僕が入籍前日に婚約破棄した「本当の理由」 #純粋すぎる俺たちの恋愛
浮気、借金、モラハラ……。いわゆる「ダメ男」を好きになってしまい、泣かされた経験のある女性も多いのではないだろうか。だけど男性側にも、そのような行動をとってしまう理由がある。そう、彼らに言わせてみれば、純粋な気持ちで恋愛しているだけなのだ。恋愛コラムニストの桐谷ヨウさんとマイナビウーマン編集部が、ダメ男の心理を徹底分析する連載【純粋すぎる俺たちの恋愛】。ダメ男に縁があるすべての女性に捧げます。
恋愛コラムニストの桐谷ヨウさんと、世の女性意見を代弁するマイナビウーマン編集部が、女泣かせなダメ男たちの心理を分析する連載【純粋すぎる俺たちの恋愛】。今回は、ITベンチャー起業のWEBプロデューサーとして、時代の最先端でバリバリ働くユウヤさん(仮名/32歳)にインタビュー。ヒゲの似合う端正な顔立ちとセクシーな声を武器に、数多の女を泣かせてきた彼の本性とは?
月収300万以上! No.2ホストに登りつめた過去
――はじめまして、マイナビウーマン編集部です。本日はよろしくお願いいたします。それにしてもユウヤさん、なかなかの美男子ですね。相当おモテになりそう。前情報によると、今まで数多の女を泣かせてきたとか。
ユウヤ 泣かせてないっすよ、逆に泣かされてきた側ですね(笑)。
桐谷ヨウ いやーこの顔はモテますよ。かなり遊んできたでしょ?
ユウヤ 最近は仕事ばっかりで全然ですねー。いちばん遊んでた時期は、大学に入る前。やりたいことないからとりあえずアメリカに行こうと思って、その資金調達のために半年くらいホストやってたんですよ。
桐谷ヨウ ホスト! けっこう売れた?
ユウヤ 店のNo.2まで登りつめて、月300万以上稼いだこともありましたね。道を歩いてる女性を見ながら値段つけちゃうくらい。この人キャッチしたらいくらかなーって。相当クズな時代でしたね(笑)。でもお金をもらう以上、相手を120%満足させてあげなきゃいけないと思ってたから、いいサービスを提供することには磨きをかけてました。
桐谷ヨウ ホストの流儀!
ユウヤ で、ホストで稼いだお金を頭金にして渡米しました。ヒッチハイクとか、乗り合いのでかいトラックとかで、ニューヨークからロスまで横断したり。途中で強盗に遭っちゃって、バイトしたりもしてました。その期間中に日本のペーパーバッグ(小説)を読んだら、日本語って綺麗だなーと思って、初めてやりたいことを見つけたんですよ。そのあと日本に戻って、日本文学を学べる大学に行きました。
桐谷ヨウ なんの小説読んだの?
ユウヤ いろいろ読んだんですけど、一番よかったのは谷崎潤一郎の『痴人の愛』です。
桐谷ヨウ あー、なんか俺、ユウヤさん好き……。久しぶりに文学好きな自分のメンタルがくすぐられてる。
――桐谷さん。企画の主旨とずれてきているので、文学の話やめてもらってもいいですか?
桐谷ヨウ あ、すみません(笑)。がんばってダメなエピソード引き出しますね!
誰もがうらやむハイスペック彼女と結婚しなかった理由
――ユウヤさんは大学を卒業して社会人になってから、初めて結婚を考えた彼女と「婚約届を提出する前日に盛大な婚約破棄をかました」って聞きましたが……。下手したら裁判沙汰ですよね。
桐谷ヨウ 入籍前日に婚約破棄!? やっちゃったねー。相手はどういう子だったの?
