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押さえるべきポイントは? 「議事録」の書き方例とコツ

木村俊夫(キャリアコンサルタント)

藤奈子

議事録を取らなければならない……このような状況におかれながら、議事録の取り方がわからないという女性は少なくないのではないでしょうか。普段から議事録を取り慣れているというわけでなければ、いったいどうしたらいいのか頭を悩ませてしまうもの。そこで今回は、ビジネスのシーンでの簡単な議事録の書き方について、キャリアカウンセラーの木村俊夫さんに教えていただきました。

そもそも議事録とは?

議事録って何?

議事録の目的

議事録とは会議でのやりとりを、その場にいなかった第三者にも内容や収束がわかるようにまとめた記録のこと。たとえば、次回の会議では社外の関係者も参加することになっているとします。このとき議事録があれば、社外の関係者もこれまでのやりとりをすぐに把握できるため、これまでの会議を踏まえたうえで、スムーズに会議を進行していくことができるというわけですね。これは欠席者がいる場合も同様です。

議事録が必要となる場面

議事録が必要となるのは「参加者以外に会議の内容を伝える場合」、さらに「参加者としても会議の内容を振り返りたい場合」、「全体の流れを把握したい場合」があげられます。数回の会議でプロジェクトが終わるとは限りません。年単位で動いているプロジェクトともなると、何十回と会議を重ねることになります。そのため、それまでのプロジェクト全体の流れを把握するためにも、それまでの議事録が必要不可欠となるのです。また、誰に決定権があるのか、責任の所在は誰にあるのか、このようなことを確認することも可能になります。

議事録で押さえるべきポイント

タイトル

会議がどのような内容だったかわかるタイトルにしましょう。基本的に会議は日常的におこなわれます。したがってたくさん議事録があったとしても、タイトルだけで判断できなければなりません。

日時

会議がいつおこなわれたのかは、きちんと記載しましょう。前回の会議での課題を比較したり、進捗を管理したり、このような次回の会議につながる情報を把握できなくなってしまうからです。

場所

議事録にどこで会議をしたのか記載しておく必要があります。これから同じような内容の会議をしていくとき、どの会議がどこであったのか判断がつかなくなってしまうことも。さらに、いつも会議にあてている場所が社外の関係者を呼ぶのには不適切という場合、議事録から規模間や雰囲気を思い出して、他の会議場所を検討することも可能です。

出席者

会議の出席者を漏らさずに記載しましょう。どのような発言をしたのかはもちろん、決定事項があった場合、その責任の所在を明らかにするためにも必要なもの。もし会議に社外の人間が参加していたのなら、社外→社内の順で表記するといいですね。

決定事項

決定事項については、なにより「事実をはっきりさせる」ことを意識しながら、どのような方法をとるのか、ゴールの数字はどれくらいか、いるのであれば決定者の要素をいれるのがポイントです。

議題

議題とは何について話し合ったのかということ。議題をまとめないと、どうしてこのような決定事項になったのかわかりませんし、そもそもそれまでのやりとりがわからないので、不都合が生じてしまいます。議題提案者について記載しておけば、発案が誰なのかも明確です。

次回への課題

次回の会議へ持ち越す課題もあるでしょう。その場合、決定事項ではなく、別建てで次回まで課題を記載しておくことで、あとから見返してもわかりやすくなります。

以上、このようなポイントをどのような順番で記載するかは、組織によってちがってきます。組織の色とも言えるでしょう。いずれにせよ、どのようなポジションの人間が見ても、会議の内容を飲み込めるよう工夫する必要があります。

議事録を書く際のコツって?

タイトルのつけ方

ほとんど議事録はパソコンで作成されます。そのため、ここでは電子ファイルであることを前提とします。議事録のタイトルは、日付と内容を盛り込みながらできるだけ簡潔に。たとえば、2018年7月18日の営業ルート開拓会議であれば「20180718_営業ルート開拓会議」のようにするといいでしょう。

出席者を書く順番と敬称

出席者について記録するときに困るのが、順番と敬称ではないでしょうか。まず、徹底してもらいたいのが、自分の名前を最後にしておくということ。あとは、社外→社内、社内は組織、あるいは役職の順番にしてください。わかりやすくするために役職表記をしますが、社内・社外の人間が集まっているときはかえって混乱します。その場合は、出席者(敬称略)にすると、トラブルを防ぐことができます。

文体はだ、である調でOK?

実際は、だ、である調、どちらも構わないのですが、特に社内でルールがない場合には、である調をおすすめします。である調、ですます調、それぞれで記載された議事録を比較すると、である調で書かれたもののほうがわかりやすいのです。それは無駄な主観を盛り込むことなく、事実を淡々と述べることができるからです。箇条書きを使用すると、文章を短くすることもできます。

議事録の書き方例(フォーマット例)

書き方の例が以下になります。参考にしてみてください。

セルフ・キャリアドック普及会議

◆ 日時
2018年7月18日水曜日13時~15時

◆場所
一般社団法人セルフキャリアデザイン協会 会議室A

◆出席者(敬称略)
前田、大塚、小野、木村

◆決定事項
①現在4件のランディングページをさらに新規で3件作成
②SEO対策を専門家に依頼
③モニター企業の要件に関して、コンサルティング料のみ全額無料と決定

◆議題
①クリック数が伸びず、広告の効果が実感できない問題への対策(小野)
②セルフ・キャリアドックの導入モニター企業を募集する際のハードルと契約内容(木村)
③メンタルヘルス分野との協働の模索(大塚)

◆次回への課題
ランディングページ案を一人3件ずつ作り発表する

◆次回開催
日時 :2018年8月4日水曜日
場所 :一般社団法人セルフキャリアデザイン協会 会議室A
参加者:前田、大塚、小野、木村

議事録を取る際の注意点

読み手への配慮

議事録で大切なのは自分が理解するものではなく、あくまで第三者がすぐに会議の内容を飲み込めること。そのため、ただ文字を起こすだけではなく、読む人間にとってわかりやすいものでなければならないわけです。たとえば、欠席者のために用意する議事録であれば、その欠席者にとって必要な情報を取捨択一したものを用意するような配慮があってもいいでしょう。

主観は盛り込まない

私はこう思った、私だったらこんな提案をした、私は反対だ……。このような主観を議事録に盛り込んではいけません。議事録には客観的な事実と決定事項が求められます。主観にとらわれず、淡々と記載していかなければならないのです。

発言を要約・言い換えをする

会議で飛び交った言葉をそのまま文字にする必要はありません。不必要に長い議事録になってしまうだけです。議事録では発言を要約したり、言い換えたりするようにして、できるだけ短い言葉で相手が理解できるような文章を心がけましょう。

会社や会議内容にシフトした議事録を作成しよう

企業で働いていると、ポジションによっては議事録の記録をしなければならないこともあります。議事録を取るときは、あくまで現状を淡々と記すようにしましょう。自分自身の主観も持ち込んではいけません。今回紹介した議事録例をもとにテンプレートをあらかじめ用意しておけば、会議当日に焦ることもありませんね。取り方のコツは、後日読んでいかにわかりやすいかを考えながら作ること。この記事を参考に作成してみてくださいね。

(文:木村俊夫 、構成:藤奈子)

※画像はイメージです

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