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誰かに愛されたい。もしかして「愛されたい症候群」かも?

織田隼人(心理コーディネーター)

三浦一紀

ひとりでは不安で、常に誰かの愛情を感じていたい。人間ならば多かれ少なかれ、そのような感情を持っているものです。

でも、その「愛されたい」という気持ちが強すぎるとしたら……、もしかしたら「愛されたい症候群」かもしれません。

心理コーディネーター・織田隼人さんに、愛されたい症候群とは何か、愛されたいと思う原因やその対処法、また、愛される方法について、くわしく教えてもらいました。

愛されたい症候群とは

人が愛されたいと思う理由は?

まず、生き物としての人を見ると「集団で行動する生き物」なので、誰かに頼ったり頼られたりして生きていくことが前提です。そして愛されたいという気持ちは、集団で行動する生き物にある本能的なものなので、ある程度はあって当然の感情です。

ただし、愛されたい気持ちが強すぎる場合は少し問題があるといえます。なぜなら、愛されることで自分の価値を示そうとしているため、「愛されたい気持ちが非常に強くなる」傾向があるからです。

「愛される」というのは結果です。自分の価値が先にあって、その結果愛されるもの。愛されることで自分の価値を示そうとするのは、順番が逆。そのためにどんどん疲弊していきます。

自分の価値を紙切れのように軽いものと感じ、自分の価値を示すために愛されようとがんばってしまう。しかし、がんばればがんばるほど、自分の価値を上げるための時間が失われてしまう、という悪循環に陥ってしまうのです。

そんな悪循環に陥っていると感じたら「愛されたい症候群」である可能性があります。

愛されたい症候群とは

愛されたい症候群は実際の病名ではなく、愛されたいと渇望する人が多くいることからこのような名前で呼ばれています。

愛されたい症候群とは、その名の通り誰かに愛されたいという思いが募ってあふれている状態を指します。

誰かに愛されていたとしてもその愛が自分にとっては足りない、と思った場合も同様です。愛されたい気持ちがエスカレートし、さらに愛されなければならないという思いになってしまいます。

誰かから「愛されたいと思う人」、そして誰かからの「愛を感じるのが苦手な人」や、「愛されている実感が長続きせずにすぐに愛されている実感をほしがる人」などが愛されたい症候群になりやすいです。

今すぐチェック! 「愛されたい症候群」の特徴

彼氏に頻繁に「好き?」とか「愛している?」と聞いてしまう

 

付き合っている相手に対して自分のことを好きかどうかを頻繁に確認してしまう場合、自分に向けている愛情が心配になっている可能性が高いです。

そもそも、付き合っている時点で愛されているのはわかっているはずなのに「頻繁に」聞くということは、愛されている実感をほとんど得られていないという状態であることがわかります。

もちろんたまに聞く程度では、あまり心配する必要はありません。

付き合っている相手がいない期間が短い

誰かに愛されたいという気持ちが強い人ほど、誰かと付き合っていない期間がとてもさみしく感じるので、積極的に彼氏を探します。

その結果、付き合っている相手がいない期間が短くなる傾向があるのです。

すぐに彼氏を見つけられる、というのは長所でもあります。しかし、その彼に対して自分が思っているだけの愛を与えてくれるように求めてしまう傾向が強く、それに彼氏が耐えられなくなり、別れに発展してしまうことも。

「別れ」と「付き合う」を短期間に繰り返してしまうことも多いです。

彼氏以外の人間関係が極端に少ない

人は誰しも愛されたいという気持ちは持っているものですが、その愛されたい気持ちをさまざまな交友関係の中から少しずつ満足させていることが多いです。

しかし、彼氏以外に交友関係がほとんどない、彼氏がいれば十分、と考える人は彼に多大な愛情を求めるようになりがち。

そんな人は愛されたい願望が強くなる傾向があります。

一時的に彼からの愛に満足しても、すぐに不安になる

彼に抱きしめられたりして一時的には愛情を感じて満足するのだけれど、1時間とか2時間も経てばすぐに不安になってしまう人も注意が必要です。

抱きしめられたり、優しく声をかけられたり、手をつないだりというのは彼からの愛情がある証なので安心していいはずなのに、すぐに不安になる場合には「愛情を感じてもその愛情を継続して信じることができない」状態となっている可能性が高いです。

愛情を信じられないので、不安になり、不安になった結果さらに彼に愛情を求めるというスパイラルに陥ってしまいます。

彼氏のために自分のすべてを捧げようとしてしまう

彼に愛されるためならなんでもやろうという気持ちになりやすい人も要注意です。

ファッションを彼の好みにし、彼の都合にいつも合わせるようにし、自分がいやなときでも求められればベッドインする、というように自分のすべてを彼に注いでいる人は「自分を見失うくらい彼に愛を求めている」状態といえます。

