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素の自分が出せないのはなぜ? 素の自分の出し方【心理カウンセラー】

秋カヲリ

「素の自分の出し方」を心理カウンセラーの萩原かおりさんに解説してもらいました。

こんにちは、心理カウンセラーの萩原かおりです。なかなか素の自分を出せず、人とのコミュニケーションに苦労している人が増えていると聞きます。最近ではLINEなど対面しないコミュニケーションも多く、SNS上で自分のキャラクターを作りやすいのもひとつの原因でしょう。とはいえ、本当の自分をさらけだせないと窮屈な気持ちになってしまうもの。今回は、素の自分が出せない人に共通する特徴や原因、そして素の自分をさらけ出す方法を解説します。

素の自分を出せる相手がいないのはなぜ?

まずは、性格の特徴や育った環境から、素の自分を出せる相手がいない理由について探っていきましょう。

素の自分が出せない人の性格とは?

素の自分を出せる相手がいないのは、実は自分に問題があります。あなたにもこんな一面はありませんか?

自信がない

自信がないと、「ありのままの自分では人に受け入れてもらえない」と考えてしまうので素の自分が出せません。そのために無理に明るく振舞ったり、強がったり、笑ったりと演じてしまい、気疲れしてしまいます。また、そうやって自分自身をさらけ出せずにいると、さらに自己肯定感が下がってしまって負のループにはまりがちです。

相手を信用していない

疑り深い性格で、相手をなかなか信用できない人も素の自分を出すことができません。「ありのままの自分を見せる=弱みを見せる」ということでもあるので、自分をさらけ出すのは勇気がいります。相手を信じられなければ、素の自分を出すなんて怖くてできないもの。もちろん、なかには信用できない人もいるので人を見る目は必要ですが、あまりにも自分を隠すのは精神衛生上よくありません。

嫌われるのが怖い! 素の自分が出せない本当の理由

次は、素の自分が出せない理由を過去の経験などから紐解いていきます。

昔、受け入れてもらえなかった経験がある

素の自分を出せない人にありがちなのが、幼少期に人から受け入れてもらえなかった経験があり、それが知らず知らずのうちにトラウマになっているケースです。幼心にショックを受け、「自分は人から受け入れてもらえないのだ」という固定観念が根づいてしまっています。それが潜在意識として刷り込まれているため自己肯定感が低い方も多く、過去のトラウマが根深い問題となっているのです。

自分で自分を認めていない

どんな相手であれ、どんな状況であれ、自分で自分を認めて受け入れられなければ素の自分を出すことはできません。自信を持てない人や、自分自身を愛せない人はありのままの自分を受け入れられないのです。そういう人は自分を嘘や虚構で塗り固めて、素の自分を隠し、本来の自分とは違う自分ばかりを演じてしまいます。

素を出せる自分のつくり方

素の自分が出せない原因はわかったものの、具体的にどのようにして本当の自分を解放していけばよいのでしょうか? ここでは人前でキャラクターを演じることのデメリット、そして素の自分をさらけだすコツを紹介します。

素の自分が出せないことのデメリット

いい人間関係を築けない

どれだけうまく演じているつもりでも、実際は無理して違う自分を演出しているので、それが相手にも嘘っぽく見えてしまうもの。最初はごまかせても、長い時間を過ごせば過ごすほど粗が目立ってきて、相手に「この人はたぶん心を開いてくれていないんだろうなあ」と感じさせてしまうのです。

そうやって素の自分を出せずにいると、深いコミュニケーションを交わすことができず、仲良くなりたい人とも信頼関係を築けません。素の自分を出せない限り、信頼し合える相手も永遠に見つかりません。

付き合ってもすぐ別れてしまう

恋愛でも同じことがいえます。素の自分を出さないということは、嘘の自分のまま相手に接するということ。相手も素を見せてくれないあなたに対して不信感を抱くので、いつまでたっても関係が深まらず、恋愛に発展しません。

また、もし素の自分を出さないまま付き合えたとしても、いずれボロが出ます。相手はありのままのあなたではなく、かりそめのあなたを好きになって付き合ったのですから、結局うまくいかなくなって別れてしまうでしょう。諸刃の剣で付き合っても短期的な関係にしかならないので、いい結果にはたどり着けないのです。

素の自分を出すためにすべきことって?

周囲とよりよい人間関係を築くためにも、勇気を出して素の自分を見せていくことは大切。最後に、自分自身をさらけだすコツをお伝えします。

過去と現在を切り離す

過去に自分を受け入れてもらえず、その経験が素の自分を出すことへの恐怖につながっている方は、過去と現在を切り離して考える癖をつけましょう。いつまでも過去を引きずっていては成長できません。昔のあなたがそのとき目の前にいた人に拒絶されたからと言って、いまのあなたが目の前にいる人に拒絶されるわけではないのです。

過去と現在を切り離せれば、いまと向き合うことができます。昔のあなたといまのあなたは違うのです。恐れの感情を捨てて、ありのままに目の前の人とコミュニケーションをとりましょう。人は隠しごとをしているとストレスを感じ、コミュニケーション力が落ちると言われています。素の自分のほうがかえって話しやすく、会話が弾むかもしれません

「ありのままの自分は受け入れられる」と宣言する

自分で自分を受け入れられず、自信を持てない方はアファメーションにチャレンジしましょう。アファメーションとは「自己成就予言」ともいわれていて、夢が叶うと信じて、自ら口に出して断言することです。この場合は、「ありのままの私はじゅうぶん魅力的です」「私は私自身を心から受け入れています」といった内容の言葉をはっきり宣言するといいでしょう。これを繰り返すことで、自然と意志が強くなっていき、自分を信じる力で実現へと近づくのです。

アファメーションのコツは現在形で宣言すること。「ありのままの私で人と話したい」「いつか素の自分を出せますように」といった言葉ではなく「ありのままの私で人と話せます」と断定するのです。また、言葉は短ければ短いほど効果的。「私は~で、~して、素の自分を出せます」というようにダラダラと言うのではなく、簡潔に宣言しましょう。そして、宣言しているときはその言葉を信じるべき。「きっとできないよなあ」と思いながら宣言しても、あまり効果がありません。そのため、朝起きたときや寝る前など、少しぼんやりしているときに行うと信じやすく効果が出やすくなります。

アファメーションはビジネスで成功している人もよく取り入れている行動です。自分を信じる練習だと思って、毎日の習慣にしましょう。

自信を育めば素の自分を出せる

素の自分を出せない理由はいろいろありますが、どれも根っこを掘り下げていくと「自信を持っているか」がカギ。自信といっても、ただ自尊心が強いだけでは素の自分は出せません。ご紹介したやり方や考え方を身につけて、まずは自分を愛する力を育て、本当の自信につなげてくださいね。

(萩原かおり)

※画像はイメージです

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