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【新連載】先輩のことが大好きなのに、私たちの関係は曖昧で不透明……

小向先輩は大学のスポーツサークルで、
いっしょだった。でも現役の頃は、
先輩には他に付き合っている人がいて、
お付き合いはとても無理だった。

卒業後も疎遠になるばかりだったけれど、
1年目のOB会で彼女と別れたと聞き、
2年目のOB会の帰り道、
お酒の酔いに任せてダメ元で
「好きです。お付き合いできませんか」
と自分の方から告白した。
その時の驚き照れたような先輩の顔は、
とても愛嬌があって、今でも忘れられない。

それから先輩は困ったような顔で、
腕組みをしながら、しばらく考えていた。
そして小さくため息をつくと言った。
「オレ、彼女は作らない主義なんだ。
でもそれでもよければ、会ったり遊んだりしよう」

こうして、わたしたちの曖昧な関係がはじまった。
OB会はゴールデンウイークだったから、
こんな関係が1年は続いたことになる。
小向先輩の仕事が忙しい月末は除いて、
こんな風に、だいたい月に2、3回会う。

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