまくいきますよ。

(3)情報収集を入念にする

決断した結果うまくいくかどうかは、情報収集と情報整理の精度で変わってきます。つまり、しっかりと「考える」ことが必要です。

特に自分の未来に大きく関係することについては情報収集と整理をしっかり行いましょう。自分の未来に大きくかかわらないことについては情報収集や情報の整理は手を抜いてもかまいません。スピード感を重視しましょう。

(4)決めることを減らしておく

決断するのは結構疲れることですよね。たくさん決断することがあればあるほど、心が疲れてしまうものなので、日常生活では決断しなくても済むような生活をすることもオススメです。

たとえば、毎日服を考えて決めるのであれば、それだけで毎日決断をする要素が増えます。その分ほかに決断すべきことがあった場合、自ず避けてしまうことがあるのです。

服のパターンは5種類、などと決めてしまえば、あとは毎日そのパターンを繰り返すだけで決断する要素は減るはず。すると、ほかのことを決めるためにパワーを温存することができるでしょう。

日常生活での決断をできる限り減らすようにしておくと、本番の決断をしやすくなりますよ。

人生をよりよいものにするためには決断力が必要

決断力とは、変化を受け止めてそれを実現することを決める能力。まさに変化の多いこの時代に必要となる能力です。

日常生活での決断をできる限り減らし、大事な場面でこそ決定できるスキルをぜひ養っておきましょう。自分の人生をより楽しく、豊かにすることができるはずです。

迷ったら調べる、整理する。それが終わったら、さっさと決めてしまう。そんな決断フローをルーティン化し、いざというときに「決められる人間」になれるといいですね。

(文:織田隼人、構成:ジョーンズ加奈恵)

※画像はイメージです

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