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結婚前に貯金額って教えるべき? 結婚に必要なお金をFPが解説

石川福美(トータルファイナンシャルアドバイザー)

ファナティック

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結婚が決まると、パートナーと2人で新生活を始めるためのお金が必要になりますよね。引っ越しや結婚式、新婚旅行などを行う場合は、さらに費用がかかります。結婚のためにどれくらいお金が必要になるのか、結婚前にお互いの貯金額を教え合うべきかなどについて、ファイナンシャル・プランナー(FP)の石川福美さんに教えていただきました。

結婚のためにいくら貯金した?

まずは未婚男性のみなさんに、結婚する前に女性に準備しておいてほしい「理想の貯金額」について聞いてみました。また、既婚女性のみなさんに、「結婚が決まったときの自分の貯金額」と「結婚のために2人で貯めた金額」について教えてもらいました。

男性が望む女性の貯金額

Q.結婚前に女性に準備してほしい貯金額はいくらですか?(※1)

男性が望む結婚前に女性に準備してほしい貯金額

1位「100~150万円未満」……17.7%
2位「50万円未満」……16.9%
3位「50~100万円未満」……11.6%
4位「150~200万円未満」……10.2%
5位「300~350万円未満」……9.1%

※6位以下省略

未婚男性のみなさんにアンケート調査を行ったところ、1位が「100~150万円未満」、2位が「50万円未満」となりました。半数以上の男性が「50万円未満~200万円未満」と回答していることから、女性に多額の貯金を求める男性は少ないようです。

実際の女性の貯金額

Q.結婚が決まったとき、自分の貯金はいくらありましたか?(※2)

結婚時の女性の貯金額

1位「50万円未満」……28.3%
2位「50~100万円未満」……13.6%
3位「100~150万円未満」……11.7%
4位「150~200万円未満」……8.4%
5位「200~250万円未満」……7.9%

※6位以下省略

既婚女性のみなさんに、結婚当時の貯金額についてアンケート調査を行ったところ、半数以上の女性が「50万円未満~150万円未満」と回答しました。未婚男性が女性に求めている貯金額とほぼ同じ結果となっています。

結婚のために2人で貯めた金額

Q.結婚のための費用として、パートナーと2人でいくら貯金しましたか?(※2)

結婚のために2人で貯めた金額

1位「50万円未満」……46.4%
2位「50~100万円未満」……15.9%
3位「100~150万円未満」……12.9%
4位「150~200万円未満」……5.7%
4位「200~250万円未満」……5.7%

※6位以下省略

結婚のために2人で貯めた金額について聞いてみたところ、約半数の女性が「50万円未満」と回答しました。金額的にはあまり大きくないので、お互いの貯金額を合わせて、足りない分だけ貯金したのかもしれませんね。

結婚前に貯金額を教え合うべき?

結婚生活を送るためには、お金の話は避けては通れません。結婚が決まったら、お互いの貯金額を教え合うべきなのでしょうか。女性のみなさんにアンケート調査を行いました。また、FPの石川福美さんにも聞いてみました。

一般女性の意見

Q.あなたは、結婚する前に、お互いの貯金額を正直に教え合うべきだと思いますか?(※3)

結婚する前に、お互いの貯金額を正直に教え合うべきだと思いますか?

・「思う」……52.3%
・「思わない」……47.7%

わずかに「思う」と回答した女性が多くなりましたが、ほぼ半々に意見が分かれました。それぞれの意見について聞いてみましょう。

<思う>

将来設計を考えるため

・「人生設計に大事なのでは? 自分は、あまり言いたくないのが正直なところだけど」(31歳/学校・教育関連/技術職)

・「貯金がないのに結婚だけはできない。お金がかかるから」(25歳/不動産/事務系専門職)

本音としては言いたくないけれど、2人の将来のために伝えておいたほうがいいという意見です。2人の懐事情を把握しておいたほうが、生活水準を決めやすいですよね。

隠し事はトラブルのもとだから

・「結婚式のときに相手に貯金がなくて大変だった」(30歳/医療・福祉/専門職)

・「私は貯金がないので、旦那さんになる人がもしできたら、絶対にないことを正直に打ち明け今後の生活をどうするか相談します。それで結婚を断られても仕方ないと思います」(31歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

貯金額を隠していたために、トラブルに見舞われるという可能性もあります。お互いに貯金がなかった場合、結婚式費用なども節約しなければなりませんよね。

<思わない>

個人の資産だから

・「独身のときのものは個人資産だから」(29歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

結婚するからといって、必ずしも貯金額を公開しなければならないわけではありません。結婚前の貯金はあくまで個人の資産なので、教える必要はないと考えている女性もいました。

へそくりも大切

・「多少はへそくりとしてとっておいてもよいと思う」(32歳/金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職)

・「けっこうあるので言いたくない」(28歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

貯金額にある程度余裕がある人は、逆に言いたくないと思うようです。いざというときに当てにされたら困ると考えているのかもしれませんね。

FPの意見

石川:結婚が決まったら、まずはパートナーとどんなスタイルで資産管理をしていきたいか、話し合ってみるとよいでしょう。必ずしも貯金額を教えなければならないわけではありませんが、資産形成を効率的に行うためには、元手の金額の大きさも重要な要素です。自分だけの資産で考えるより、二人の資産を合算して、リスクを分散させながら、将来のライフプランに必要な資金を準備することをおすすめします。

