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恋の病とは? ~症状と治療法~

ゆうきゆう

人を好きになるとかかってしまう「恋の病」。そもそも恋の病って病気なの? もしそうなら、治せるの? そんな恋の病に関する疑問を、精神科医のゆうきゆう先生に答えてもらいました!

恋の病とは

恋をすると、ハッピーな気持ちになるだけでなく、不安になったり食欲がなくなったりするものです。まずは、「恋の病」とはズバリ何なのかを、ゆうきゆう先生に教えてもらいました。

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病気なの? 恋の病のメカニズム

昔から「恋わずらい」という言葉があるように、恋の病は存在します。恋愛で思い悩むあまり、気分がふさいでしまうことを主に指します。また、気持ちの面だけでなく、食欲の低下や不眠などの肉体的な症状を訴えることもあります。

恋愛中はドーパミンという神経伝達物質が多く分泌されるといわれています。この物質は快感を得ようとする気持ちや、やる気を高めたりするプラスの働きも持ちますが、過剰に分泌されると依存性が高まるといったマイナスの働きも起こします。さらに、ドーパミンが分泌されることで、心の安定に役立つセロトニンという神経伝達物質が減少してしまうため、不安感や憂うつ感といったネガティブな感覚にとらわれやすくもなります。セロトニンが不足すると、“うつ”と同じような症状が出ることも。たとえば、相手と付き合えるかどうか、相手は自分のことをどう思っているのか、次はいつ会えるのか、相手に特定の恋人はいるのか……。恋をするとそんなことに考えを巡らせる人は少なくないと思いますが、こういった特定の相手に対する執着を高めたり、必要以上に悲観的な気持ちになってしまうのは、ドーパミンの過剰分泌による影響と言えるでしょう。

主な症状って?

恋の病の初期は、ため息が増える、相手のことを考える時間が増える、といったことが起きます。重症化してくると、相手からの連絡を何度もチェックしてしまう、相手のことを考えて眠れなくなる、食欲が落ちる、相手のこと以外を考えられなくなる、相手にかかわりのないことへの興味がわかなくなる、行動力が低下するなどが起きてくるでしょう。

行動の原動力が相手や相手にかかわることだけになってしまうので、恋愛絡みでは積極的に見えますが、生活全体で見ると行動力がかなり低下しています。

恋の病の深刻度チェック!

自分がなんとなく恋の病にかかっていると思っていても、その深刻度まではわからない人が多いはず。下記の設問に答えて、あなたの恋の病の深刻度をチェックしてみてください。

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<設問>

次の設問で、自分が当てはまると思うものをチェックしてください。

・自分だけが相手をわかってあげられると思う

・相手のことを考えて寝つけないことがある

・仕事中や授業中、相手のことを考えて集中できない

・友人や家族と約束していても、相手のためにドタキャンすることがある

・時間があると相手からメールやLINEが来ていないかチェックしている

・恋愛がうまくいってないと生活が楽しくない

・相手に誘われるかもしれないので休日に予定を入れられない

・無意識にため息をついてしまう

・好きな相手さえいてくれたら何もいらないと思う

・相手の悪いところも恋愛中は見ないふりをしてしまう

<診断結果>

チェックした設問の数で、「恋の病の深刻度」がわかります。

0~1個→ 深刻度0%! 恋の病にはかかっていません。そもそも恋愛をしていないか、恋愛の比重がかなり軽めでしょう。恋をしているならその調子をキープして。

2~4個→ 深刻度30%! 軽い恋の病にかかっているようですが、少し恋愛の比重を見直せば立ち直れる程度です。今のうちに少し気を引き締めておきましょう。

5~7個→ 深刻度60%! どうやら初期を通り越してしまったようですね……。既に少し辛くなっているのでは? 気分を切り替えて恋愛抜きで楽しめることを探しましょう!

8~10個→ 深刻度90%! 恋の病が重症化してしまっています。かなりこじらせているので早めに治療に取りかかりましょう!

恋の病の治療法

症状を重症化させないためにも、どうにか恋の病を治したいところ。最後は、恋の病の治療法を教えてもらいました。

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恋の病を放っておくとどうなる?

放っておいても恋愛の熱が冷めたり状況が落ち着けば症状も収まります。しかし、人によっては時間とともに仕事や勉強が手につかなくなったり、恋愛以外への意欲が失せたりといった状況に陥ることも……。相手の動向によって落ち込んだり前向きになったりするため、感情の起伏が激しくなったり、生活のリズムが崩れやすくなったり、その結果として大きく体調を崩すといったことにもなりかねません。

また、相手中心に生活を送ることで、周囲との人間関係がギクシャクしたり信用を失ったりということも起こりやすくなります。それにより生きづらさを感じ、余計に「恋愛でうまくいくこと=快感を得ること」だと感じてしまい、さらに相手に執着しやすくなる、という負の連鎖にはまることもあります。また、摂食障害やうつなど深刻な病気に発展することもあるので、早めに自分の状況を把握して気持ちが恋愛に傾きすぎないようにしておくといいでしょう。

恋の病の治し方

恋の病を治すには、恋愛以外のことに集中する時間を意識的に持つことが大事です。まずは、体を動かしたりどこかへ出かけたりなど、生活をアクティブにすることで恋愛の比重を軽くしましょう。思い悩む時間を減らしていくと恋の病の重症化を防げます。恋愛で悩むのは誰でもあることなのである意味仕方がないですが、生活に支障があるようなら、少し意識的に恋愛から離れる時間を持つほうがいいでしょう。

また、人と話すことでもセロトニンは分泌されやすくなるため、気持ちの安定を図る意味でも人と接する機会を減らさないようにすることが大切です。なかなかアクティブになれないということであれば、本を読んだりDVDを借りて観るといったことでもかまいません。ただし、共感してしまう恋愛映画はかえって気持ちを盛りあげてしまうため、避けるほうが無難でしょう。

まとめ

恋の病を発症すると、心や体に不調があらわれます。特に深刻度が高かった人は、ゆうきゆう先生のアドバイスを参考に、恋の病を治せるように努力しましょう。

(文:ゆうきゆう、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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