プロ直伝! 首や肩が痛くならない正しいスマホの持ち方
多くの人にとって、生活の一部になりつつあるスマートフォン(以下スマホ)。年々普及率が高まり、また画面が見やすい大型のモデルも続々と登場しています。ところが、スマホが原因でひどい肩こりや頭痛に悩まされるなど、不調を訴える人も増えているとか。こうした「スマホ症候群」を避けるには、どうすればいいのでしょうか。東京・日本橋にあるKIZUカイロプラクティックの木津直昭先生に伺いました。
「うつむいてスマホをチェック」「ストレートネック」が肩こりの原因に
「スマホ症候群とは、不自然な姿勢でスマホを長時間使用することによって起こる体のトラブル全般をいいます。うつむいて画面をのぞきこむ時間が長くなるほど、首や肩に負担がかかります。頭痛やめまい、首肩の凝りや腕のしびれ、肩が痛みで上がらないといった“五十肩”の症状が30代に多発しているのも、スマホが原因だと考えられます。また、スマホの画面が年々見やすくなった結果、使用時間も長くなり、症状の悪化に拍車をかけています」(木津先生)
うつむいてスマホをチェックする姿はオフィスでも、電車の中でもよく見かけます。でも、こうした前傾姿勢を長時間続けていると、本来カーブしているはずの首の骨がまっすぐになる「ストレートネック」になりやすくなるとか。
「本来、人間の首は7つの頸椎がゆるやかなカーブを描くことで、スイカ1個分ほどの重さがあると言われる頭部を支えています。スマホの使いすぎや姿勢の悪さによって正常なカーブが失われると、首の骨や筋肉や関節に負担がかかります。その結果、頭痛やめまい、慢性的な首肩の凝り、呼吸が浅くなったり、睡眠の質が落ちたり、原因不明の不調を引き起こすこともあります」(木津先生)
スマホの使用時間を減らすことはストレートネックをはじめとする、スマホ症候群の予防に効果的だそうです。とはいえ、便利なだけになかなかスマホを手放せないというのが実情かもしれません。じつはスマホの持ち方ひとつで首や肩、背中の筋肉への負担を減らせるとか。どのような点に気をつければいいのでしょうか。
「まず、スマホを持つ手は肘から手の甲まで一直線になるよう意識します。そして、ひじと体の間に反対側の手を、手の甲が上に向くよう、はさみます。すると目線が上がり、ストレートネックの予防にもつながります。また、自然と姿勢も良くなり、肩や背中もラクになるんです」(木津先生)
両手で画面操作する場合も、持つほうの手はそのままの位置を意識しながら操作するといいそうです。
「猫背でデスクワーク」もスマホ症候群の原因に!
じつは、スマホだけではなく、オフィスでのパソコンの使い方にも気をつけることも効果的だとか。
「もともと、ストレートネックは長時間パソコンを使用する人によく見られた症状でした。パソコンとスマホはともに手や肩などへの負担が大きく、複合作用でスマホ症候群の増加につながっている可能性があります。猫背にならないよう、デスク回りの環境をととのえることも大切です。たとえば、座る時は、足をしっかりと床につけてイスに深く腰掛け、太ももが床と平行で膝が90度になるようにイスの高さを調節します」
また、ノートパソコンを使う際は下に台などを置き、目線の角度が5~10度以上下がらないよう、高さを調整。タブレットの場合は後ろから手を回し、抱えるように持つのがオススメ。自然と肩が下がり、肩の筋肉に無理な力がかからなくなるとか。
「疲れてくると、前傾姿勢になってパソコンを凝視するなど、姿勢が悪くなりがち。1~2時間に1回ぐらいのペースで意識的に休憩を取るよう、心がけましょう。肩を上げ下げしたり、首を肩をゆっくり回すなど、簡単なストレッチで固まった筋肉をほぐすのもおすすめです。仕事の合間にイスに座ったまま、腕を上げて後ろに反るだけでも効果があります」(木津先生)
(松澤夏織+ガールズ健康ラボ)
※この記事は2014年04月03日に公開されたものです