ユウヤ 3つ年上の、めちゃくちゃ稼いでるバリキャリ系女性でした。実家もお金持ちで、僕好みの美人。付き合いはじめるときに「2年後に結婚しなかったら別れるからね」と言われました。で、同棲しながら2年付き合ってみて別に悪いところも見つからないし、本人も望んでくれているから結婚しようかなって。
桐谷ヨウ 順調じゃないですか。
ユウヤ 各所への挨拶も済ませて、もうあとは籍を入れるだけだったんですよね。だけど入籍が決まってから、彼女がいきなり僕の仕事をディスりはじめたんです。「そんなに忙しく働いて、あなたが社長に搾取されていないか心配」とか「あなただったらもっといい会社で、いいお金をもらえるはず」とか。僕はこの仕事が好きだし、社長を尊敬していることも彼女に伝えていたはずなのに、突然そんなことを言われたのがショックで。
桐谷ヨウ そこで結婚を迷って、入籍前日まで持ち越してしまったと。
ユウヤ そうですね。現実主義な子だったので、もしかすると結婚前に僕の働き方とか収入とか、いろんなことが気になってそういう発言をしてきたのかもしれない。でもこのままじゃ、彼女にマインドコントロールされちゃいそうな気がして。婚約届を出す前日に、「ちょっとこの案件ペンディング(=保留)させて」って言いました(笑)。
桐谷ヨウ たしかにそのまま結婚するのは、お互いにとってよくないもんね。
ユウヤ はい。おそらく彼女の理想とする男性像と僕自身に、乖離があったんですよ。僕はその理想像を演じることはできるかもしれないけど、それは本当の僕じゃない。彼女の理想に寄せて生きていくのはつらいし、お互い悲しいですよね。それからじっくり考えて、別れを決意しました。
入籍前日の婚約破棄は「人生最大のファインプレー」
――えっと、綺麗な言葉でいろいろ語ってますけど、いちばん悲しいのは彼女じゃないですか。親への紹介も済ませて、本格的に結婚準備を進めていたタイミングでの婚約破棄ですよね。ただでさえショックで立ち直れないのに、親や友人たちには事情を説明しなきゃいけないし、後処理は相当大変ですよ。それに、案件によっては訴訟になりかねないですよね。そのあたりはどう思ってるんですか?(真顔)
ユウヤ いや、僕にとってあの婚約破棄は、人生最大のファインプレーだと思ってます。あのまま結婚しちゃっていたら、多分すぐ離婚しただろうし。お互いの戸籍にバツがついちゃうくらいなら、籍入れる前に破局してよかったなーと。
――(そう言われると正論っぽい気もするが……)いやちょっと待って。巧みな話術ではぐらかそうとするのやめてください。そもそも入籍前日まで持ち越さないで、もう少し前にペンディングすればよかったじゃないですか。
ユウヤ (笑)。さすがマイナビウーマン編集部さんはチョロくないっすね。
桐谷ヨウ ごまかしがきかない(笑)。
ユウヤ まぁ、たしかに入籍前日ギリギリまで持ち越しちゃったのは、僕の落ち度ですね。申し訳ない。
桐谷ヨウ ユウヤさんって真面目だと思うんですよ。しかも絶対に仕事デキるし、モテる。今まで女性を泣かせてきたことも多いだろうけど、関係を切るときに意識してることってあります?
ユウヤ 自分が悪者になるように心がけてます。ひどいこと言ったり、クズなことしたり。女子会で「あいつほんと最低!」って言われるくらいの(笑)。そうしたほうが変にストーカー化されないし、何より女性側の未練を断ち切ってあげられますよね。「なんであんな奴のこと好きだったんだろう?」って吹っ切れて、次に進めるだろうから。女性のことを思っての言動なんです。
桐谷ヨウ うわー、かっこいい。その気持ちわかるし、同じ男として尊敬できる。今日はいい話が聞けたなぁ。ユウヤさん、最後に好きな作家教えてください!
――もう文学の話は下の喫茶店でやってもらっていいですか?(怒)
ユウヤさんの巧みな話術と、企画コンセプト完全無視の文学トークに、桐谷さんもうっかり共鳴してしまった連載初回でした。でもよく話を聞いてみると、「そもそも最初からそんなに彼女のことが好きじゃなかったのでは?」と感じました。結婚準備を進めるなかで、ユウヤさん自身も知らず知らずのうちに「彼女を嫌いになるきっかけ(=別れの理由)」を探していたのではないでしょうか。彼女さんもあのとき結婚しなくてよかったと思いますよ。もっとご自分に合った、幸せになれる相手が見つかるはずです。
次回は、付き合った女をダメにさせる【ダメ女製造男子】が登場します。
(取材協力:桐谷ヨウ、文・撮影:マイナビウーマン編集部)