結婚に必要なお金

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結婚して新生活を始めるためにはお金が必要になりますが、具体的に何に対してどのくらいの費用が発生するのでしょうか。「新生活の費用」「結婚式の費用」「新婚旅行の費用」の3項目について、FPの石川さんに解説していただきました。

新生活の費用

石川:新居への引っ越し費用や生活用品の準備など、すべての平均額で計算すると、以下の金額になります。

首都圏平均

143万9,000円(71万9,500円/人)

全国平均

72万3,000円(36万1,500円/人)

※「新生活準備調査2016」リクルートブライダル総研調べ

カップルによってお金のかけ方は異なりますが、取捨選択しても70~100万円はかかると思ったほうがよいでしょう。絶対に妥協したくない部分、節約してもいい部分、こだわりは人それぞれ異なるので、しっかり優先順位をつけることが大切です。

結婚式の費用

石川:自己負担額の平均と内訳は以下です。

自己負担額平均

127万4,000円(63万7,000円/人)

≪内訳≫
挙式・披露宴・披露パーティ:359万7,000円
ご祝儀:232万3,000円

※「ゼクシィ結婚トレンド調査2016」ゼクシィブライダル総研調べ

挙式・披露宴・披露パーティをすべて行った場合の自己負担額の平均は、127万4,000円です。今ではナシ婚やスマ婚など選択肢もあるので、自分たちの経済状況に合った結婚式のプランを選択しましょう。

新婚旅行の費用

石川:新婚旅行にかかる平均費用は以下です。

新婚旅行費用

60万6,000円(30万3,000円/人)
※上記金額は航空券やホテル代など、事前に支払う金額。現地での食事代や観光代は、別途準備が必要です

お土産代

11万7,000円(5万8,500円/人)

※「ゼクシィ結婚トレンド調査2015」ゼクシィブライダル総研調べ

旅行先別平均費用

・10万円前後/人……日本国内
・20万円前後/人……グアム、東南アジア
・30万円前後/人……ハワイ
・30万円~50万円未満/人……アメリカ本土
・50万円以上/人……ヨーロッパ

※「ハネムーンの予算は?新婚旅行の費用と相場」みんなのウェディング編集部調べ

新婚旅行は、行き先によって金額に大きな差が出ます。最も安いのが国内で、海外の中でもヨーロッパのほうは高額になります。

結婚のために準備しておきたい貯金額

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最初に紹介したアンケート結果では、結婚が決まったときの女性の貯金額は「50万円未満」がもっとも多い回答となりましたが、結婚のために準備しておきたい「理想の貯金額」はどれくらいなのでしょうか。FPの石川さんに教えていただきました。

結婚までに貯めておきたい金額

石川:結婚式、新婚旅行、新居費用などから、夫婦で261万3,000円(103万6,000円/人)あれば大丈夫でしょう。また、家庭での緊急予備資金として生活費の3カ月~6カ月分は蓄えておきたいので、夫婦で60~120万円(一人30~60万円)をプラスして貯金できると安心です。

結婚までにお金を貯めるコツ

石川:まずは具体的な目標額を決めてください。人の意志は弱いので、「なんとなく」では貯まりません。自分の理想とする結婚式に必要な金額から逆算して、いつまでにいくら貯めればよいのか、具体的な数字を計算しましょう。また、勝手に貯まる仕組みを取り入れることも大切です。例えば、給与の振込先口座を分けられる会社に勤めている人なら、毎月一定額を「貯蓄用口座」に振り込んでもらいましょう。

さらに、お金を貯めるのと同時に、支出を減らすことも重要です。例えばスマートフォンの通信費など、使っていないオプション機能や有料アプリをそのままにしていないか見直して、固定費の圧縮を行ってください。

彼氏の貯金額を聞きだす方法

石川:結婚前に彼氏の貯金額を知っておきたいと思う女性も多いでしょう。結婚式や新婚旅行の予算を決めるにあたって、自分たちの貯金の範囲内で抑えるのか、もしくはプラスで貯める必要があるのかを確認するために、とても大切な情報です。

いきなり直球で聞くというよりも、結婚式などの具体的なプランを決めていく中で、必要情報としてさらりとヒアリングしてみるのがおすすめです。

まとめ

貯金はないよりもあるに越したことはありませんが、一番大事なことは、これからしっかりとした資金形成が必要になることを認識し、二人で協力し合って資金作りをしていくことです。しかし、将来の不安を解消するために、ケチケチしすぎてストレスになってしまうのはよくありません。計画的に、でも無理のない範囲で、しっかりと貯金していきましょう。

(監修:石川福美、文:ファナティック)

※画像はイメージです

(※1)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年6月5日~6月6日
調査人数:361人(22歳~39歳の未婚男性)

(※2)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年6月5日~6月6日
調査人数:403人(22歳~34歳の既婚女性)

(※3)マイナビウーマン調べ
調査日時:2015年4月
調査人数:214人(22歳~34歳の働く女性)

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