自分の核となる部分が自分ではなく彼になってしまうので、彼の愛情をさらに求めるようになってしまうのです。

愛されたい症候群に陥る原因

親の愛情をあまり感じない環境で育った

愛されたい症候群の人は「人の愛を感じにくい/人の愛を信じにくい」という状態になっていることが多いです。

幼少のころに親の愛情をあまり感じずに環境に育った人は、人の愛を感じにくくなっていることがあります。

たとえば、親と離ればなれにならざるを得なかったなど、親の愛を感じにくい環境にいた場合にはそれが原因で愛されたい衝動が強くなっていることがあります。

自分の人生を「恋愛がうまいくいくか」で判断している

人生にとって恋愛は大事な要素のひとつですが、その恋愛が人生のすべてというように受け止めている場合も愛されたい症候群になりやすいです。

たとえば、これまでの自分の人生があまり気に入っていなくて、恋愛によって大逆転しよう、と思っているような人もあてはまります。

「恋愛」によって自分の人生がすべて左右されるような環境となるので、愛されたい気持ちが過剰になることが多いです。

学生時代・社会人の友達関係が希薄

たとえば、就職して地元を離れて友達のいない環境になった、といった場合は「友達がいないがゆえに恋愛から受ける愛情に依存してしまう」というケースもあります。

愛情というのはさまざまな人から少しずつ受け取ることで安定が図れます。

受け取る愛情をすべて恋愛に頼ってしまうと、彼の愛情にちょっとでも疑問を抱くと不安が加速されるてしまうのです。

家族全員とうまくいっていない

家族の中に自分の味方がひとりでもいるとそれだけで家族からの愛情を信じることができ、心は安定しやすくなります。

反面、家族全員とうまくいっていない場合には、家族による愛情によって心の安定が作れなくなってしまいます。そのため、恋愛相手に家族分の愛情も求めることとなり、過剰に愛を求めてしまうことがあります。

「誰かに愛されたい」という気持ちを克服するには?

極端に「誰かに愛されたい」という気持ちを持ってしまうのは、あまりよい状態ではありません。
では、その気持ちを克服するにはどうしたらいいのでしょうか。

人のために行動する

「愛されたい」という気持ちを全否定する必要はありません。なぜなら、がんばるためのエネルギー源になるからです。愛されたい気持ちをうまく使って「誰かを助けるためにがんばる」とよいでしょう。

他人を助けると、自分の価値に気づくことができます。愛されるために行動したとしても、人を助けさえすれば自分が役に立つことを実感できて、自身の価値に気づき、長所を伸ばすことにもつながります。

何かを作る、勉強する

愛されたい願望が強い場合は、自分の価値を示すために愛されようとしていることが多いので、ほかの方法で自分の価値を上げましょう。

何かを作ったり、勉強したり、肉体を鍛えたりすることで自分の価値が向上します。

自分の価値を向上させると、愛されることに目を向けすぎず「私はすごいんだ、まだやれる」というように、自分で自分をほめるようになっていきます。そうなることにより、過剰に愛されたい気持ちが消えていくのです。

キレイ、かわいいを追究する

自分自身がキレイになったり、かわいらしくなったりすることを追究するのもいいでしょう。愛されたい気持ちがあれば、キレイになること、かわいくなることは比較的モチベーションが上がりやすく、努力しやすくなります。

化粧やファッションのレベルを上げたり、ダイエットをしたりなど、普通の人以上の努力をすると、それはいつか報われます。そして報われたときに「自信」につながり、そこに自分の価値を見出すことができます。

「愛される女性」になるための3つのポイント

「愛されたい」という気持ち自体は、悪いものではありません。やはり、誰かに愛されたいと思うのが人間です。

そこで、「愛される女性」になるためのポイントをチェックしていきましょう。

自分を好きになる

自分で自分のことを好きな人は、周囲から愛されやすくなります。

自分で自分が好きなら、ほかの人から見ても好きになれる部分があるという証明になりますし、自信を持って人に接することができます。鏡に向かって自分に「好き」と伝えましょう。そうすれば、自分のことをどんどん好きになれます。

楽しい、うれしいを素直に表現する

一緒にいて幸せな気持ちになる人というのは、プラスの感情表現が上手な人です。愛されたいのであれば、楽しい、うれしいをどんどん表現していきましょう。

楽しい、うれしいを伝えればまわりは幸せになりますし、あなたに対して行動を起こしたときに喜んでもらえることがわかっているので、さらにあなたに何か行動を起こしたくなります。

そして、あなたがまた喜べば相手もうれしくなり、いい循環が生まれ、結果的にどんどん愛されるようになります。

「ありがとう」を常に言う

自分のために行動してくれた人に対して、「ありがとう」と伝える癖をつけましょう。

たとえば、コンビニで買い物をしてレジで精算をしてもらった場合も「ありがとう」と伝えます。日々「ありがとう」を伝えていくと、どんどんいいことが生まれます。相手がいい気持ちになってくれて、次のサービスがよくなる可能性も生まれます。

また、そのときに一緒にいた人は、「この人はありがとうと言える気持ちのいい人だ」と思ってくれて、あなたに対して好印象を抱きます。

これを繰り返すと、自然に愛されやすい状態になります。

まずは自分を愛そう

「誰かに愛されたい」という感情は、決して悪いものではありません。ただし、その気持ちが強くなりすぎると、自分自身が疲弊してしまいます。

まずは自分で自分を愛することからはじめてみましょう。そうすることで、自然とまわりの人から愛される人になるはずです。

(文:織田隼人、構成:三浦一紀、イラスト:カーリィkaarii/@akari_0119

※イラストはイメージです

 

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